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技術的負債や開発生産性の可視化・計測ができている職場の割合は◯%!エンジニア377人に調査

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Findyでは2023年7月に弊社サービスに登録いただいているエンジニアの方を対象として「技術的負債と開発生産性についての調査」(有効回答数 n=377)を実施しました。

Findyでは、以前からエンジニア組織の「開発生産性」に注目しており、上記を計測するための独自サービス「Findy Team+」の開発・提供も行っていますが、今回改めて「技術的負債や開発生産性」に対する企業側の理解度や取り組みが、転職を意識するエンジニアの企業選びの意向にどのように影響するかをアンケートにより数値化しています。

転職を意識されるエンジニアの方はもちろん、企業側のエンジニア採用担当者の方やそれに関わる皆様にとっても目新しい結果かと思いますので、ぜひご一読いただけたら幸いです。

目次

「技術的負債・開発生産性」とは何か?

調査結果に言及する前に、本稿で扱う「技術的負債」と「開発生産性」という語について、簡単に触れておきたいと思います。

まず、「技術的負債」についてですが、このワードについては1990年代から使われてきた単語で、過去に選択・採用した技術やコードが後の開発におけるボトルネックになる状態のことを指して使われる言葉です。

この「技術的負債」という言葉はソフトウェア開発の世界においては広く一般的に使われていますが、実際に今回の調査対象となっているエンジニアの78.8%が「現在・過去において技術的負債の解消に取り組んだ経験がある」と回答されています。

具体的に取り組まれた内容としては「コードの可読性・保守性に起因する品質低下」の問題解決や、「コードやシステムのドキュメント不足」といった課題に取り組まれた方が多くいらっしゃいます。

本稿で触れる調査結果では、上記のような多様な課題・負債を総じて「技術的負債」と定義しておりますので、予めご留意ください。

次に、「開発生産性」という語についても事前に触れておきます。こちらは文字通り「開発現場における生産性」を示した語で、GoogleのDevOps Research and Assessmentチームが提唱した「Four Keys」(デプロイ頻度・変更リードタイム・変更障害率・復元時間)などで測られることが多い指標です。

「技術的負債」と比べるとまだメジャーな言葉ではないかもしれませんが、特にWeb系エンジニアの中では近年注目され、話題になることも増えているテーマかと思います。本調査の中でもこの「開発生産性」についての注目度を聞いていますが、「昨年よりも注目されている」と感じるエンジニアが過半数を超えるなど、徐々に注目度が高まっていることが感じられます。

本稿では、上記「技術的負債」ならびに「開発生産性」についてエンジニアがどのように向き合っているか、またそれが「転職」「仕事探し」というタイミングでどのように心理的な影響を与えるかについて、調査結果のサマリーをお伝えします。

なお、下記から調査レポートの詳しい内容を閲覧できます。ご興味のある方はぜひご覧ください(※閲覧にはFindyサービスへの登録・ログインが必要です)

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エンジニアは「技術的負債」にどう向き合っているか?

「技術的負債」については、「その優先度について、ビジネスサイドや経営者の理解を得づらい」「機能開発が優先され、負債の解消が後回しにされる」といった文脈で語られることが少なくないかと思います。

今回の調査でも、そうした「企業の中での技術的負債」に対する向き合い方を複数質問していますので、いくつかその結果をご紹介します。

まず、「技術的負債の解消に取り組むことが現職では評価されるか?」という質問について。この質問に対しては、56.8%のエンジニアが「技術的負債の解消よりも、機能開発の方がより評価される」と回答されています。


「負債の解消も機能開発も、どちらも同等程度に評価される」という声も3割程度聞かれており、以前と比べて「技術的負債」に対する理解度が高まってきた印象も感じられますが、依然として半分を超える方が「負債の解消よりも機能開発が優先される」と感じているのが多くの企業における実態を表しているのではないかと思われます。

特に、開発組織内での合意形成よりも経営陣・ビジネスサイドとの温度感を感じる声が別の設問からも挙がっています。

また、別の設問にて、アンケート回答者の方が所属する企業・組織が「技術的負債」の解消や「開発生産性」の可視化・向上に向けて何らかの外部サービスを利用しているかどうかを聞いています。

以下がその結果になりますが、既に上記を目的としたサービスを導入していると答えた方は僅か13.5%に留まっており、負債や生産性に対するエンジニアからの関心の高さに反して低い値となっています。

先日ファインディが主催して実施した開発生産性Conferenceでも、「関心はあるがツールの導入には至っていない」「進めていきたいが、投資判断が下りるかわからない」といった話をされている来場者の方が多数いらっしゃいました。

エンジニアからのニーズの高まりを感じる反面、ツール導入を含めた組織としての投資判断や特にビジネスサイドからの理解を得るための活動まで行えている企業はまだ限定的であるというのが本調査から見られる傾向です。

なお、紙幅の関係でここでは割愛させていただきますが、調査の中では上記にまつわる具体的な困り事や状況についての定性的な意見も聞いています。「技術的負債」に関するエンジニアからの具体的な声・困り事について興味がある方は、ぜひ調査レポートをご確認ください。

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技術的負債や開発生産性がエンジニアの転職に与える影響

ここからは、上記で見てきた「技術的負債」や「開発生産性」がエンジニアの転職に与えている影響について見ていきます。

まず、「技術的負債」に対する現職の取り組み状況が、その方の転職意向に影響を与えたことがあるか、という観点です。

こちらの設問に対しては、約1/4もの方が「実際にそれがきっかけとなって転職をした」と回答されていました。「考えたことはあるが、転職しなかった」方も含めると約半数のエンジニアが「技術的負債」への対応を後回しにしたことを理由に転職を検討されています。

また、転職活動時に候補先の企業が技術的負債の解消に積極的に取り組んでいるかどうかが転職先の選考に影響するかという質問にも、74.8%のエンジニアが重視する寄りの回答をされています。

上記の結果からは、「技術的負債」や「開発生産性」への取り組みが転職活動において最重視こそされていないものの、例えば2社で迷った際に「より負債の返済に積極的」な企業が選ばれやすくなっている、といったような状況が生まれているのではないかと推察されます。

翻ると、特に直近の転職者優位なエンジニア転職市場においては、企業は積極的に自社の取り組みを公開したり、生産性の高さをアピールしていく必要に迫られていると言ってもよいかもしれません。企業は「よい人を採用して組織をよくする」のではなく、「よい人を採用するために組織的な課題を解決しなければいけない」という、前提の逆転が起こりつつあるのが、現在のエンジニア転職市場の傾向です。

ちなみに、多くのエンジニアが、カジュアル面談や採用面接など転職活動のプロセスの中で企業に対して「技術的負債」や「開発生産性」に関する質問をしている(ないし、したいと考えている)という結果も、今回の調査にて得られています。

実際、弊社(ファインディ株式会社)の自社採用の面接でも、非常に多くのエンジニアの方から上記テーマについての質問をいただいています。

こうした傾向は今後ますます強まると思われますし、今後転職活動をされるエンジニアの方におかれては、選考においてこうしたテーマについての質問を行っていただくことで、よりミスマッチの少ない理想のキャリア選びに近づけるのではないかと思います。

レポートの詳細閲覧はこちらからどうぞ

本稿でご紹介いたしました調査データのスライドは、現在Findyマイページ上で公開されている「技術的負債と開発生産性に関する調査レポート」から閲覧が可能です。記事内では紹介しきれなかった調査データもまだまだございますので、ぜひご興味のある方はご覧ください!(閲覧にはFindyへのご登録/ログインが必要です。)

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