Findyではエンジニアや企業に対して定期的にアンケート調査を実施し、最新の技術トレンドや転職市場の動向などについて発信をしています。
直近、2025年7月には「企業のAI活用状況とエンジニア転職に与える影響」に関する調査を実施し、220社のAI活用の状況や、AIの普及による採用活動の変化についてレポートにまとめました。
今回の記事では、上記調査で見えてきた最新のトレンドを要点に絞ってお伝えさせていただきます。
なお、レポート全文はFindyの「ユーザーサクセス面談」にて先行でお渡しさせていただいています。現時点での企業のAI活用状況、今後のエンジニア採用動向を把握・予測する上で貴重な資料となっておりますので、ぜひご覧ください。
また、ユーザーサクセス面談では採用動向の変化を踏まえたキャリア戦略や、企業選びの軸の整理、ご自身のAI活用状況を適切に選考でアピールする方法などもお伝えしておりますので、よろしければぜひご活用ください。
前提条件
以下で記載するレポートの内容は、エンジニア向けプラットフォーム「Findy」または開発組織の生産性可視化サービス「Findy Team+」を契約中の企業 220社から取得したアンケートを元にしています。
回答いただいた企業のおよそ8割が従業員数300名以下のベンチャー企業となっており、レポート内容を読んでいただく上でも、上記のバイアスが掛かっていることは留意いただければ幸いです。
また、回答者の役職の内訳は、88%がエンジニアマネージャー以上のマネジメント層となっており(特にCTO・技術責任者の方が43.4%で最多)、主に経営や開発組織のマネジメント目線での回答となっております。
企業のAI活用はこの半年で劇的に進んでいる
過去に実施した調査と比べて、今回の調査では顕著に「企業のAI活用」が進んでいる傾向が見られました。
主要なAIツールの導入率は、25年2月に実施した調査時よりも、Gemini, Claude, NotebookLM, Cursorなどを中心に大幅に上昇しています。
「今回の調査に回答された企業は」という前提ではあるものの、もはやエンジニアや開発組織にとってAIツールやその技術を活用して開発を行うことは”当たり前”になりつつあり、このトレンドは今後も加速していく(=同様の傾向は世の中全体に広がる)ことが想定されます。
一方で、「過去に使っていたがやめた」というツールも出てきており、この辺りは技術の進化や最新ツールの登場サイクルが非常に早いことが伺われます。
「使うのをやめた」理由に関しても、「効果が薄かった」といった理由以上に「より適したツールに乗り換えた」という理由が多く見られており、”どのAIサービスを利用するか”といった模索は、しばらくの間は続くと考えられます。
なお、今回の調査では「AI導入を進める上での課題」や「目的別の成果実感」などについても設問として取得しています。企業でのAI活用の現状を知りたいという方は、Findyの「ユーザーサクセス面談」で詳細をお伝えしています。
エンジニア転職においても、AI活用状況は重要なファクターに
今回の調査では、企業においてAIの普及が進んでいる中で、「エンジニア採用」にどのように影響を与えているかについても質問しています。
「採用面接時に、AI技術やツールの活用経験の有無が候補者の評価に影響するか?」という質問に対しては、実に57.0%の企業が「影響する」と回答しています。今年2月の調査時点では同様の回答は18.1%に留まっており、この半年の間で「重視する」企業がおよそ3倍に増加しました。
また、今回の調査では「AI活用」の中でも選考時に「できていたら加点される・できていないと減点される」項目があることが分かりました。
具体的には、「ChatGPTで情報収集する」や「Copilotを利用してコーディングする」といったアクションは”出来ていて当たり前”という企業が一定数存在しており、選考時のアピールとして「AI活用」を挙げる際には一定留意が必要そうです。
2025年秋の時点では、AIの普及に伴って、エンジニア採用の条件や開発体制などをダイナミックに変更しつつあります。中途採用の採用枠自体も、このタイミングで「増やす」としている企業と、「減らす」としている企業が二分している状況で、変化が激しいタイミングだけに、これまで以上に個社ごとの対策や意向の把握が必要になりそうです。
レポートでは以下のような内容もご覧いただけます。
- 企業が「特に採用したい」職種の情報
- 評価基準や募集要件の変化
- 「AI活用」が合否や給与アップに与える影響
- 面接時に実際に聞いている質問の内容
市場の変化を受けた、「エンジニア転職」の動向は?
直近のAIやLLM技術の普及によって、企業の採用動向や選考プロセスに変化が生じてきています。
今回の調査対象企業に限っては、一部の企業で「採用を縮小する」という声も見られるものの、「採用人数を増やす」という企業の方が多くみられており、AIによる効率化が進むことでエンジニアの仕事がなくなる、という現象が急速に進むことは考えいにくい状況です。
むしろ、AIを活用したプロダクト開発や社内の開発生産性の向上を目指す、新たなポジションも生まれてきており、AIツールや技術の活用度を上げることによって、こうした新たなポジションに挑戦する機会が今後増えていくことも期待されます。

ちなみに、今年6月にエンジニア個人を対象に実施した別の調査では、実に6割を超えるエンジニアが「AIをきっかけに今後のキャリアを検討している」と回答しており、多くのエンジニアが環境変化を受け、新たなチャレンジを模索していることが伺えます。
多くのエンジニアが新たな技術習得に勤しむタイミングだからこそ、このタイミングで新たなチャレンジをするかどうかが、今後のエンジニアキャリアに影響を与える可能性があります。
他のエンジニアがどういった取り組みをしているのか、どのようなキャリアを考え始めているのか、などエンジニア個人のキャリアについての質問や相談もFindyでは受け付けています。ご興味のある方は、情報整理や今後のキャリアを考える場として、ユーザーサクセス面談をご活用ください。