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エンジニアのキャリアにマネジメント経験は必要?325名のエンジニア調査で見えた傾向

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こんにちは!FindyBlog編集長代理の横塚です。

Findyでは2023年10月に「エンジニアのキャリア分岐に関する意識調査」と題して、登録ユーザー325名にアンケートを実施しました。

今回は調査結果をもとに「エンジニアのキャリアにマネジメント経験が必要かどうか」について、Findyでエンジニアの方の転職活動のサポートを行なっているユーザーサクセスの上米良に聞いてみました。

ファインディ株式会社 転職事業部ユーザーサクセスチームリーダー
上米良将汰
これまでに600名以上のエンジニアの方の転職活動を支援。面談を通して、目の前の転職活動のサポートだけでなく、中長期のキャリア構築の壁打ちやコーチングまで幅広く支援している。

上米良

調査結果の全容は下記バナーからレポートをダウンロードしてご覧ください。(※閲覧にはFindyへのご登録/ログインが必要です。)

※今回の記事では、マネジメントを「人事評価・マネジメント」と定義しています。

目次

調査概要

  • 調査目的:現状および今後のエンジニアのキャリアに関する企業調査
  • 調査期間:2023年9月25日〜10月2日
  • 分析対象回答数:325
  • 調査主体:ファインディ株式会社

マネジメント経験の意欲と必要性をエンジニアに聞いてみた

ー横塚
まずはマネジメントに対する意欲・考え方について、エンジニアの方がどう考えているのか調査結果を見てみましょう。

「マネジメント経験の意欲」を問う設問では、「マネジメントをやりたい」という回答が49.5%、「マネジメントをやりたくない」という回答が50.5%でほぼ半々という結果になりました。

次に「エンジニアのキャリアにおけるマネジメント職経験の必要性」を質問をしたところ、「必要だと思う」が68.3%、「不要だと思う」が31.7%という結果になりました。

「マネジメントはやりたくないけど必要」と回答した人が56.1%いました。
上米良さん、面談しているエンジニアでも同じように考えている方は多いですか?

ー上米良
そうですね、「マネジメントの必要性は感じているものの、できればやりたくない」という人も一定数いらっしゃるという印象です。

マネジメント職に就くことに抵抗がある方の理由に、すぐ近くの上司を見て「折衝が多かったり板挟みになったりして大変そう」「マネジメントをしていると技術力が落ちそう」という意見も伺ったことがあります。

マネジメントが必要だと思う理由は「スキルアップ・キャリア観点」が多い

ー横塚
なるほど、ご自身の身近にいらっしゃるマネジメントの方の働き方を見て、そうした意見を持たれるケースが多いのですね。

今回の調査では、マネジメント経験がご自身にとって「必要・不要」と回答された理由も伺っていますので、定性的な意見も見ていきましょう。

まずは「マネジメント経験は必要」と回答された方の意見。

こちらは、「これまでのマネジメント経験の有無」に関係なく、「スキルアップ・キャリアアップのために必要」という内容が多く見られました。

続いて「マネジメント経験は不要」と回答された方の意見。

こちらは、「マネジメント職に対する適性の有無」の観点以外にも、「技術一本を目指す人には不要」という意見もあり、マネジメントと技術職を別物として捉えている傾向がありそうです。

ー上米良
「技術力がそこまで高いわけではないから、マネージャーとしての道を進む」という方は一定数いらっしゃいます。
とはいえ、必ずしもマイナスの意味合いだけでなく、「技術では追いつけないから、仕組みを作って技術力が高いエンジニアが活躍できる仕組みを作りたい」というポジティブな動機からマネジメントを志望される方もいらっしゃいました。

エンジニアのキャリアにマネジメントは本当に必要なのか?

ー横塚
これまでの意見も踏まえて本題に入りたいと思います。
上米良さん、マネジメント経験はエンジニアのキャリアに必要なのでしょうか?

ー上米良
私はマネジメント経験はあった方がいいとは思いますが、必須だとは思いません

マネジメントはチームで成果を出すというより複雑な課題を抱えることになるため、そこで成果を出せる人は必然的に市場価値が高く評価されやすい傾向にはあると思います。
また採用担当者視点で見ると、エンジニアマネージャーに就かれているということは、その会社の中で技術的に評価され、人望もある方だという印象を持ちやすくなりますので、それが選考時の評価にプラスに働く可能性はあります。

一方で向き不向きがあることは事実ですし、どうしてもやりたくない人が無理してやるものでもありません。
マネジメント経験がなくても技術的に高いスキルをお持ちの方や、成果を出されている方は評価されますし、最近だとICやテックリードなど、エンジニアマネージャーになる以外のキャリア選択肢も生まれてきているため、必ずしもマネジメント経験が必要ではないと考えます。

「年収を上げる」ことだけが目的なら他の選択肢も

ー横塚
なるほど。
ただ「年収を上げるにはマネジメント経験が必要」という意見も見られました。こうした印象を持たれている方は少なくないと思いますが、実際のところはどうなのでしょう?

ー上米良
年収を上げるという目的だけなら、エンジニアマネージャーにならずとも達成する方法はあります。

例えば、給与水準の高い業界や企業に転職をすればメンバークラスであっても年収700〜800万を目指すことが可能です。
もちろん企業によって給与水準は異なりますが、メガベンチャーや大手企業は給与水準が高い傾向にあり、転職で年収が100万円単位でアップした事例もあります。

また副業で業務委託を請け負う方法も収入の純増につながります。もちろん副業に使える時間がある場合の選択肢ではありますが、より幅広い経験を積みながら収入を上げられるという観点から副業に就かれるエンジニアの方も増えている印象です。

ー横塚
確かに2023年9月の調査では、副業経験のある方は45.2%と多く、平均収入も116.8万円と高かったので、確かに選択肢としてはありかもしれませんね。

年齢を重ねるとマネジメント経験がないことがマイナスに働く?

ー横塚
また違った観点で質問ですが、マネジメント経験がないことで、キャリアの幅が狭まってしまうのではないかと不安に感じる方もいると思います。

「マネジメント経験がないため転職で不利を感じたことがありますか?」と言う質問の結果、40代以上では約4割の方が「不利を感じたことがある」と回答しています。


この結果を見ると、将来のキャリア選択の幅を広げるという点では、40代になる前にマネジメント経験を積んでおいた方がよいのではないでしょうか?

ー上米良
確かに、同程度のスキルを持った20代と40代であれば、20代の方が採用されやすい傾向はあるかもしれません。
ただ、だからといってマネジメント経験がないことが転職で必ずしも不利に働くことに直結するわけでもありません。

マネジメントスキル以外でも何かしらアピールできる経験があればいいんです。

30代後半以降は、一定のビジネス視座や専門的なスキルがあるか、意思決定のタイミングにどれだけ関わってきたのかなどのご経験と志向性の部分を見られている企業が多いです。

必ずしも成功エピソードである必要はなく、例えば「●●というシステムの設計ミスでバグ・障害が出てしまった」という内容でも、失敗から何を学んでどう活かしているのかを考えられているかを採用担当者は見ています。

特に失敗経験を周囲に伝達し、同様のミスが起こらないようにできればマネジメント経験がなくとも組織牽引ができる人だと判断されやすくなります。

ー横塚
なるほど、マネジメント経験の有無以上に、これまでの業務の中でどうやって組織や事業に貢献してきたかという体験を語れるかどうかが大事なんですね!

ー上米良
そうですね。

また少し話はそれますが、40代以上の方がマネジメント経験がないことによる転職の不利を感じてしまうのには、時代背景もありそうです。

というのも、IC・テックリードなど技術専門のポジションが生まれて広がってきたのはここ数年の話です。
あくまで推測にはなりますが、かつては技術専門のポジションが少なかったため、マネジメント経験がないと転職しづらく感じてしまった可能性があります。

現在もマネジメント職を求める企業の意向は引き続き高まっていますが、同時にICやテックリードなどのポジションでの採用も増えつつありますので、以前と比べるとマネジメント経験がない方、志望されない方の選択肢も拡がっていくのではないかと思います。

マネジメント経験は悪いことばかりではない?

ー横塚

これまではマネジメント経験の必要有無についてお話を伺ってきました。
調査の結果では、マネジメントを経験してよかったという声もあったため、最後にご紹介したいと思います。

ー上米良

エンジニアマネージャーをやりたくないという人でも「やってみたら得るものが多く、やってみてよかった」という感想を持つ方が意外に多いんです。

以前面談をしたエンジニアの方からは、「以前自分がマネジメントしていたメンバーから感謝の言葉をもらえて嬉しかった」という話を聞いたことがあります。
マネジメントという職種の特性上、成長実感や、やりがいを感じるまでには時間がかかるケースが多いんですよね。

またチャレンジしてみて本当にダメならプレイヤーに戻るという選択肢もあります。
最近ではエグゼクティブプレイヤーの方でもプレイヤーに戻る事例が増えてきている印象があります。

ー横塚

今回の調査で「キャリアの再選択制度」についても調査をしており、「再選択の事例が多い」割合は全体の3割程度あるようです。

まだ過半数は超えていませんが、今後こうした制度が広まってくるといいですね!

上米良さん、最後にエンジニアの皆様にお伝えしたいことはありますか?

ー上米良
ここまでの話を踏まえて、個人的には人とコミュニケーションを取りながらチームを動かしていくという経験は、大変なことが多いのは承知の上で、何かしら自分の人生を豊かにできると思ってます。

必ずしもエンジニアマネージャーという形式でなくてもいいですが、そうした役割や課題に対してどこかでチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。

まとめ

ー上米良
ここでお話した内容はマネジメントに関する調査データをベースにアドバイスさせていただきましたが、私をはじめFindyのユーザーサクセス面談では、エンジニアのキャリアに関する様々なサポートを日常的に実施しています。

本記事内容を読んで、「日頃感じているキャリアに関する悩みを聞いてほしい」「他のエンジニアがキャリアについて、どういった意思決定をしているのか気になる」と思っていただけたのであれば、ぜひFindyのユーザーサクセス面談にご参加いただければと思います。

Findyでは、EMやテックリードなどの役職者の方から、若手のエンジニアの方まで幅広くキャリアのご相談や、転職活動のサポートを行なっております。

エンジニアのキャリアや企業の採用情報に詳しい専任のスタッフ(ユーザーサクセス担当)が一人ひとりに寄り添ったサポートを実施しておりますので、ぜひ気軽にご相談いただけたらと思います。

ちなみに、実際に面談にお越しいただいたエンジニアの方からは、実に様々なご相談をいただいています。
キャリアに関する些細な相談事から、自分の経験をどうアピールするのがよいかというピンポイントな相談事まで、幅広くお話を聞かせていただいております。
すぐの転職を全くお考えでない方も大歓迎ですし、事前準備等も不要ですので、気軽にご参加ください。

面談は下記のURLからご予約が可能です。たくさんのエンジニアの方とお会いし、お話しできることを楽しみにしています!

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