ここ数ヶ月の間でChatGPTなどの生成AIが一気に大きな注目を集め、人工知能の領域における話題を席巻しています。
日本でも関心が高まっていることを受け、2023年6月版Findyマンスリーレポートではユーザーエンジニアを対象にChatGPTに関する意識調査アンケートを行いました。
今回はエンジニアのChatGPTへの関心度合いと個人・企業でのユースケースについて見ていきます。
調査概要
本記事では「ChatGPTに関する意識調査」の結果を元に記事作成をしております。
【ChatGPTに関する意識調査概要】
- 調査期間:2023年4月24日〜4月28日
- 調査方法:Webアンケート
- 調査目的:ChatGPTに関する意識調査アンケート
- 分析対象回答数:342件
- 調査主体:ファインディ株式会社
ChatGPTの利用状況とエンジニアの傾向
日本全体では認知が広がるも利用者は少数派
2023年6月時点における日本のChatGPTの利用状況は、野村総合研究所のレポートによると
ChatGPTを知っていると答えた人が68.8%、実際に利用したことがあると答えた人は15.4%
業種別の利用率は情報通信が32.8%と最も高い。
―野村総合研究所「日本のChatGPT利用動向(2023年6月時点)」
となっています。ChatGPTは革新的なAI技術とその精度の高さで一気に話題になり、SNSやメディアなど通じて一定の認知を獲得しました。一方で無料で試せるというハードルの低さをもってしても、実際に利用した人は日本全体ではまだ少数派だということが意外だと思う方も多いのではないでしょうか。
それを踏まえてまずはエンジニアの「ChatGPTの利用有無」について見ていきます。
エンジニアの9割が利用経験あり
まず、エンジニアのChatGPTに対する興味について、「興味・関心があり利用した」(89.5%)、「興味関心はあるが利用していない」(8.2%)を合わせた“興味あり”が97.7%と非常に高い割合を示しており、前述の調査と比較してエンジニアがChatGPTにとても注目していることが分かります。
さらに特筆すべきは利用経験がある人の割合も高いことで、「興味・関心があり利用した」(89.5%)、「興味・関心はないが利用した」(1.2%)と合わせると90.7%に上り、先程の日本全体の利用者比率と比較するとその差は圧倒的です。
ITを活用して何かを便利にしたり、スムーズにするプロダクトを生み出しているエンジニア自身にとって時間短縮や効率化に繋がる技術やサービスは興味深く見えるのかもしれません。その分試してみるハードルも低くなると言えそうです。
個人・企業でのChatGPT活用のユースケース
利用場面は多岐にわたる
では具体的にどのような場面で利用したのでしょうか。
112回答で一番多かったのは「コーディングの相談」。“フレームワークの使用法やコードのロジックの一案を提案してもらった”“普段使用しないプログラミング言語のソースコードのプロトタイプを生成してもらった”などコーディングをよりスムーズに行なったり、自身の業務範囲の拡張に活用する声が挙がっています。
次に多かったのは64回答を集めた「調べ物」。“時間がかかる単純調査をお願いした”など、作業時間の短縮のためにChatGPTを利用してみた人が多いようです。
続いて「コーディング以外の壁打ちやアイディア出し」が50回答を集めました。“エラー発生時のログを記載して、どこに注目するべきかを聞いた”などアウトプットをよりブラッシュアップさせる目的で利用されています。
そして「文章作成、要約、翻訳など」が36回答。 “公式のヘルプを読む前にざっくり日本語で内容を知りたい時”など海外の最新情報を翻訳して取り入れる時に使われています。
その他には単に“試しや遊びで触ってみた”という人や、中には“人には相談しにくいことを相談した”と切実な悩みを告白する回答もありました。
企業内ChatGPTの活用ユースケースは、大きく5つに分類される
株式会社クニエが公開している「【第3回】企業におけるChatGPT活用の最新ユースケース」では、多様な業界で企業内ChatGPTの活用が見られ、大きく5つの機能に分類できると発表されています。
- 文章/画像生成
- 対話・自動応答
- 検索
- 要約・分析
- コード生成・翻訳
Findy調査の回答結果と比較しても大きなズレはなく、この5つの機能に当てはまるといって問題なさそうです。現状では、どのような企業にもある一般的な業務での活用が対象となっており、主に社内だけでの利用に焦点が当たっているケースがほとんどですが、今後外部向けのサービスに組み込まれるケースも増えてくると、よりChatGPTの活用可能性が向上していくことが見込まれます。
LLM活用のユースケース事例を紹介
生成AIから少し範囲を広げ、LLMにおいてはすでに企業での活用ユースケースとしてGitHub Copilotがエンジニアたちの間で拡がっています。
7月13日にFindyが実施した『開発生産性Conference』で行われたGitHub社のデモンストレーションでは、会場がその革新的な機能に会場が一時ざわついたほどです。
実際に組織としてGitHub Copilotを導入している企業も増えてきています。
例えば、導入事例として株式会社SODAでは、まず一部のエンジニアでCopilotをテスト導入し、開発速度の向上やコード品質の改善に効果があるなどのフィードバックが得られたことから、現在はエンジニア組織全体で利用することになったそうです。
また、株式会社MonotaROでは、チームでの開発速度向上や改善を目的としてCopilotの導入を実施し、導入後のエンジニアアンケートでは全員が継続利用を希望したとのこと。
やはりその利便性を体感したエンジニアにとっては、今後の開発において欠かせない存在になることを確信したのではないでしょうか。上記で紹介している企業は一例ではありますが、今後もGitHub CopilotだけではなくLLMや生成AI全般がエンジニア個人・開発組織の両面で拡がっていくことが想像できます。プログラミング初学者がCopilotのコードサンプルをお手本に技術習得することでジュニアエンジニアの立ち上がりがスピーディーになったり、組織的にコードの可読性を上げるためにCopilotを活用して将来的な技術的負債を未然に防げたり、、、技術の進歩がもたらす未来が楽しみすぎてまだまだ長生きしないといけないですね!
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