コロナ禍を契機に、多くの企業が本格的に「DX」に取り組むようになりました。一方、最近では企業から「現場で実践するのは難しい」「成果に繋がらない」といった切実な課題も聞こえてきます。
実際に、2020年11月にFindyが「CIO/CTOクラスやDX推進部を除いた現場エンジニア」を対象に行ったアンケートでも、生産性向上やサービスの価値向上などを目的としたDX施策について「成果が出ている」と答えた人は全体の30%程度に止まっています。
どうすればDXへの取り組みを成功へ導くことができるのか。そのヒントを探究すべく、ファインディ株式会社では『日本のデジタル化最前線』と題したオンラインイベントを主催。先進的な取り組みをされている国内企業の方々をお招きしてお話を伺います。
2021年2月3日には、第1回目となる「三菱重工業とミスミのエンジニア組織キーパーソンが語る!IT/Webエンジニア組織の作り方」を開催。
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)の川口 賢太郎さん、株式会社ミスミ(以下、ミスミ)の道廣 隆志さんが登壇し、製造業大手におけるDXの取り組みについて、主にエンジニア組織の内製化や組織づくりの観点から語っていただきました。
登壇者
川口 賢太郎さん/三菱重工業株式会社/成長推進室 デジタルエクスペリエンス推進グループ プリンシパルエンジニア
川口 賢太郎
大学・大学院で建築デザインを専攻、三菱重工業入社後は建築デザイナーとしてさいたまスーパーアリーナなどを担当。その後、MBAにてアントレプレナーシップファイナンスを専攻、製品開発・事業開発に担当業務を移行する。現在はプリンシパルエンジニアとしてデジタルエクスペリエンスデザインに取り組んでいる。趣味は忌野清志郎。
道廣 隆志さん/株式会社ミスミ/チーフディレクター
道廣 隆志
Cisco Systems, IncでネットワークOSの開発、帰国後GREEにてプラットフォーム事業の開発、プロジェクトマネジメント業務に従事。その後Fintech系ベンチャーでBtoB向けのプロダクト開発を担当しIPOを経験、ミスミでは新規事業プロダクトにおいてエンジニアを積極採用し、エンジニア組織の拡大中。
モデレーター
山田 裕一朗/ファインディ株式会社代表
同志社大学経済学部卒業後、三菱重工業、ボストン コンサルティング グループを経て2010年、創業期のレアジョブ入社。 レアジョブでは執行役員として人事、マーケティング、ブラジル事業、三井物産との資本業務提携等を担当。 その後、ファインディ株式会社を創業。求人票の解析とアルゴリズムづくりが趣味。
山田 裕一朗
三菱重工の新たな価値創出を担う「デジタルエクスペリエンス推進グループ」とは?
冒頭では、お二人が2社でのDXへの取り組みについて紹介してくださいました。初めに、三菱重工で「デジタルエクスペリエンス推進グループ」を率いる川口賢太郎さんが、所属するグループの取り組みについて共有します。
同グループは、今から3年前に「三菱重工の本社からデジタル化を推進していく」ために設立されました。その背景について川口さんが説明します。
川口 賢太郎
三菱重工では数十の機械製品事業をより機動的に経営するため、15年ほど前から事業会社化を進めてきました。ビジネスIT領域の取り組み、例えばサービスオートメーションやIoTやAIといったことは、事業会社が担当するといった役割分担を基本としていました。
しかし、ここ5、10年でビジネスIT領域の重要性が増しています。一方で、事業会社ごとに個別に取り組む方法では『やらなければいけないこと・やりたいことがあるけれど、その人材や予算がない』といった課題も起きていました。
そうした状況は放置できないということで、本社でデジタル化の企画からシステムの
開発、運用までを、ハンズオンで推進しようと、3年前に立ち上がったのが『デジタルエクスペリエンス推進グループ』です。
川口 賢太郎
デジタルエクスペリエンス推進グループに課されたミッションは「経営目標であるTOP (Triple One Propitiation)を実現すべく、デジタル化による収益性の向上」でした。
川口 賢太郎
三菱重工の製品は、10年以上に渡り利用され続けるものがほとんどです。にもかかわらず、従来近代化に注力してきたのは、設計や生産が主体でした。カスタマーサービスについては、現場のメンバーが汗をかいて、お客様のご要望になんとか応えていこう、そういったことが散見されました。
そのようにカスタマーサービスのデジタル化は、途上であったり未着手であったので、改善の余地も大きい。なので、デジタルで、カスタマーサービスによる顧客経験や従業員経験を向上させて、収益性を高めていこうと考えたんです
川口 賢太郎
現在は、顧客との接点となるカスタマーポータルや問い合わせ管理のCRM、納入製品の状態管理のIoTシステムなどの開発に取り組んでいるそう。開発を進めるにあたっては「事業部門から要望のあったシステムをそのまま開発する」のではなく「事業部門とデジタル活用の戦略から議論して、価値あるシステムを一緒に導き出す」アプローチを採っています。
川口 賢太郎
デジタルをどう活用するのかについて、まだまだ解像度が低いケースもあります。事業戦略を理解した上で『どのようにデジタルを活用するべきか』というフェーズからディスカッションを重ねます。
川口 賢太郎
第一に、お客様が当社と取引いただくなかでのツラミや、従業員が当社で従事するなかでのツラミといったペインポイントに着目します。そして第二に、どのペインポイントを解消すると、事業KPIに効果が大きいかに着目します。そして事業KPIに効果の大きいものから、システムを実装していきます。システムを実装するとデータが取得できるので、そのデータをもとに改善のサイクルを回します。担当領域は、SoR(System of Records)というより、SoE(System of Engagement)とSoI(System of Insight)となります
開発手法も「ウォーターフォールよりもアジャイル」かつ「外注より内製」で行っているそうです。当日は具体的な開発環境や手法、ツールについても共有してくださいました。
川口 賢太郎
例えばIoTシステムのアーキテクチャの例を挙げると、フロントサイドはSPAでVue.jsやReactを使っています。バックエンドもサーバーレスの構成です。これはIoTシステムだけに限らず、現代的な技術を採用して、その便益を享受していこうということを、基本的な姿勢にしています
(活用しているツールも「パブリッククラウドが中心」だそうです)
最後に、川口さんはデジタル化によって新たな価値創出を起こすためには「開発手法やツールだけでなく、組織の文化も重要である」と強調し、デジタルエクスペリエンス推進グループで大切にしている文化について語りました。
川口 賢太郎
お客様や従業員に『いいね』と言っていただける方程式が確立しているならば、その方程式に則って解いていけばいいのです。しかし、そうではありません。どのようにすれば、いいねと言っていただけるか『学んでみて』、『やってみて』、自ら『引っ張ってみて』、そうしたトライを社内外に『見せてみて』、そしてそこからフィードバックをいただいて、学びに還元していく姿勢を大切にしています
部品調達DXを推進、製造業の“非効率”を解決するミスミの新プロダクト
続いて、ミスミの新規プロダクトmeviy(メヴィー)のエンジニアチームにおいて、採用や組織開発を担う道廣隆志さんが取り組みを共有しました。
まずはmeviy開発の背景として、製造業の部品調達におけるDXの課題を説明します。
道廣 隆志
例えば、一つの製造装置に必要な部品を調達するとなると、図面を紙で書いて、サプライヤーに見積もりをとって、実際の部品が納品されるまで2~4週間ほどかかるケースも珍しくありませんでした。以前から部品調達における生産性向上は大きな課題だったんです。
これに対して、ミスミでは40年以上前に、紙の図面を書かなくても型番さえ指定すれば、標準化された規格に沿った部品を調達できるカタログを作成しました。これは従来の部品調達を大幅に効率化する仕組みだったんですね。
道廣 隆志
ただし、 標準化できる部品は全体の半分程度。複雑な部品だと紙の図面の作成や見積もりのやりとりが必要になっていました。
また最近では、設計を3DCADで行う企業は多いです。ですが、複雑な部品については現在も見積もりをとるためだけに紙の図面を描くケースも多くあります。製造業にはお客様の非効率がまだまだ多く残存しているわけです。
道廣 隆志
こうした部品調達にかかる手間と時間を大幅に削減するのが、オンライン機械部品調達サービスのmeviyです。
道廣 隆志
meviyでは、3DCADで設計した機械部品のデータをアップロードするだけで、AIが自動で価格や納期を回答します。CADのデータから加工機を動かすプログラムを自動で生成することで、最短受注した当日に加工して発送する、といったデジタルものづくりの仕組みも提供しています。
道廣 隆志
例えば1500個の部品を調達するのに従来約1000時間かかっていたとすると、約80時間(92%削減)へ所要時間が短縮できます。
このように部品調達にかかわる非効率を解決することで、製造業に携わる人がより本質的な価値発揮にリソースを割けるようお手伝いできればと考えています
最後にmeviyの開発環境についても紹介してくださいました。道廣さんは「比較的モダンな技術を使っている」と語ります。
道廣 隆志
フロントやクライアントサイドはReactとTypeScriptで、サーバーサイドはScalaで書かれています。形状認識はC++で、クラウドはAWSですね。
見ていただくと分かる通り、形状認識やウェブ、製造などが融合したプロダクトなので、日本国内だけでエンジニアを探すのは難しくて。プロダクト開発当初から世界各国の技術やエンジニアを採用してきました。現在もプロダクトの成長に応じ、積極的に採用を進めています
ROIを最大化するには、エンジニア組織の“内製化”が必要だった
それぞれの取り組みを共有した後は、内製化やエンジニアの組織づくりについて、より詳しく語り合いました。
初めに、内製化やエンジニアの組織づくりのきっかけを伺えたらと思います。三菱重工では、カスタマーサービス領域の体験向上や収益性向上を目的に、システムを開発されているというお話でした。開発を外注する選択肢もあったと思いますが、なぜ内製チームで開発をされているのでしょうか?
山田 裕一朗
川口 賢太郎
実は立ち上げた当初は、オフショアのエンジニアの協力を得て、産業機械のIoTシステムを開発したんです。
川口 賢太郎
無事にリリースまでたどり着いて、当初の目標も達成はできたのですが、やはり『もっと良くしたい』部分が出てくる。そのときに高速で改善を回すのは難しいわけですよね。届けたいものを早く届けるために、やっぱり内製化は必要だなと思いました。
あとは組織のなかでナレッジが溜めっていくのも大きいですね。数十の事業子会社の間でナレッジを共有できたなら、さらに課題解決がスムーズに進むのではと。
まとめますと、内製化が目的ではなく、内製化を進めるとROIが最大化されると思ったからやっているという感じですかね。
より得られるものが大きいという期待があったのですね。meviyの場合はどのような理由で内製チームで開発しようと決められたのでしょうか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
先程申し上げた通り、やはりCADや製造業、更にウェブがわかるエンジニアとなると、日本国内では集まらなくて。世界中のエンジニアに会いに行き、技術と人材を採用してきました。
道廣 隆志
加えて、色んな技術を融合させたプロダクトを開発するなかで、エンジニア同士、あるいはエンジニアと事業側の円滑かつスピーディーなコミュニケーションは不可欠でした。
もちろん、ベンダーの方にお願いする良さもありますが、内部でも密にコミュニケーションを取りながら、柔軟に開発していく方向を選んだ形ですね。
お二人ともROIの最大化やコミュニケーションの円滑化など目標を持って内製化や組織づくりを進められて、実際に成果も得られているかと思います。お二人の所属するチームやグループの外、社内でも内製化への機運は高まっていたりしますか?
山田 裕一朗
川口 賢太郎
高まっているとまでは言えないかもしれません。ただ、以前は内製化することはいけない、SIerに依頼すべきだという意見が大半でしたが、現在は『内製化もありだね』という人が増えていて、それは大きな変化ですね。
道廣 隆志
ミスミでも組織の中にエンジニアがいてよかったといった空気はありますね。特にセキュリティなど、一見わかりづらい機能。それらを掬い上げてケアできる人がいる良さは実感されているように思います。
道廣 隆志
あと、成果の部分もまだまだな部分はあって。特にコミュニケーションのスピード感は課題ですね。やはり製造とウェブ、CADなど複数ドメインがクロスしているので、納得できる結論にたどりつくまでの議論には一定の時間がかかります。
「らしさ」に囚われず他社のベストプラクティスを取り込む
続いて、内製チームでの働き方やカルチャーについても伺いたいと思います。道廣さんは前職がIT業界のど真ん中、今は製造業ということで。現在の組織のカルチャーや働き方はどう捉えていますか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
もちろんIT系にも色々ありますが、働く環境として製造業は人当たりのよい人が多い印象を受けています。
ミスミでも、エンジニアで入社した人が「製造業は全然知りません」と言うと、営業の人が「お客さんのところ連れて行ってあげるよ」と声をかけるのが普通。連携が強いなと思います。逆に「これからITのリテラシーを上げていくためにどうすればいいと思う?」と聞かれることもありますね。
道廣 隆志
エンジニアチームの雰囲気は和気あいあいと言いますか。外部のベンダーの方もいらっしゃいますが、ワンチームで取り組んでいます。毎日朝会で業務進捗や困りごとを共有して助け合ったり、コロナ禍ではオンラインランチの時間を設けたりと工夫しながらやっていますね。
いわゆるウェブ系のスタートアップのカルチャーも積極的に取り込んでいるんですね。川口さんも社外カルチャーを参考にしている部分もあるのでしょうか?
山田 裕一朗
川口 賢太郎
ありますね。現在の取り組みを始める前に、世の中の取り組み方を眺めていると、従来の『重工らしいやり方』だとうまくいかない感がありました。1ヶ月半くらい会議室に立てこもって、どのようなアプローチを採用すべきかを議論し続けたんです。そのなかで色んな組織のベストプラクティスを参考にしていきました。と言っても、決して強引に自分たちを世の中の型に嵌めるのではなく、自分たちに合う型を選んでいくイメージですね。
川口 賢太郎
昨今の働き方ですが、リモートワークが多いです。しかし、出社勤務を避けているのではなく、効率的な方を都度選択しています。コミュニケーションは、Slackで何でも共有していて、困りごとが起きたときも分報で共有して即時解決されるといったことも多いです。またMiroでワイガヤすることも日常的なことです。勤務場所を問わず、コミュニケーションが良い環境は整っていると思います。
DXを社内推進する、エンジニア組織による“広報活動”
内製化やエンジニア組織づくりにおいては、社内外で理解を得るための取り組みなどに苦労されている企業も少なくありません。ぜひお二人が難しさを感じたポイントなどもお伺いしたいです
山田 裕一朗
川口 賢太郎
まさに自組織だけがデジタルの能力を高めても価値はなく、事業部門と連携して事業に実装してこそ価値となります。またクラウド利用にコンサバですから、情シス部門との連携も必要です。
したがってコミュニケーションコストは厚めにしています。一対一で話すこともありますし、社内でオンラインイベントを開くこともあります。月に1回開催で、毎回3桁の人数が参加してくれています。
私たちはデジタル化を進める組織ですが、システム開発だけでなく、そういったプロモーションな活動も主体的に実施しています。
ミスミの場合、社内外で理解を得るために苦労された経験などありますか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
そうですね…。ミスミでは経営陣が事業戦略をかなり明確に共有するので、meviyが戦略的にどのような位置にあるのか、皆が共通認識を持ってくれているんです。社内に優先度が認められているので、あまり理解を得るために苦労しているわけではないかもしれません。
エンジニアは魔法使いではない。Win-Winな採用の鍵とは?
ここからは参加された方からの質問にも答えていこうと思います。まず川口さんへ、最初の数名のエンジニアはどう雇用したのかと質問がありますね。
山田 裕一朗
川口 賢太郎
『重工も面白いかも』と思ってもらえるよう、一つ一つ地道にコミュニケーションを重ねているといった感じですね。
『こういう経歴の人』と絞ったりはしていません。Web系のITベンチャーやSIer、メーカーのシステム開発や生産技術など、多様なバックグラウンドを持つ方にジョインいただいています。
幅広いですね。道廣さんはチームの構成や採用の方法などいかがでしょうか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
最初はCADや製造寄りの人が多かったですが、今はウェブ系の人たちもいるような感じですね。
道廣 隆志
採用については大きく3つ方法を採っています。まずはブランディング。Wantedlyなど、一般的なIT企業も利用する採用チャネルを開いておくようにしています。続いて本社人事や採用エージェントとの連携ですね。エージェントの方には、meviyがどのようなプロダクトで、どのようなエンジニアを必要としているのかを説明する機会も設けました。あとはFindy含めエンジニア採用ツールでこちらからアプローチするパターンですね。
お二人とも採用については試行錯誤を重ねて来られたかと思います。例えばこれから一人目を採用するという人に気をつけるべきことを伝えるとしたら、お二人は何を挙げますか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
会社自体のブランディングやどういう組織にしたいのか、どのような人を採用したいのかが明確か、ちゃんと一貫しているかを確認することですかね。
例えばミスミの場合は『製造業の非効率を解消したい』という目的があり、そのために技術志向よりもプロダクト志向のエンジニアを採るという方針があります。
自分たちのあるべき姿を言語化する良い機会にもなりそうですね。川口さんもそうした言語化は取り組まれているのでしょうか?
山田 裕一朗
川口 賢太郎
対外的なブランディングは「これからやらねば…」と思いながらお話を伺ってました。
採用の際に気をつけていることで言いますと、やはり技術スタックは変わっていくので、その時点の技術力だけでなく、学習力も重視するようにしていますかね。
組織のなかでは次々と課題が変わっていきます。ある時は製品企画力、またある時はシステム開発力が問われたりする。内製化をするとなったとき、それらの挑戦に打ち返せないと『やっぱ諦めよう』となってしまう。
学習意欲の高いメンバーが揃って思い切りやれば、解決できない課題はないと思っています。学習力の高いメンバーでチームを組成し、そのうえでコミュニケーションコストや学習コストを厚めにするように心がけています。
「途中で内製化を諦めてしまう」ケースはたまに耳にしますよね。なるべくそうならないために、道廣さんはどういったことに気をつける必要があると考えていますか?
山田 裕一朗
道廣 隆志
エンジニア採用一辺倒にならないのは大切だと思いますね。
事業成長のためにエンジニアは欠かせませんが、プロダクトマネジメントや管理手法に長けた人、ビジネスとエンジニアをつなぐ人なども必要です。それを理解するのは、採用において不要な失敗を避けるために重要かもしれませんね。
技術に理解があってビジネスサイドを担える人は至るところで求められていますよね。それでは最後にお二人が自社でチャレンジして欲しい人、どんな人が活躍しているかなどを伺えたら嬉しいです。
山田 裕一朗
道廣 隆志
エンジニアリングも重要ですが、社会課題の解決に関心の高い人に来ていただきたい。また、meviyのチームに限って言えば、組織もこれから大きくしていく段階ですので、受け身ではなく能動的に動ける人がマッチすると思います。
あと、ミスミは企業家精神を非常に重視しているので、ビジネス的な戦略思考は非常に身につくと思います。ITとビジネスをかけ合わせて価値発揮するキャリアを歩みたい方は、興味があればぜひ、と思っています。
川口 賢太郎
私が三菱重工に入社いただく方に毎回約束しているのは『思い切り挑戦できる環境を用意すること』なんです。皆さん、エンジニアとして新たな学びを得たいとか、違う立場や技術領域に越境したいといった、闘志を燃やして次の機会を探している。そうした方が全力投球できるよう尽力しています。「150キロ投げたい」という意志のある方に、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。
山田 裕一朗
編集後記
大手製造業と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?
正直に申しまして、私はITやデジタル化とは縁遠いとすら思わないくらいITやデジタル化と無縁と思っていました。
そのため、今回のイベントはいい意味で驚きが多く、学びがありました。
三菱重工は製品販売後の顧客へのサービスレベル向上にIT/エンジニアが大きく寄与していますし、ミスミでは新規事業のプロダクトにIT/エンジニアが携わっています。
ただここまで来るのにはやはり相応の苦労があったこともわかりました。
川口さんは、社内に対して広報活動を行ってエンジニアの果たす役割や意義を説明していました。一方、道廣さんは、エンジニア採用に当たってブランディングから始め、人事やエージェントにもプロダクトや採用要件をきちんと伝えることにも取り組みました。
どちらにも共通するのは、社内にエンジニアやITを理解してもらうべく、本当に地道な活動をしてきたということです。
昨今DXに取り組む企業が増えていると言われていますが、それは一足飛びに実現するのではなくこうした一人一人の地道な取り組みで初めて実現するのだなと感じました。