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インタビュー

顧客の「働き方を変えたい」にどう応えるか── Google Workspace™ でDXを支援する、カスタマーエンジニアの仕事とは

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株式会社ストリートスマート

株式会社ストリートスマートは、企業や自治体、教育機関に対し、「Google Workspace™ 」をはじめとしたクラウド製品の導入支援を行う企業です。共同作業の促進による業務効率化や、人材データの集約・可視化による人的資本経営の実現など、顧客の課題やニーズは多岐にわたります。

同社は2014年、Google の日本初のトレーニングパートナーに認定され、企業や自治体を対象としたEnterprise事業の支援実績は3,000社以上。約82%が大手企業で、これまでクボタやハナマルキ、荏原製作所などへの支援実績があります。

AIコーディングツールの進化でコードを書くこと自体はAIが可能になりつつある中、「スキルセットを広げたい」と思っているエンジニアは少なくありません。ストリートスマートでは、実践的な知恵や臨機応変さを意味する言葉「street smart」の通り、好奇心を持って学びながら、顧客の様々な課題解決に向き合う人材が活躍しています。

同社のクラウドエンジニアグループでEnterprise事業を担当する伊藤 里菜さんに入社の背景や求められる能力、得られるやりがいを聞くとともに、Enterprise事業部 事業部長の藤田 康佑さんに顧客が抱える課題やストリートスマートの役割、求める人物像をお話しいただきました。

プロフィール

伊藤 里菜さん

クラウドエンジニアグループ 所属

新卒でSIerに入社し、約4年間エンジニア兼プリセールスとして複数のDX案件に従事。製造や物流などの現場業務を対象としたDXソリューションの提供に携わったのち、2025年5月、ストリートスマートに入社

藤田 康佑さん

Enterprise事業部 事業部長

新卒でソフトバンク株式会社に入社。約7年間、Google Workspace の営業推進に従事し、個人として Google より複数回表彰を受ける。その後株式会社メルカリに転職、メルペイの立ち上げ期に営業企画を担当し、営業基盤をゼロから構築。2022年からストリートスマートに在職中

入社の背景は「技術力をもっと成果につなげたい」

── 伊藤さんは2025年5月入社と伺っています。転職活動の背景や入社の経緯を教えてください。

伊藤:新卒でシステムインテグレーター(SIer)に入社し、開発やプリセールスを通して企業のDX案件に関わっていました。お客さまの業務をヒアリングし、製品選定から導入・保守まで一通り担当していました。4年ほど働き、業務にも慣れてきたタイミングで「新しいことにチャレンジしたい」と思うようになり、転職活動を始めました。

前職では開発と顧客のフロント対応を両方担当していたのですが、技術力だけでなく、課題に対する最適解をお客さまに提案し、成果につなげる力も必要だと感じていました。ストリートスマートの選考では、社員の方々から挑戦を忘れない姿勢を感じ、「ここなら自分が伸ばしたいスキルを鍛えられそうだ」と思えるようになったんです。

コーディング自体は前職である程度経験しましたし、趣味で続けることもできます。だからこそ次のチャレンジでは、これまで深くは担えていなかったフロント対応や、AIをはじめとした最新技術の習得・活用にトライしたいと考え、ストリートスマートへの入社を決めました。

── 他のSIerと比べて、ストリートスマートを選ぶきっかけになったのは、どのような点でしたか。

転職サイトでは他のSIerの求人も見ていましたが、クライアントの業種や課題、扱うツールの幅が広く、入社後に自分がどの領域を担当するのかをイメージしづらいと感じることが少なくありませんでした。

その点、ストリートスマートは Google の公式パートナーとして、Google Workspace を軸に顧客の課題解決を行うことが明確で、業務のイメージを持ちやすかったんです。新しく挑戦したいと考えていたAI領域についても、実務の中で習得・実践できそうだと感じ、「自分のやりたいことに合っているのではないか」と思えました。

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── 「導入支援」という立場はイメージしにくい部分もあると思います。その点で不安はありませんでしたか。

伊藤:確かに「Google Workspace の導入支援」と聞いて、最初は「何をする仕事なんだろう?」と思いました。Google Workspace というと、Google ドライブ™ や Google スプレッドシート™ のイメージが強かったので、どの部分でエンジニアが関わるのかが見えにくかったです。

そこで、面接の前に会社が出版している教育機関向けの書籍記事を読んだり、最終面接ではホワイトボードを使って具体的な業務内容を説明してもらったりすることで、疑問点を少しずつ解消していきました。実際に働いてみるとエンジニアが関与する場面は多く、想像以上に奥が深い仕事だと感じます。

── 実際は、どのように関与することが多いのでしょうか。

まずは、お客さまの業務内容や利用環境を理解するところから始めます。端末やネットワーク要件を確認し、業務に支障が出ない形で設計を行います。その上で、ファイル共有の範囲やメーリングリストの運用など、お客さまの業務内容やニーズに合った使い方を提案します。

顧客の要望をどう形にするか。導入支援のリアル

── カスタマーエンジニアとして導入支援に携わる中で、どのような力が求められると感じますか。

伊藤:私が関わるお客さまは、既に Google Workspace の導入が決まっている方々がほとんどなので、「どう導入するか」というフェーズから関与します。営業担当から事前に情報を共有してもらいますが、実際にお話しすると、「こういうことがしたい」「ここに課題を感じている」といったリアルな声を聞くことができます。

こうしたニーズや課題に対し、どう Google Workspace を導入し、どう改善するかを提案する力が欠かせないと感じています。現在は、先輩が担当している案件のミーティングに同席し、いかにお客さまの課題を把握し、最適な解決策を提案するのかを、議事録を取りながら学んでいる段階です。

最近担当させていただく案件で多いのが、Gmail™ の暗号化に関する支援です。お客さまから「どこまで許可し、どこから制限をかけたいか」といった具体的な要望をヒアリングし、Chrome ブラウザの管理機能などと組み合わせながら、業務内容に応じた制限の設計・提案を行います。

フロントに立つ中で「伝えるスキル」が磨かれている

── 入社して8カ月ほどですが、どれぐらいの時期や場面で成長を実感されましたか。

伊藤:常に「まだまだだな」と思っているのですが、入社して半年ほど経った2025年の秋頃に、1カ月単位の案件をサポートは受けつつもメインで担当させてもらいました。こうしたプロジェクトをあと何件かやり切れば、1人で進められる範囲が広がると感じています。

── 転職の背景にあった「技術力を成果につなげるスキル」は身についてきていると感じますか。

着実に身についてきていると感じます。前職では仕様書に基づいた開発がメインでしたが、現在は Google Workspace の導入支援という立場上、ITが専門ではないお客さまに対して、いかに具体的な運用イメージを持っていただくかが重要になります。

複雑な仕様を噛み砕いて説明したり、実際の画面デモを通じて操作感を伝えたりと、相手の立場に立って説明方法を工夫する中で、「伝えるスキル」が磨かれている実感があります。自分のアウトプットがお客さまの納得感に直結する手応えは、フロントに立つ今の業務ならではの経験だと感じています。

── そのほか、入社前は想定していなかったものの、実際に働く中で身についてきたと感じるスキルはありますか。

少数のチーム体制で複数の案件を担当しているため、「自走力」と「タスク管理能力」が鍛えられていると感じます。先輩の指示を待つのではなく、プロジェクトの状況を把握し、今自分が何をすべきかを自律的に判断して動くことが求められる環境です。また、Enterprise領域だと3~4個の案件が並行して動く中で、優先順位を見極めて最後までやり切るマルチタスクスキルも、少しずつ身についている実感があります。

── 貴社のカスタマーエンジニアの大半は、Google Workspace の設計や構築を入社してから学ぶと伺っています。伊藤さんは、どのように習得していきましたか。

伊藤:入社後は、早い段階で現場に入りました。まずは録画資料などを観て業務内容を把握し、入社から3週間ほど経った頃には、ミーティングにも参加するようになりました。比較的自由な社風なので、関連技術は隙間時間を見つけて触っています。

Google、特に Gemini™ 関連は変化のスピードが速く、新機能が出たら自分で調べて使ってみて確かめることを繰り返しています。社内の Google Chat™ では、サービスのアップデート情報が専用のボットで通知され、業務の空き時間を見つけてチェックする文化が根付いていますね。

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本社は大阪府で、シンガポールにも法人を持つストリートスマート。会議などの日々のコミュニケーションでは Google Meet™ を活用し、距離を意識することなく働けているそう。顧客先に訪問して仕事をすることは基本的になく、顧客とはオンラインでのコミュニケーションが中心とのこと

まずは自分たちで試してみる。ストリートスマートのAI活用

── Google 認定パートナーとして3,000社以上の導入・活用支援を行ってきたストリートスマートですが、実際に働く中で、同社ならではの強みはどのような点にあると感じますか。

伊藤:日々感じるのは、社内に蓄積されているナレッジが非常に多いことです。これまでの支援や検証で得られた知見を Google スライド™ や Google スプレッドシートに整理しており、知識や経験を暗黙知にせず、社内全体で共有するスタンスを感じます。

こうしたナレッジがあるからこそ、お客さまから「こういうことをやりたいんだけど」と相談を頂くと、いちから調べることなく具体的な提案ができ、その点が大きな強みだと思います。

── 最近は、社内のAI活用を推進する取り組みも行われているそうですね。

伊藤:はい。全社的な取り組みとして「Project-Ai(プロジェクト・アイ)」が立ち上がり、私はエンジニア代表として参加しています。お客さまのAI活用を支援する上で、Google Workspace には膨大なAI関連機能やツールが存在し、「どう業務で活用するか」の最適解を見つけるのは決して容易ではありません。まずはストリートスマート内で、どのように業務へ生かせるかを整理・議論しています。

他部署では、Gemini や Workspace Studio™ の使い方に関する勉強会を開催するなど、AIツールの利用促進に向けた取り組みが進んでいます。一方で私は、エンジニアならではのアプローチを意識しています。

例えば、お客さまへの提案スピードを一層上げられるよう、 Google Apps Script(GAS)を使って Google のアップデート情報を自動取得し、Google スプレッドシートに整理してスライド化することで、資料作成までを自動化する取り組みを進めています。他のエンジニアからも意見を収集し、現場のニーズを把握することを心掛けています。

「働き方を変えたい」顧客の切実なニーズに応えるやりがい

── 藤田さんには、事業の全体像を伺いたいです。顧客には大手企業が多く見られますが、デジタル化やDXの推進では、どのような点がボトルネックになっているのでしょうか。

藤田:当社はさまざまな業種のお客さまを担当しているため課題は千差万別ですが、共通して感じるのは、社内のIT活用を「促進する人材」が不足していることです。

日本企業の場合、IT部門の役割はどうしても「情報システムを安定して管理・運用すること」が中心になりがちで、DXを推進するための取り組みに十分な時間を割けないケースが多いと感じています。

その結果、システムが導入された当時のまま、ずっと使われていることも少なくありません。そのため、お客さまは「知見のある専門業者に運用の見直しや活用の促進を手助けしてほしい」というニーズをお持ちであることが多いです。

── 導入して時間が経ってから、改めて相談を受けるケースも多いのでしょうか。

藤田:はい。当社は基本的に製品の導入時点で研修や導入の技術支援を実施するのですが、導入から2〜3年ほど経ったタイミングで、改めてご相談いただくケースも少なくありません。例えば、Gemini のように導入当初は提供されていなかった機能が出てきて、「新たに活用したいが、社内で推進できる人材がいないので、改めて研修や利用に必要な設定をお願いしたい」といったご相談を頂くこともあります。

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── 他の業務基盤からの移行案件も多いそうですが、Google Workspace ならではの強みを教えてください。

藤田:Google Workspace はクラウドネイティブな思想で設計されており、「全員が同じ情報をリアルタイムに共有しながら働くこと」を前提としています。だからこそ、「働き方そのものを変えたい」という文脈で選ばれることが多いです。

Google Workspace の導入を希望するお客さまは、企業として Google のサービスをほとんど使ってこなかったケースが多いです。その中であえて Google Workspace を選ぶ背景には、「ファイルをローカルに保存しているため、最新版の管理が煩雑になる」「紙ベースのやりとりや対面会議が多く、出社が必須になっている」といった従来の業務スタイルから脱却し、業務の生産性向上や多様な働き方を実現したいという強い意思が感じられます。

そのため当社の役割は、単にツールの使い方を説明するのではなく、「組織におけるコミュニケーションやコラボレーションの在り方を、どのように変えていくか」までを一緒に考え、提案していくことだと考えています。

日々のアップデートを「面白い!」と思えるか。領域横断で求められるスタンス

── Education事業についても伺いたいです。Enterprise / Education事業のエンジニアリング、どちらを担当するかは入社後に決まるそうですが、教育機関ならではのニーズやカスタマーエンジニアの方々が意識すべき点はありますか。

藤田:Education事業では、サービスを利用するのが教員や児童・生徒の方々であるため、「ユーザーにとって本当に最適かどうか」を常に意識して設定や運用を行う必要があります。

例えば、新機能が提供されたとしても、児童・生徒のユーザーにすぐ使ってもらって問題ないかは、国内の教育やセキュリティ方針、現場の状況を踏まえて判断しなければなりません。

そのためエンジニアであっても、ユーザーを取り巻く環境を把握した上で、「この地域の学校では、どういう使い方が適切か」ということを、教育機関の関係者の方々のニーズを踏まえて提案する必要があります。この部分が、Education事業ならではの特徴だと思います。

── 両事業に共通して求められるスタンスには、どのようなものがありますか。

藤田:どちらの事業でも Google のサービスを扱っているので、最新の機能が日常的に追加されることに変わりはありません。その変化に対して、負担に感じるのではなく「この機能はどういったものなんだろう?」と好奇心を持って自分から掘り下げていけるかどうか──。こうした姿勢は事業や職種に関係なく求められ、実際に当社の社員全体に共通する要素です。

お客さまの業種やニーズ、提供するサービスによって取り組み内容はさまざまですが、その根底には「新しいものに対する好奇心」と「お客さまに価値のあるサービスを届けて満足してもらいたいという気持ち」が共通していると思います。

── 藤田さんは伊藤さんの面接を担当されたそうですね。どのような点を評価されましたか。

藤田:まずは、先に話した「変化に対する好奇心」が大きいですね。新しいものを前向きに捉え、自分から学びにいけるメンタリティーは、われわれが求める人物像と合致していました。

加えて、当社は少人数のチームで案件に対応しているため、決められた役割をこなすだけでなく、チームメンバーと連携しながら複数の案件を並行して進められるかどうかは重要なポイントです。

伊藤さんの場合、前職で1人で様々な業務を切り盛りしてきた経験があり、新卒から数年の間で試行錯誤を重ねてきたことが伝わってきました。そうした背景から、「この人ならチームにうまく溶け込んでやっていけそうだ」と感じました。

スキル面では、プログラミングのスキルや開発工程への理解がきちんと備わっていることを評価しました。Google Workspace の設計・構築の経験があるエンジニアは市場にほとんどいないため、入社後に身につけてもらえればよいと考えています。エンジニアとしての素地があれば、製品は違ってもこれまでの経験を応用したり、Google Workspace の特色をスムーズに理解したりできるはずです。

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伊藤さんはストリートスマートに入社後、女性エンジニアの多さに驚いたそう。ハイブリッドワークが可能で、時間や場所に関係なく働ける「フレキシブルデー」もある

「新しいものは楽しい」伊藤さんが学び続けられる理由

── 伊藤さんは働く中で、どのような人がストリートスマートのカスタマーエンジニアに向いていると感じますか。

伊藤:Google の製品は新機能の追加や仕様の変更が頻繁に行われるため、学ぶことが苦ではない人や、組織のAI活用推進に関心がある人であれば、楽しみながら働けるのではないかと思います。私自身、「新しいものは楽しいもの」と捉えており、日々新鮮さを感じながら働いています。

学びを楽しめる背景には、会社として新しい機能や技術を積極的に試すことを歓迎する風土があると感じています。実際、代表取締役の松林も「まずは試すことで社内のノウハウが蓄積される」と考えており、検証環境が必要であれば「やりたい」と言ってから費用面を含めた承認までのスピードが非常に速いです。Project-Aiでも、「このライセンスで可能なことを確かめたい」と話したら、「じゃあ、まずは3ライセンス買ってみようか」とすぐに受理してもらえました。

── 様々な案件が寄せられる中で忙しい場面もあると思いますが、その中で仕事を楽しめている理由はどこにありますか。

伊藤:Google Workspace や Gemini のアップデートに併せて調査や知識のキャッチアップが求められる場面は多いですが、そうした変化に触れ続けられることが、私にとっては良い刺激になっています。

また、多くの案件が早いものは1カ月とスピーディーに進行していくため、プロジェクトが形になり、完了していくサイクルが非常に速いです。短期間で目に見える成果を積み上げ、達成感を味わえる今の環境は、忙しさ以上に成長の実感と仕事への充実感を与えてくれています。

── 伊藤さんの今後の目標を教えてください。

伊藤:やりがいや成長を感じる一方で、学ぶべきことはまだたくさんあります。その上で、企業や自治体のAI活用やDXに、より貢献できるようになりたいです。お客さまが「やりたい」とおっしゃったことにしっかりと応え、満足いただける形で提供できるよう、スキルアップしていきたいです。

Google のサービスは本当に奥が深く、自分に対して「まだまだだな」と感じることも多いです。一度「できる」と思えたことでも、別の機能と組み合わさると「どういう挙動になるんだっけ?」と、お客さまの要望に対して考え込んでしまうこともあります。

しかし、奥の深さはこの仕事の面白さでもあります。Google の進化のスピードに負けないよう情報をキャッチアップし、公式パートナーとして最適な活用方法を提案できる状態を保ち続けたい。その気持ちを忘れずに、これからも食らいついていきたいですね。

* Google、Google Workspace、および関連する製品・サービス名称は、Google LLC の商標です。