転職を考えているエンジニアが入社を意思決定する際に最も気にすることの一つである”評価制度”。同時に、経営層やCTOが普段から最も頭を悩ませる存在でもあります。
今回はそんな「評価制度」について、Findyのユーザー向けにアンケート調査を実施しました。本調査が転職を考えている、或いは将来考えるエンジニアの方や評価制度について悩んでいる企業の方にとって参考になるものになれば幸いです。
※本記事ではレポート内容を一部ピックアップしながら、ご注目いただきたい調査データを本記事でご紹介していきます。
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評価に納得している割合は51.55%
まず直近の評価制度に納得しているかどうか、についてです。約半数が評価への納得感を持っており、逆に納得していない方は16%程度となっています。直近のエンジニアの年収アップ傾向も反映してか、一定の方が納得或いは、どちらでもないまでも不満を持つまでには至っていないようです。
評価に対して納得していない方は以下のような理由から不満を抱えているようです。
評価項目・基準がない
- 不明確そもそも評価項目が事前に知らされていない
- 何をすれば上がるかが明確ではないため。OKR が形骸化している
評価者の評価の仕方に問題がある
- 評価者がエンジニア業務を理解しておらず、評価内容に納得感がなかった
- 最終的な判断が上長の定性的な判断に依存している
評価が給与へ反映されない・給与が低い
- 評価と査定金額の紐づきが不明瞭
- やっている仕事の難易度に対して年収が低いと感じている
評価自体はどんな方であっても常に毎回期待通りになるわけではないため、一定の不満足は出るものですが、自社がどの程度の満足度なのかはサーベイ等を通じて把握し続けるのはとても大事になってきますね。
エンジニアとビジネスサイドで評価・査定に違いがあるのも半数程度で満足度も高い
また評価に対して一定の満足度が得られているのも、やはりエンジニアに特化した評価制度やエンジニアに対する評価の理解が整備されてきているというのも大きく影響していそうです。
また、評価の納得度についても、当然ですが、エンジニアとビジネスサイドで評価・査定の方法に違いがある方が高いようです。
評価の納得度を上げるためには1on1が大事
評価をする方が最も取り組んでいることは何かという問いですが、1番は「目標の進捗確認と達成のための支援(1on1)」であり、また実際に70%以上の方が「1on1が機能している」と感じているようです。
1on1に効果を感じている方は、以下のような点を実感しているようです。
目標進捗の改善、成長につながっている
- 部下の成長や進歩が見られる
- 目標の進捗が良くなったため
サーベイの結果がいい
- 上司評価、エンゲージメントサーベイの結果が良い
- 1on1を評価・フィードバックするツールがあり、その結果から
コミュニケーションがとりやすくなった
- 相手への相談がしやすくなった。普段の複数名でのミーティングやテキストベースのやり取りだと 相手の感じが掴めないが対面で話すとお互いの緊張感が緩和される
- 課題の把握と解決ができている
最近では開発生産性の文脈でもSPACEというフレームワークについて語られるようになってきています。その中でも、コミュニケーションの質など、ソースコード以外の部分にも注力していくことで、全体の生産性が上がるのがエンジニア組織であると言われており、上記はトレンドを反映した結果になっています。
評価が入社の意思決定に影響
調査結果では賞与・査定の評価項目の詳細が入社の意思決定に影響を与える割合は7割弱になっており、転職活動を考える方にとって評価は非常に大事なポイントになってきています。
当然と言えば当然で、入社時の年収は確定しているものの、当然ながらそこで数年間は働く前提に立つと、自分がどう評価され、どう給与が上がるのか、賞与がもらえるかは気になるところですね。
ちなみに、評価や査定については本当は知りたいにも関わらず、なかなか採用時には確認できる機会が少ないということで転職活動における大きな情報GAPになっていそうです。
最近では、スタートアップの一部でエンジニアの評価制度や、場合によっては等級と対応する年収レンジまで公開している会社も出てきており、そうした企業の人気も同時に高まっている印象です。
以上、エンジニアの評価制度に関する調査はいかがでしたでしょうか。
個人的には評価制度への納得度が一定担保されてきている中で、1on1の重要性が年々高まってきている、一方でなかなか転職活動時には評価について知ることができないGAPが起きている点が非常に興味深いと感じました。
Findyでは定期的にアンケート調査を実施しており、調査結果のご提供を通してエンジニアユーザーや採用を頑張る企業を応援していきたいと思っております。こんな調査がして欲しいという声があれば、是非是非お気軽にご連絡いただければ幸いです。