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インタビュー

このままでは技術から離れてしまう──技術を中心にキャリアの幅を広げる外資スタートアップでの挑戦

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Kong株式会社

プロフィール

川村 修平さん

Kong株式会社 ポストセールス

内資系SIerに新卒入社し、Java(Spring Framework)を用いた社内フレームワーク開発やCI/CD基盤の整備に従事。その後、外資系ベンダーに転職し、KubernetesやAPIゲートウェイなどクラウドネイティブ領域のプリセールスを担当。2025年にKong株式会社に入社し、現在はポストセールスエンジニアとして活躍する傍ら、勉強会への登壇や書籍執筆など技術発信にも取り組んでいる。

有泉 大樹さん

Kong株式会社 代表取締役社長

99年中央大学総合政策学部卒業後、株式会社大塚商会に入社。14年にわたり製造業・流通サービス業におけるSI事業、ソリューション提案に従事。2013年に現在のDell Technologiesに入社し、アカウントエグゼクティブとしてエンタープライズマーケットを担当。2014年株式会社コンカーに入社し、2017年より営業部長として中堅中小企業マーケットの立ち上げに従事。2019年からエンタープライズ営業本部 製造営業部部長、2021年よりエンタープライズ営業本部長を務め、中堅中小企業・大企業の DX を支援して統括推進。2024年7月Kong株式会社に入社、代表取締役社長に就任。

内資系SIerでJavaフレームワーク開発やCI/CD基盤整備を手がけ、その後外資系ベンダーでクラウドネイティブ領域のプリセールスとして約5年間のキャリアを積んできた川村さん。勉強会への登壇や書籍の執筆など、技術を発信する活動にも積極的に取り組んできました。

順調にキャリアを重ねる一方で、「このままでは自分のやりたい技術領域から離れてしまう」という危機感を抱くようになります。そんな川村さんが次のステージとして選んだのは、APIマネジメントに特化したソリューションを展開している外資スタートアップのKongでした。

AWSを触って楽しかった。技術への好奇心がキャリアを動かす

──川村さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

川村:現在の会社が3社目になります。1社目は内資系のSIerで、アプリケーション基盤を整備する仕事をしていました。具体的には、JavaのアプリケーションフレームワークやCI/CD環境などです。

当時の会社はオンプレミスが基本だったのですが、ある案件でたまたまAWSを触る機会がありました。それがすごい楽しかったんです。「もっとパブリッククラウドをやりたい」という思いが強くなり、外資系ベンダーへの転職を決めました。

──外資系ベンダーではどのような仕事をされていたんですか?

川村:KubernetesやAPI Gateway、Function as a Serviceなどいわゆるクラウドネイティブな技術領域のプリセールスエンジニアを担当していました。お客様への技術的な提案活動やPoCなどをサポートする役割ですね。

振り返ると、キャリア的には2社目が転換期だったと思います。技術を深めるだけでなく、コミュニティ系の活動にも本格的に取り組み始めた時期でした。

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──具体的にはどのようなことをされていたんですか?

川村:技術系の勉強会には1社目の頃から参加していたのですが、2社目に入ってからはより積極的に足を運ぶようになりました。徐々に、参加するだけでなくいろんなイベントで登壇する機会もいただけるようになって。

また商業誌や同人誌を問わず、執筆活動にも挑戦しました。この頃から、技術を自分の中にとどめるのではなく、外に発信していくことに力を入れるようになったんです。

「このままでは戻れなくなる」技術者としての危機感

──順調なキャリアに見えますが、転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?

川村:途中でロールが変わったことが大きかったですね。最初は製品のスペシャリストとして技術的に難しい案件をサポートする立場だったのですが、その後はアカウント担当のプリセールス部門に異動になりました。

プリセールスになると、会社が注力している領域やビジネス成果が見込める分野を担当することになりました。僕はクラウドネイティブな技術領域をやりたかったのですが、実際には流行りのAI系の案件を担当することが多くなっていきました。

──自分の志向と会社に求められる役割にギャップがあったということですね。

川村:そうですね、会社としての方針や優先度を考えるとそうした役割になるのは自然な流れだと思っています。ただ、あと数年ここにいたら自分がやりたかった領域に戻れなくなるんじゃないかという危機感がありました。この領域は進歩が速いので、離れている間に技術の進歩と自分のギャップがすごく開いてしまう。それは嫌だなと。

加えて、もう少し手を動かして技術に向き合いたいという思いもありました。プリセールスは提案が中心なので、自分で技術を深掘りする機会が限られてしまう側面があります。そういった理由から、特定の領域に特化した会社で、もう一度技術に集中できる環境を探そうと決めました。

──転職活動はどのように進められたんですか?

川村:転職の軸としては、当初は事業会社のSREを中心に考えていました。

実は、転職媒体に情報を入力するのがすごく苦手なんです。そうした中で、面談で自分がメンテナンスしている経歴書を渡すと、それをもとにプロフィールを作成してくれるサービスを紹介してもらって。この入力代行の仕組みが、自分にはとても合っていました。

──その他に転職活動で苦労した点はありますか?

川村:苦労というほどではないのですが、企業のことを調べたり求人票を読み込んだりする作業は、正直なところ面倒だなと感じていました。

でも担当の方が、企業の概要やブログ記事、過去の採用イベントの動画など、選考に必要な情報を全部まとめて送ってくれたんです。それを確認するだけで企業理解が深まるので、企業研究や面接準備の効率が格段に上がりました。また、プラットフォームがボトルネックになって連絡が遅れるということもなく、やり取りが非常にスムーズだったのも好印象でした。

本当に良い選択は何か。採用を超えて向き合ってくれた選考

──改めて、Kong社について教えていただけますか?

有泉:Kongは、APIマネジメントに特化したソリューションを提供している会社です。APIの構築から運用、ガバナンスまでをトータルでサポートするプラットフォームを開発しています。

Gartner®の「APIマネジメント」部門で6年連続リーダーに選出されており、日本ではデジタル庁の推奨APIゲートウェイにも認定されています。金融業界のお客様が4〜5割を占めていることからも、ミッションクリティカルな環境での信頼性には自信を持っています。

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──川村さんとKong社との出会いについて教えてください。

川村:実はKongの方とは以前から面識がありました。なので、Findyのプラットフォームでポジションが出てきたときは、外資ベンダーの求人もあるんだとすごく驚きましたね。

希望していた事業会社のSREポジションではなかったのですが、もともと知っている会社だったこともあり領域的にも興味があったため、カジュアル面談に進むことにしました。

──選考はどのような流れで進んだのですか?

川村:カジュアル面談から始まり、複数回の面接を経て最終面接まで計4〜5回ほどありました。面接回数は比較的多かったですね。ただ、結果として現職のメンバーと話す機会が多く、会社の実態をしっかり理解できました。

印象的だったのは、良いことだけでなく課題や大変な部分も率直に話してくれたことです。耳当たりの良い話ばかりではなく、リアルな情報を共有してくれて、すり合わせを丁寧に進めてくれているのが伝わりました。おかげで、悪い意味でのギャップは選考の過程で解消できたと思います。

──選考の中で特に印象に残っていることはありますか?

川村:面接してくれた方がすごく丁寧だったことですね。職務経歴書にブログや登壇資料のリンクを貼っていたのですが、最初に「これ全部見ましたよ」と言ってくれたんです。ここまでしっかり準備してくれているんだ、と感動しました。

それから、Kong以外の選択肢も提示してくれたことも印象的でした。「あなたにとって本当に良い選択は何か」という視点で一緒に考えてくれて。単に人を採用したいというより、一人の技術者のキャリアに真剣に向き合ってくれていると感じました。

──Kong社の入社を決めたきっかけがあれば教えてください。

川村:転職のきっかけでもお話しした、役割の部分ですね。当初はプリセールスのポジションで話が進んでいたのですが、カジュアル面談の中で、より手を動かす機会の多いポストセールスの役割を提案いただきました。こうした柔軟な対応も、Kongらしさだと感じています。

ロールを超えて動ける。外資×スタートアップのいいとこ取り

──入社前のイメージとのギャップはありましたか?

川村:今のところ、自分が今までやってきたこととやりたいことがちゃんとつながって、自分の強みを活かせている感覚があります。

これまで積み上げてきたクラウドネイティブ関連の技術や、技術を人に伝える経験がそのまま今の仕事に活きています。2社目で始めたコミュニティ活動や執筆の経験が、ここでしっかり回収できているなと感じています。

でも、いい意味でのギャップはありました。1社目では「あなたのロールはこれ」と決められていて、その範囲内で仕事をする感じでした。でもKongでは、ロールを超えてプリセールス活動を手伝ったり、イベントで登壇したり、エバンジェリスト的な立ち位置で動くこともあります。

有泉:川村さんは技術的な力はもちろんですが、登壇や発信などのエバンジェリスト的な強みもあるので、そちらの方面でも活躍してもらっています。人数が限られているスタートアップなので、やれることはみんなでやろうという文化があります。

──チームの雰囲気はいかがですか?

川村:楽しいです。なんかわちゃわちゃしている感じがしますね(笑)。

案件対応も、1つの案件に対してみんなで取り組む「全員野球」のスタイルです。オフィスに行けば雑談もしますし、Slackのチャンネルでもよく盛り上がっています。

外資っぽいロジカルな部分もありつつ、日本のスタートアップのわちゃわちゃ感もある。ハイブリッドというか、いいとこ取りをしている感じがします。

有泉:規模感が大きい外資系の会社だと、部門間の境界で「これは自分の仕事じゃない」と線を引いてしまい、宙に浮いたタスクが生まれがちですが、人数が限られているからこそ全員が意見を出しながら一緒に取り組むという雰囲気があるんだと思います。

──外資系でありながらも、スタートアップ感がある雰囲気なんですね。

有泉:もう一つの特徴は、外資系でありながら比較的自由に意思決定ができる点ですね。この背景には、出資元であるジャパンクラウドの考え方が大きいです。

一般的な外資企業では、本社の方針に沿ってロール&レスポンシビリティ(役割と責任範囲)が厳密に定められ、担当外の業務に関わることはあまり歓迎されません。一方でジャパンクラウドは、海外BtoB SaaS企業の日本進出を支援する投資会社で、日本市場での成功を最優先にしています。

そのためKongの日本法人も独自に判断できる裁量が与えられており、ここが一般的な外資企業とは大きく異なる点ですね。

川村:それから、入社時にジャパンクラウドが支援する複数企業の同期が集まる合同研修がありました。会社の垣根を超えて横のつながりを持てる機会があるのは、少人数のスタートアップで働く上での安心感につながっています。

有泉:ジャパンクラウドが支援する企業は、東京ミッドタウンの同じフロアに集まっています。外部から有識者を招いたディスカッションや勉強会など、企業間の交流機会が豊富にあるのは大きな強みですね。

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「天下を取る」を信じて動ける人と働きたい

──川村さんから見て、どんな人がKongに合うと思いますか?

川村:Kongでは、決められたロールの枠を超えて自ら動いていくことが求められる場面が多いです。そういう状況を楽しみながら対応できる人が合っていると思います。

APIのマネジメントは本当に可能性がある領域だと思っています。日本ではまだあまり普及していませんが、だからこそチャンスがある。「日本で天下を取る」じゃないですけど、その可能性を本気で信じて動ける人と一緒に働きたいですね。

大事なのは、スキルよりもビジョンへの共感や思いを持っているかどうかだと思います。

──有泉さんから、川村さんへの期待があれば教えてください。

有泉:川村さんには、技術力とエバンジェリストとしての発信力の両方を活かして、Kongの価値を日本市場に広めていってほしいと思っています。

先ほどお話ししたとおり、スタートアップでは「自分の仕事はここまで」と線を引かず、オーナーシップを持ってあらゆる業務に取り組む姿勢が大切です。川村さんにはまさにその素養があると感じていますし、一緒に日本市場を創っていける仲間として大いに期待しています。

──川村さん、有泉さんありがとうございました。