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インタビュー

「挑戦に前向きな文化」がある。三菱重工のDXをリードする新組織、DPI部で働く魅力とは?

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三菱重工業株式会社

三菱重工業株式会社は、日本のモノづくりをリードする存在として、エネルギー、環境、航空宇宙、産業機械、交通・物流システムなど、さまざまな産業分野で幅広い製品やサービスを提供しています。

日本を代表する大企業であると同時に、DXにも積極的に取り組んでおり、2023年5月には経済産業省が発表した「DX注目企業2023」にも選出されました。

日本を代表する大企業では、どのようにDXが進められているのか?今回は、同社のDXを牽引しているDPI部に所属している佐藤さん、山田さん、山内さんに、大企業でDXを進める魅力、面白さについてお伺いしました。

■プロフィール

山田 悠太さん
SIer、Web系のパッケージソフトの会社を経て、2020年8月に三菱重工に入社。
現在はCXチームのリードエンジニアとして、事業部と共にECサイトの開発、運用に従事。
趣味は、ラグビー観戦とドライブ。ラグビー観戦するためにドライブしているのか、ドライブするためにラグビー観戦しているのかわからないくらいどっちも好き。最近、社外発表をしたり、Goの本を書いたりした。


山内 惠理香さん
SIer、iPadアプリのSaaSベンダーを経て2021年6月に三菱重工に入社。
エンジニアとしてWebアプリケーションの運用・開発に従事するほか、スクラムマスターや “チームをいい感じにする人” として、チーム活動の支援に力を入れており、グループ内外を日夜徘徊している。
最近のマイブームは、ぬれおかきと認知心理学。


佐藤 一起さん
SIerやカーシェアリングサービスを提供する会社等を経て、2022年2月に三菱重工に入社。
現在はデータ連携基盤の開発や運用やAWSのセキュリティやガバナンス強化に勤しむ。データベースを自作したり、子供とゲームをしつつゲームの通信パケットを見たり、技術が好き。

ベンチャースピリットがある組織で開発プロセスを変革

──三菱重工への転職を決意された理由は何だったのでしょうか?

佐藤: 面白そうな技術や先進的な取り組みをしているとわかったからです。

三菱重工と聞くと、重厚長大な大企業というイメージがありました。そこがDXに取り組んでいるという求人票を見て、「本当にDXをやっているのかな?」と興味本位で面接を受けたんです。

実際に話を伺ってみると、仕事内容も魅力的で。まだまだ重たい部分があるプロセスの改善をこれから進めるという点についても面白そうだと思いましたし、組織としての成長性を感じ、転職を決意しました。

山田:私が入社した当時は、10名程度の小規模グループで開発組織を立ち上げたタイミングでした。

三菱重工で働いてきた既存のメンバーのなかに、外部人材を入れてみたいというお話を伺い、自分にも貢献できることがあるのではと考え、入社を決めました。

山内: 私は前職でSlerやSaaSのサービスプロバイダーに従事しており、よりお客さまに近いポジションで、伴走するような働き方がしたいと考えていました。そんななかで見つけたのが、三菱重工の求人だったのです。

入社の一番の決め手は、働いている方々や面接を担当してくださった社員の皆さんのマインドセットが、ベンチャー企業となんら変わらないという印象を受けたこと。この会社であれば、長くベンチャーで働いてきた私でも、役に立てることがあるのではないかと感じました。

──入社してみて、入社前のイメージとのギャップはありましたか。

佐藤:「社内の空気感がベンチャー企業と変わりない」という点は、いい意味でギャップでした。

山田:「意思決定のスピード感」があるのも、いいギャップですよね。

たとえば、何か新しい技術を使用してみたいと上司に相談すると、その日中に使えるようになったこともありました。新しいことを積極的に試して、実際の使用感を評価していく。開発に対する姿勢は、先進的かつスピーディーなところがあります。

山内:山田さんと同じく「意思決定のスピード感」には驚きました。ベンチャー企業と比べても差はないです。採用過程の中でもそのスピード感は実感していましたし、入社後のギャップがないことこそがギャップなのかもしれません(笑)。

──それはいいギャップですね(笑)。反対に、ここは伸び代だと感じる部分はありますか?

佐藤:製造業という業界の特性上、品質を担保するための開発手法のプロセスが社内に深く根付いているところですね。そこをよりアップデートすることができれば、さらなる発展につながるのではと考えています。

山田:佐藤さんの意見と重複するところがあるのですが、部署による仕事の進め方の違いと、それによるコミュニケーションの違いは伸び代のある部分だと思います。

というのも、私たちが所属するDPI部はベンチャーと同じようなスピード感で動いています。しかし、事業部にはそれぞれ特有の仕事の進め方、考え方というのがあります。開発を進める中で、他部署の方と話し合いをする際には、前提や考え方が異なることから伝え方を工夫する必要はありますね。

とはいえ、最近は私たちの仕事の仕方を理解、応援してくださる方も増えてきたので、今後はその輪を広げていきたいです

山内:人材が不足しているところです。入社して間もない時に上司から「ちょっといいかしら」と肩を叩かれて、新規プロジェクトの打ち合わせに呼ばれたことがあり、早々に仕事を任せてもらえてとても驚きました。個人的には嬉しかったものの、企業としてやりたいことに対してリソースが追いついていないのだなとも感じる出来事でしたね。組織のパワーがまだ十分でないという部分で、まだまだ伸び代があると思います。

DXをリードするDPI部の魅力は「挑戦に前向きな文化」

──先ほども少しお話が出ていたDPI部とは、どのような組織なのでしょうか。

佐藤:三菱重工のデジタル化を推進するDI本部の中の組織として、DXを牽引するチームです。たとえば、部品の発注をデジタル化するなど、これまでアナログで行っていた業務のDX化に取り組んでいます。特徴としては、DI本部の中でもお客さまとの接点が一番多いチームであることですね。

──DPI部の組織構成についても教えてください。

佐藤:基本的なグループは、SoEグループ、基盤グループ、MDグループの三つです。

規模としてはSoEグループが最も大きく、33〜35名程度の構成になります。主にお客さま向けのサービスや従業員の満足度を向上するソフトウェアなどを開発しています。

また私が所属する基盤グループは、10名前後ほどで構成されています。SoEグループが使用するユーザー認証の基盤づくりや開発者の開発環境を整えられるように、ゼロトラストネットワークの導入を担当しています。要するに、デベロッパーの効率を高める基盤作りを担当するグループです。

MDグループも、10名ほどで構成されています。当社は500以上の製品を有しており、そこに組込まれるソフトウェアも多様です。MDグループは、これら組込みソフトウェアの共通部品を作り、機械同士が接続、協調できる世界を目指しています。

──エンジニアの人数はどれくらいなのでしょうか。

佐藤:DPI部全体の人数が50名程度。そのなかで、エンジニアの人数は、25〜30名程度です。

──DPI部の魅力や強みはどこにあると思いますか。

佐藤:裁量が大きいことやレスポンスが早いことですね。自分がやりたいことに対する障害が少なく、スピード感を持って実践的に取り組むことができます。

会社として学びを大切にするカルチャーであり、勉強熱心な人たちが多いため、努力がしやすい環境であるのも魅力だと思います。

山田:「挑戦に前向きな文化」があることです。ボトムアップ・トップダウン双方で新しい技術に取り組む提案が行われるので、メンバー全員が楽しみながら、チャレンジを応援しあう環境がとても魅力的だと感じています。

また、勉強会や読者会を積極的に開催していたり、エンジニア同士で知見を共有する機会もあったりと、メンバーのスキルアップを支援する体制が構築されているのも魅力だと言えるのではないでしょうか。

山内:エンジニアとして一番面白いと感じるのは、「技術的な選択の自由」がそれぞれのチームに任されている点です。各チームの選択が尊重される土壌が整っているので、とても働きやすい環境だと思います。

──DPI部として目指す理想の開発組織像を教えてください。

山田:自ら学習したことをしっかりとアウトプットに繋げ、お客さまに価値を提供しつつ、最終的には事業に貢献できるような開発組織を目指しています。そのためにも、いまは各メンバーやチームの力を鍛える段階ですね。

アウトプットで、学びを価値に還元する

──今後、お三方が挑戦していきたいことはありますか。

佐藤:「開発環境のアップデート」ですね。

現在は、セキュリティやシステム管理の面で、開発者への負担が大きい状況であるのも事実。セキュリティパッチやガバナンスを自動化して、開発者の負担を減らしつつ、いいシステムが構築できる環境に改善していきたいです。

山田:現職では、過去に経験がなかった開発組織の立上げに携われたので、次は組織のレベルアップに取り組んでいきたいです。

私はSoEグループに所属しているので、グループ全体のスキル向上であったり、技術的課題の特定・解消の方針を立てたりしていきたいです。

また、実際に複数のチームの支援もしながら、ともに技術課題を解消する挑戦もしていきたいと思います。

山内:私は開発プロセスの構築に注力したいです。

ソフトウェアを提供するだけではなく、DPI部の開発プロセスやマインドの領域で、他の事業部門に良い影響を与えられる組織でありたいと考えています。

──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

佐藤:優れた技術を持つエンジニアの方に来ていただければ、もちろん嬉しいです。しかし、それ以上に、エンジニアとして成長したい、どんどん挑戦していきたいというマインドセットの方に来ていただけると、非常にありがたく思います。

山田:佐藤さんと同意見です。それに加えて、日本のモノづくり、製造業をもっと盛り上げていきたいと思うような方に来ていただけると嬉しいです。

山内:私は、「素直な人」でしょうか。素直に、貪欲に学び、その学びをDPI部や三菱重工に還元できる方。また、ソフトスキルでも、技術的な能力でもいいので、何か一つ「ここは自分が引っ張る」という強い気持ちのある方であれば、活躍していただけると思います。私たちのチームに少しでも興味を持ってもらえたところがあれば、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。