一次面接でCTOが出てくる会社は採用がうまくいく!?エンジニア採用のプロに聞く採用のノウハウ

インタビュイーのプロフィール

奈良 真衣 様/株式会社Sun Asterisk

プロフィール

新卒で航空会社に入社し、グランドスタッフを経験。その後、人材エージェントに転職し人事畑に。エージェントからRPO(Recruitment Process Outsourcingの略称で、
採用のアウトソーシング、いわゆる採用代行のサービス)まで幅広い人事業務に携われることに魅力を感じ、2020年4月に株式会社Sun Asteriskにジョイン。現在はRPOチームのチームリーダーとして活躍している。


参考
株式会社Sun Asteriskウェブサイト

エンジニアだけに限らずDX推進に必要な人材採用をサポート

まずSun Asteriskの事業内容を教えてください。

Findy スタッフ

奈良真衣様

Sun Asteriskは「誰もが価値創造に夢中になれる世界」をビジョンに掲げ、4ヶ国、6都市にて1800名以上のエンジニアやクリエイターが在籍するデジタル・クリエイティブスタジオ事業を展開しています。「Creative & Engineering」と「Talent Platform」の2つのサービスラインを提供しており、新規事業開発やDX推進、プロダクト開発を支援しています。日本が本社で、グループ会社も含めると社員は現在400人程度です。また、ベトナムに大きい開発拠点があり、そこには1500人くらいのエンジニアが在籍しています。

奈良真衣様

私が所属しているTalent Platformは、組織体制作りを支援するために3軸でサービスを提供しています。一つはいわゆる人材紹介。二つ目はRPO(採用代行)サービス。三つ目はアジアを中心としたトップ大学のIT人材採用支援です。

奈良さんはRPO事業(採用代行事業)でご活躍していますが、どのようなお客さんを担当しているのでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

BtoB向けのプロダクトとコンサルティングサービスを提供しているベンチャー企業から、名の知れたエンタメ系のサービスやプロダクトを作っている企業を担当しています。
実際どのような事例があるのでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

過去のお客様の事例では、ゼロからDX組織を立ち上げる案件がありました。そのときは、エンジニアからデザイナーまで全部ほしいという要望がありましたね。
貴社はDX人材やウェブエンジニア系の採用が強いのでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

DX組織をゼロから立ち上げたり、大きくしていくときには、エンジニアだけに限らず、デジタルマーケやPdMも必要になるため、幅広くDX人材の採用の支援をさせて頂いています。また営業職でもデジタル広告の営業をやっていた人がほしいといった要望もあり、そのような細かい要望に応えて、ご支援させて頂いています。

RPOを導入するときのコツはありますか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

どんなRPOのサービスを提供しているかが大事ですよね。採用のブレーンが不在な状況でただ、工数を提供しますというサービスを依頼してもうまく行かないと思っています。

奈良真衣様

なにができていなくて、なにが必要なのかを洗い出してから、それを提供してくれるRPOはどこなのかの見定めは重要ですよね。

奈良真衣様

例えば、ある程度採用をやっているけど、うまく行っていない会社のなぜ採用できていないかの理由次第では、RPOが入ってもうまくいかないことがあります。

非エンジニアの人事はどの程度エンジニアの知識が必要か

人事の方で、エンジニア経験がある人はなかなかいないのが現状です。そうした場合に、エンジニアが求めていることを理解したり、コミュニケーションを取ることが難しいように思いますが、どのようにしていますか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

自社にエンジニアがいるのであれば、その人たちとコミュニケーションを取るのが一番早いと思います。エンジニアの採用活動は人事だけでできることではありません。だから、いかにエンジニアとコミュニケーションが取れるかが大事だと思います。特にエンジニアとなるとエンジニア同士の、はたからはわからないコミュニケーションのやり方があると思います。そこはエンジニアにお願いしつつ、他は人事でカバーするといったようなやり方が理想ですね。
企業規模が大きい会社ほどエンジニアと人事のあいだに壁ができてしまいますよね。

Findy スタッフ

奈良真衣様

会社が大きいと縦割り組織になってしまいがちです。たまに事業部付の人事がありますが、
企業規模が大きい会社の場合は、事業部付けの人事があるといいですよね。
企業規模が大きい会社であればそのようにRPOを使うのも手ですよね。

Findy スタッフ

奈良真衣様

そうですね。会社全体の採用のRPOに入るのもありだと思いますし、一部の事業部だけにコミットするのもアリですね。弊社でも事業部ごとにコミットさせて頂く事例もあります。
非エンジニアの人事は、エンジニアの知識をどの程度理解すればいいでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

さすがに何も知らないままだと厳しいですよね。最低限よく出てくるワードは抑えておかないと、うまくまわせないと思います。例えば、インフラエンジニアとアプリエンジニアがほしいとなったときに、その違いがわからないとなると、厳しいです。エンジニアの種類や、使われる言語など最低限はインプットしておいたほうがいいです。
奈良さんはどのように勉強されたのでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

私はそれこそ、就活生向けの業界本を読むところから始めました。IT業界はどのような構造になっているか、SIerとはなにか、とか。あとはひたすら候補者のレジュメを読み込みました。このポジションはこういう言語がよく出てくるな、とか。わからない単語は検索して、の繰り返しでしたね。
テックキャンプに通う人もいますね。

Findy スタッフ

奈良真衣様

私はそこまでやる必要性を感じませんでした。とても時間がかかるので、それだったらレジュメを一枚読み込んだほうが効果的だと感じます。

奈良真衣様

この会社でこういうことをやっている人は、次のキャリアでこんな会社を選択するんだ、とか。あとは、他にどの会社を受けているのかなどの傾向も参考になりますね。

成功するスカウトメールの書き方、採用媒体の選び方

スカウトメールはどのように書いていますか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

まず最初にエンジニアにレジュメを見てもらって、評価したポイントなどを箇条書きで書いてもらいます。それをもとに、私がメールを作っています。レジュメを見てどう思ったかはエンジニアサイドに聞いたほうが良いという結論になりました。
だいたいどれくらいのボリュームでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

短いパターンと長いパターンと両方作っています。一度短いパターンで送ってみて反応がなければ、長いバージョンを送ってみるとか。あとは、一緒に送っている求人票にどれだけ情報が書いてあるかにもよります。スカウトメールには求人票には書いていない情報を書いています。例えば、募集背景などが求人票に書いていなかったら、スカウトメールに盛り込むようにしています。
お客さんごとに最適な媒体選びの基準があると思います。どのように媒体選定をしているのか気になります。

Findy スタッフ

奈良真衣様

まずはデータベースの種類というか、どのような人が登録しているのかは絶対に見ます。あとは、運用コストですね。運用コストは媒体によって違うので、かけられるコストとのバランスが重要です。例えばA社はデータベースは充実していますが、工数がかなりかかるとなったとき、現場の人の手を借りる必要がありますよね。借りることができなければ、候補から外します。運用できないと意味がありませんから。あと、レベル感や年収も見ていますね。
今流行りのカジュアル面談プラットフォームは使ったことはありますか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

話を聞いたことはありますが、短期的な転職目的というよりは、コミュニティ作りといった側面が強く、かなり中長期的なツールだと感じて採用媒体としては使っていません。

採用活動がうまく行っている会社の特徴

採用活動がうまく行っている会社の特徴はありますか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

エンジニアに限ってですが、現場の方が採用活動も自分の仕事の一部と考えてくれていると、採用活動がスムーズですよね。全部こちらから指示して動いてもらうよりは、自分ごとで動いてくれる人がいるほうがうまく行きやすいです。
そういう人がいない会社はどうすればいいでしょうか。

Findy スタッフ

奈良真衣様

いない場合は、事実ベースで話していくしかないですね。例えば、候補者さんから面接担当者のフィードバックをもらったら、それを伝えていくとか。人事だけが頑張っても実際に採用を決めるのは現場の人だから、自分ごととして捉えてもらえるように根気よく話をするしかないと思います。

奈良真衣様

あとは、トップにいる方々がどれだけ採用を自分ごとで考えてくれているかにもよります。例えば、一次選考でCTOが出てくる会社はうまく行っている印象があります。候補者さんも人間だから、自分のために時間を作ってくれたんだ、と会社の印象がガラッと変わると思います。
サイボウズの元エンジニア人の方が自分でいいねしてスカウトを送っていたら、約半年で10人採用できたそうです。エンジニアが前のめりになって採用している会社は好かれますよね。

Findy スタッフ

奈良真衣様

エンジニアの採用は他の職種より特殊ですよね。他の職種は人事だけで回せなくもないけど、エンジニア採用は現場の人の力が必要不可欠です。
エンジニア採用がうまくいかない会社ほど一次面接が人事、二次面接がエンジニア、最終面接がCTOや役員の順番な印象があります。うまくいく会社は順序が逆ですよね。

Findy スタッフ

奈良真衣様

正直人事は、最初に出る必要はないと思っています。人事がOKを出しても、エンジニアがOKをださないと意味がないので。

サイボウズ様のFindy成功事例インタビューはこちら

「導入して約半年で10人採用決定できました」サイボウズ株式会社様 -Findy成功事例インタビュー!

タレントプラットフォームをグロースしていきたい

最後に奈良さんの今後のキャリアを教えてください。

Findy スタッフ

奈良真衣様

現在、RPOチームのリーダーをやらせて頂いていますが、今後はもっとSun*の、タレントプラットフォームサービスを世の中に広めていきたいと思っています。弊社では「デジタルクリエイティブ事業」として、様々な企業様の価値創造をご支援していますが、「ヒト」の側面から事業全体をもっとアップデートしていきたいですね。

奈良真衣様

個人のキャリアとしては、マネジメントや育成面でももっと踏み込んでいきたいです。私自身エージェントや企業人事も経験してきましたが、Sun*でRPOとして採用に関わらせて頂いている今が一番面白いことができていると感じているので、Sun*でのRPOの仕事の面白さを伝えていきたいですね。