Findyでエンジニア向けの転職最新トレンドを紹介するイベントを開催しました。
転職を検討しているエンジニアの皆様に参考にしていただける情報を提供したいという目的で開催されたもので、直近の採用意向や年収事情・転職活動の進め方などについて、エンジニアの転職サポートを行うユーザーサクセス担当が解説。
この記事では、イベント内容の一部をレポートします。
ファインディ株式会社 転職事業部ユーザーサクセスチームリーダー
600名以上のエンジニアと面談を実施して転職を支援、中長期のキャリア構築の相談や転職活動のサポートを行っている
ファインディ株式会社 転職事業部 マーケティング担当
エンジニア転職マーケットレポートの企画・制作を行い、エンジニア採用の市場感に精通
前年からエンジニア採用数が増加した企業は5割超
竹内)
2023年6月に採用担当者にエンジニア採用数の増減について調査したところ、「採用数が増加した」と回答した企業は55.4%という結果になりました。
転職を考えているエンジニアの方と数多く面談をされている上米良さんとしても、企業の採用ニーズは高い状況にあるという認識でしょうか?
上米良)
そうですね。キャリア面談にお越しになるエンジニアの方とも求人数の増減についてはよく会話をしますが、エンジニア全体の採用ニーズは高まっていそうです。
実際「半年前と比べてFindy上で企業から受け取る”いいね”が増えてきた・選考通過する確率も上がってきた」という話ももらっています。
竹内)
言語やフレームワークによって採用ニーズに違いはありますか?
上米良)
エンジニアに人気が出た言語が1〜2年すると求人数が増えてくる流れがあり、最近ではGoとReactの求人が増えています。
Reactは2021〜2022年の段階ではVue.jsと拮抗している印象がありましたが、2023年に入ってReactのニーズの方が高まってきていると企業様と話していて感じますね。
「Reactの経験があると嬉しい」というWant条件として求める声が増えてきており、中には「もうReact一強時代だからReactしか使わない」という方もいらっしゃいました。
エンジニアの平均年収は昨年から40万円アップ!
竹内)
続いてのスライドはエンジニアの年収の調査データです。昨年2022年9月の調査では、平均年収が620万円だったのに対して、2023年2月では660万円まで上がっています。
言語別でも平均年収を算出してみたところ、Goを利用している方が800万円超で次いでPython(データ分析・機械学習系)で732.5万円。その後はRuby、TypeScriptと続いています。
2022年2月と比較しても平均年収は上がっており、特にGoに関しては2022年比で100万円以上平均年収がアップしています。
Goは比較的新しい言語で、採用する企業が多くエンジニア人気も高いという印象をもっています。
上米良さん、Goを扱う企業への転職について教えてもらえますか?
上米良)
確かにGoは求人数が増えていることに加えて年収も高く、エンジニアの方からの人気も高いです。
ただしGoにチャレンジしたいという方は多いですが、実務で扱われている方の数はまだ限定的です。
もし未経験で転職をする場合は、他言語からGoに移行している企業を受けてみてもいいかもしれません。
というのも、未経験でいきなりGoのみを利用している企業に入ってしまうと、年収が下がってしまう傾向にあります。
例えばPHPのご経験がある場合、PHPからGoに移行中の企業に転職し、徐々に新しい言語に触れていく方が年収を下げずにチャレンジがしやすいかもしれません。
希望年収を高くしすぎると不採用になることも。自身の適正年収はどう測る?
竹内)
ありがとうございます。
次のスライドは「現職からいくら年収が上がれば転職を検討しますか?」という調査データで、20〜30%アップのゾーンが一番多く51.6%という結果になっています。
上米良さんがエンジニアの方の転職をご支援される中で、年収UPを希望されるエンジニアの方のリアルな声としても、このくらいの上がり幅を期待されるケースが多いでしょうか?
上米良)
そうですね。面談をしていく中でも、希望年収を上げることを目指されている方が多いのは事実ですが、30%アップはやや高い印象です。
選考を受けている中で企業側から「人柄は良かったのですが、年収が合わなくて…」という声も聞きます。
選考結果が出た後に候補者の方に聞いてみたところ、「実は10%アップでもよかったんですよね」みたいな場合もあり、もったいないですよね。
企業に希望年収を伝える際には「本当に30%上がらないと転職しないのか?」と考えてもらえるといいと思います。
短期的には30%上がらなくても、2、3年後に30%上がることもあるので、短期ではなく中長期で見ることも大事ですね。
竹内)
そうですね。
とはいえ給与も大切な条件の一つでもあると思っていまして、希望年収は低く抑えて、内定後に給与交渉をするという方法もあるのでしょうか?
上米良)
なしではありません。
ただもし交渉をする場合は、「別の会社で内定をもらっていて、他社ではこれくらいもらっているのですが…。」という相談をするといいと思います。
「給与交渉」というと角がたちやすく、これから入社する企業の印象を悪くしてしまう可能性があります。
そのため、いきなり交渉ではなく、まずは相談という形式から始めることをおすすめしています。
竹内)
ありがとうございます。
また、自分の適正年収を知ることが難しいと感じているエンジニアの方も多そうです。
適正年収はどのように確かめるとよさそうでしょうか?
上米良)
自身の適正年収を知るためには、企業の選考にチャレンジしてみて希望年収を伝えた際の反応を見てみるといいと思います。
高すぎるようであれば次から希望額を下げ、希望額で内定をもらえたら承諾をするか検討するという流れになります。
もし選考を受ける準備ができていないという方は、Findyのユーザーサクセス面談を受けてもらえれば、ご経験から、同じようなご経験をされたユーザーがどの程度の年収なのかの事例をお伝えできます。
無料で実施していますので、ぜひお気軽にご利用ください。
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転職活動のスケジュールは2〜3ヶ月程度が一般的
竹内)
転職が初めての方にとっては、転職活動の進め方がわからない方も多いと思います。
実際、どれくらいの期間がかかるのでしょうか?
上米良)
転職活動の進め方次第で期間は異なり、じっくり取り組む場合は3ヶ月程度、コンパクトにまとめるなら2ヶ月程度をみておくとよいでしょう。
まずじっくり行う場合のスケジュールをスライドにまとめました。
仮に8月から始めるとすると、11〜12月くらいまでを見込んでもらえると、余裕を持って進められると思います。
まずカジュアル面談の段階では、書類を作成しながらマッチした企業とのスケジュール調整をし、1週間に2、3社面談を受けます。
そこから1〜3次面接など、技術選考を踏まえても3〜4回の選考で内定が出るケースが多いです。
もちろん、カジュアル面談の数は人によって異なり、上記の例よりも少ない方もいらっしゃいます。無理のない範囲で受けてみましょう。
一方、できるだけコンパクトに転職活動を進めたい場合は、2ヶ月くらいに予定を詰めることも可能です。
ポイントとしては、調整ツールを使って日程調整をしたり、予めスケジュールの計画を立ててカジュアル面談の期間を決めたりすることです。
複数企業を受ける場合は、本選考のタイミングを揃えておくことも大切です。
最終まで進んで仮にお見送りになってしまっても1から選考を付け直す必要もありませんし、同時に選考を進めて比較検討をする利点もあります。
カジュアル面談は転職を考えていなくてもプラスの価値あり
竹内)
続いてはカジュアル面談についてです。
「カジュアル面談は転職意欲が高くないと受けてはいけないのでは?」という声をよく聞きます。
上米良さん、カジュアル面談の位置付けや得られる価値について教えてください。
上米良)
カジュアル面談は転職意欲がそこまで高くない場合でも、気軽にに活用してもらえればと思っています。
カジュアル面談はキャリアの健康診断という意味合いもありますし、これからのキャリアを考える上でもたくさんの企業を知っておくことは価値になります。
実際に面談を実施された方から「自分のやっていることが意外に評価されることがわかった」という声も聞きますし、自身の考えをアウトプットする機会を作ることで内省だけでは得られない気づきを得ることにもつながります。
カジュアル面談は選考の一部と思ってハードルに感じる方も多いようですが、そんなことはないので、気軽な気持ちで話を聞いてみるといいと思います。
「実務経験がない転職のポイントは?実技テストは何が多い?」イベント参加者からの質問に回答!
竹内)
イベントの最後に、参加者の方からいただいた質問に回答していければと思います。
まず、「実務経験がない場合はどのようにアピールしたらいいですか?」という質問がありました。
上米良さん、こちらはいかがでしょう?
上米良)
企業の求人票を誰が作っているかにもよりますが、求人票に書かれている必要経験は「必要スキルを身につけるためにかかる大体の期間」を設定してあるケースが多いです。
そのため多少経験年数が足りなくても、実力があれば選考通過する可能性があります。
もし全く経験がない言語にチャレンジをする場合は、該当する言語やフレームワークで何かしらのアウトプットを出すことをおすすめしています。
経験がないながらもアウトプットを出す姿勢を見せることで、企業側がその努力を評価することがあります。
私が実際にご支援した方も、そのやり方で選考通過されていました。
アウトプットは必ずしもプロダクト形式でなくても構いません。勉強して困ったことをブログにまとめてもいいですし、何かしらの形に残すことが重要です。
竹内)
ありがとうございます。
続いて「実技試験はどのようなものがあるか?」という質問もきています。
こちらはいかがでしょう?
上米良)
いろいろパターンはありますが、多くはその場でライブコーディングをして、どのような意図でコーディングしたのかを簡単にヒアリングされるケースが多いです。
他には、ペアプログラミングやモブプログラミングを実施する企業や、中には「Goで何かしらの制作物を1週間以内に作る」というお題を出す企業もありました。
最近、「ChatGPTの出現によって技術テストは減ってきていますか?」という質問を受けることもありますが、技術テストが減っているという印象はありませんね。
ある企業様は技術テスト時にChatGPTを利用可としたうえで、コーディングにおいてどのような工夫をしたのかをセットで聞くこともあるようです。
まとめ
以上、イベント内容の一部をご紹介しました。
参加されたエンジニアの方々からは、下記のような感想をいただいております。
「初めての転職活動になるのですが、大まかな流れや考えなければならない事が把握できて良かった。」
「数字をもとに丁寧な説明をして頂き助かりました。」
Findyでは、今後も定期的に転職イベントを開催予定です。
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【参考】
今回レポートで取り上げたイベント内でご紹介した各種データは、Findy調査のレポートから引用しています。定期的に調査テーマを変えてレポートを更新していますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!