テクノロジードリブンで不動産取引に変革をもたらす。PropTechを牽引するGAテクノロジーズのエンジニア組織
2013年の設立以来、PropTech(不動産テック)事業を展開する株式会社GAテクノロジーズ。創業5年で売り上げ約100億円を達成しマザーズ上場、2020年8月には経済産業省と東京証券取引所が発表した「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄 2020」にも選出されました。
PropTech領域を牽引する同社はどのようなエンジニアによって支えられているのでしょうか。GAテクノロジーズのエンジニア中村友拓さん、2018年にグループ会社となったイタンジ株式会社 執行役員の福崎元樹さんに、事業戦略からエンジニア組織の特徴、今後の展望までお伺いしました。
中村友拓
株式会社GAテクノロジーズ
Product Development Division シニアマネージャー
大学を卒業後、インターネット広告企業に入社し、ソフトウェアエンジニアとして幅広い業務に関わる。その後、PwCコンサルティングにて、AI技術を活用した業務改革や、デジタル領域に特化した新規事業の戦略策定に従事。2018年にGAテクノロジーズにジョインし、ブロックチェーン領域やイタンジの「電子契約くん」のプロダクトPM、メディア部門のバイスゼネラルマネージャーを務める。
福崎元樹
イタンジ株式会社
執行役員VPoE
20代から独学でプログラミングを学び始める。その後、地元の企業で不動産系webシステムの開発に従事しスキルを磨く。上京してCROOZにてソーシャルゲーム開発に携わり、イタンジにジョイン。初期メンバーとして会社の規模拡大に貢献する。現在は、執行役員としてエンジニア組織を牽引する。
不動産取引における個人を技術でエンパワーする
——まずはGAテクノロジーズの事業内容について教えてください。
中村さん:
GAテクノロジーズグループ全体では、賃貸仲介事業の「ITANDI」、居住用不動産売買仲介やリノベーション事業の「RENOSY Living」、買取再販事業の「RENOSY iBuyer」の大きく3つに分かれます。借りる、売買・リノベする、投資するなど、不動産にまつわる幅広い領域をカバーしています。
具体的には、不動産売買から投資、リノベーションなどをトータルサポートする不動産テック総合ブランド「RENOSY」や個人向け部屋探しサイト「OHEYAGO」、不動産業者間サイト「ITANDI BB」など、複数のBtoBとBtoCのサービスを提供しています。
——近年、PropTech領域で事業を展開するスタートアップは増えてきたと思います。その中でGAテクノロジーズの強みはどこにあると捉えていますか?
中村さん:
不動産業界の商習慣に敬意を払いながら、変えるべきところは変えていくバランスが取れている点ですね。
レガシーだから全てを変えていく、のではなく、業界の商習慣やそれらを積み上げてきたプロフェッショナルへのリスペクトを持ちつつ、「どのような理由で続いてきたのか」「どこが変わると業界にとって良いのか」を深掘りし、課題解決に取り組んでいます。
——非合理的と決めつけず、より本質的な課題を探っていくのですね。さらなる成長に向けて、事業面ではどのような方向性を考えているのでしょうか?
福崎さん:
大きな方向性としては、不動産にまつわるカスタマージャーニーを一気通貫でカバーし、優れた体験を届けられるようにしたいですね。顧客によっては70年くらい続く長い長いジャーニーに寄り添いたい。
全てGAテクノロジーズで完結させるというより、イタンジとのパートナーシップのように、志を共にする企業と協働していけたらと考えています。
中村さん:
もう一つの方向性として、企業と顧客の情報非対称性の解消、顧客のエンパワーメントも重要ですね。従来の不動産業界では、アナログな手法で情報が管理されることが多く、顧客がアクセスできる情報は限られていました。
それに対し、GAテクノロジーズの提供するサービスでは、不動産取引をデジタル化し、企業の業務効率化とともに、情報のオープン化や業界全体の透明性向上にもアプローチします。最近では、商談後に不動産投資リスクをシミュレートできるサービスを提供するなどのサポートをしています。
あとは、日本で培ったノウハウを生かして海外展開も注力していて、今後M&Aなども積極的に行なっていく予定です。
業界特有の変更にも強いアーキテクチャを追求する
——GAテクノロジーズにお二人が入社したきっかけについて教えてください。
中村さん:
知り合いから声をかけてもらったのがきっかけでした。当時、PwCコンサルティングで新規事業の戦略策定を中心に、やりがいのある仕事に取り組めていました。ただ、どうしても外から支援する側になるので、企画フェーズから携われないもどかしさがあって。
GAテクノロジーズのようなスタートアップならゼロからプロダクトを創り上げる経験を積めると思ったんです。
加えて、PwCでは法律や規制の厳しい業界でプロジェクトを率いた経験もあって、それらを不動産業界でも活かせるのではと考えていましたね。
福崎さん:
私は会社を立ち上げて大きくする、ということに初期から携わってみたくて、当時立ち上げたばかりだったイタンジを選びました。
前々職で不動産領域のプロダクトを開発していた頃から、イタンジがこれからやろうとしていることが面白そうだ、と感じたことも大きかったですね。
——お二人とも入社後は主に開発に携わってきたと思います。エンジニア目線でGAテクノロジーズやイタンジで仕事をする面白さはどこにあるのでしょう?
中村さん:
“変化に強いプロダクト”をいかに開発するかを追究できるところですかね。
例えば、不動産広告は業界のガイドラインが厳しいのですが、たまにガイドラインが変わるときもあるんです。GAテクノロジーズやイタンジでは、そうした変更にも強いアーキテクチャを設計する必要があります。オブジェクト指向を理解し、実践できるかが問われる。一見地味に思うかもしれませんが、エンジニアとしての基本であり、探究しがいがありますね。
福崎さん:
数千万のレコードを取り扱えるのも面白いポイントではないかと感じます。ソーシャルメディアや広告系のサービスほどではありませんが順調に扱えるデータ量が増えています。
また、グループ全体として個人に与えられる裁量が大きいので、オーナーシップを持ってプロダクトに携わりたいエンジニアにとっては面白い環境だと思います。
プロダクト志向も技術志向も、活躍の形は多種多様
——GAテクノロジーズとイタンジ、それぞれのエンジニア組織はどのような体制になっているのでしょうか?
中村さん:
GAテクノロジーズでは開発の執行役員がいて、部門やグループ会社ごとにエンジニアチームを組織している形です。
toCメディアを統括する開発チームやネイティブアプリの開発チーム、社内向けのエージェントを内製するチーム、SREやQAなど部門横断型のチームがいます。
福崎さん:
イタンジ社内では、プロダクトごとに4、5名のエンジニアチームを組織していて、別にSREがいる体制です。
——グループ会社の間でエンジニアの行き来などもあるのでしょうか?
中村さん:
ありますね。私も入社はGAテクノロジーズでしたが、その後しばらくイタンジにいました。
グループ会社間では、勉強会などを通じて開発に関する情報共有も頻繁に行なっています。イタンジはBtoBのプロダクトを長く開発していますから、どのようなデータ構造でデータを保持するとよいかなどナレッジが貯まっている。そこから学べるのはありがたいですね。
福崎さん:
イタンジにとってもGAテクノロジーズからナレッジを共有してもらえるのは助かっていますね。特にGAテクノロジーズは不動産業界でキャリアを積んできたメンバーも多く、プロダクト開発の参考になっています。
——ナレッジを活かし合えているんですね!そのほかにGAテクノロジーズのエンジニア組織にどのような特徴があると思いますか?
福崎さん:
先ほど話した通り、プロダクトに対してオーナーシップを持って、開発に携わる人は多いですね。
弊社の代表も元々エンジニアで、自らプロダクトを創って起業しました。それもあってか事業やプロダクトにも関心を持っているエンジニアが多い気がします。
中村さん:
どちらかというとプロダクト志向の人が多いですよね。顧客の目線に立つために、宅建を取って業務知識をキャッチアップし、自発的に職業体験を体験しにいってプロダクトづくりに反映させるエンジニアもいます。
もちろん技術志向な人もいて、データ活用や業務効率化など、関心領域を深めていますね。
——プロダクト志向か、技術志向かによって、キャリアパスも違ってくるのでしょうか?
福崎さん:
そうですね。ビジネスサイドからエンジニアに転向して執行役員になったメンバーや、エンジニアから事業責任者になったメンバー。スペシャリスト的な例だと、新卒入社して、SREチームのリーダーになったメンバーなど、活躍の形も様々ですね。
業界特化型プロダクトで普遍的な課題解決力が磨ける
——幅広い領域で活躍するパスが用意されているんですね。今後、さらなる成長に向けてエンジニア組織として取り組みたい課題はありますか?
中村さん:
GAテクノロジーズのエンジニアには、複雑な業務フローを適切にコードとしてモデリングし、データベースを設計する力が求められます。ドメイン知識をいかに素早くキャッチアップするかは試行錯誤が必要だなと感じます。
福崎さん:
私も同意です。GAテクノロジーズの強みは、エンジニアがドメイン知識を持って課題を抽出し、プロダクト開発に向き合っていること。だから本質的な課題解決が可能になると捉えています。キャッチアップは継続的に取り組むべき課題ですし、面白さでもありますよね。
——キャッチアップのためにどのようなことに取り組まれているのでしょうか?
福崎さん:
入社したエンジニアには一通り業界知識のインプットを行なっています。
その上で日常的に学ぶ機会も作ってきました。Slackでは、各社員が「times」チャンネルで取り組んでいる課題を共有し、アドバイスし合っています。全体での勉強会に加え、ランダムにエンジニア同士をマッチングして相談できる1on1もセットしています。
——日常の中に学習機会が散りばめられているんですね!最後に、これからどのようなエンジニアと一緒に働きたいかを教えてください。
中村さん:
先ほどお話しした通り、GAテクノロジーズはクローズドだった情報をオープン化し、より顧客にとって使いやすくするために事業を展開しています。そうしたチャレンジに意義を感じて取り組める人と働けたら嬉しいですね。
あとは、不動産業界ならではの商習慣を「自慢の技術で変えてやる」ではなく「理解して解決のために技術を使おう」と考えられる人。もちろん難しいことではありますが、技術の使いどころを考え抜ける人には合っていると思います。
福崎さん:
目的達成に向けて、最適な技術を選べるか重要ですよね。私も事業やサービスの課題を解決するのが好きな“目的志向”のエンジニアに来て欲しいと思っています。
また、今後バーティカルなサービスが増えていく中で、特定の領域や業界に深く入り込み、課題を解決する力は絶対需要が高まるはず。そうした力を身につけ、キャリアアップしたいエンジニアの方がいたら、ぜひお待ちしています。
——ありがとうございました!