「AI駆動開発の可能性を伝え、内製化まで伴走する」Exa Frontier Edge 福田政史さん・芝木裕平さん|FDEの走り書きのトップ画像

「AI駆動開発の可能性を伝え、内製化まで伴走する」Exa Frontier Edge 福田政史さん・芝木裕平さん|FDEの走り書き

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AI時代の新たな職種として注目を集める、Forward Deployed Engineer(FDE)。国内でもFDEを募集する企業は増えつつありますが、その実態はまだ広く知られていません。顧客の最前線に入り込み、AIの社会実装に向けたラストワンマイルを埋めるFDEは、何を考え、どのように課題解決に向き合っているのでしょうか。

本連載「FDEの走り書き」では、不確実性の高い現場を走る当事者たちの、今だからこそ語れる試行錯誤を追います。第3回は、2026年4月にエクサウィザーズが設立した新子会社・株式会社Exa Frontier Edgeのおふたり、代表取締役の福田 政史さんと、ソリューションアーキテクトの芝木 裕平さんに話を伺いました。

Exa Frontier Edgeとは

エクサウィザーズが2026年4月に設立した新子会社。「AIネイティブSI」を掲げ、AI駆動開発によるシステム開発と、顧客への内製化支援を主軸としています。開発プロセスやノウハウそのものをAIネイティブ化することで、従来のエンタープライズ開発を圧倒的な少人数・短期間で実現することを目指しています。

エクサウィザーズ、AI駆動の「システム開発」と「開発プラットフォーム」を提供する新会社 Exa Frontier Edge を設立

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AIの進化は、待ってくれない。新会社を立ち上げた理由

― まずは、おふたりのご経歴と、新会社を立ち上げるに至った経緯から聞かせてください。

福田:前職のSAPで約20年間ITコンサルタントを務め、社内のAIプロジェクトを率いたことでAIの可能性を実感し、4年前にエクサウィザーズへ転職しました。入社後はexaBase Studioの立ち上げや執行役員を経て、2026年4月にAI駆動開発に特化した新会社Exa Frontier Edgeを設立しました。

実は新会社設立のきっかけは、芝木との出会いが大きかったんです。芝木と「AIがシステム開発にもたらすインパクト」について語り合ううちに完全に意気投合。以前から感じていたAI駆動開発の重要性が確信に変わりました。

芝木:最初のカジュアル面談の時ですね(笑)。なぜ面談でそんな話をしたかというと、当時の私が強い危機感を抱いていたからなんです。

前職の金融系フィンテック企業では、クライアントが金融機関ということもあり、実業務のコアにAIを組み込むにはまだハードルが高い環境でした。しかし、個人で様々な検証を重ねるうちに「今、現場にAIを組み込めなければ、エンジニアとしても企業としても絶対に置いていかれる」と考えていました。

その思いを福田さんにぶつけてみたら、面談という枠を超えて、ただただ「AI好き同士の熱い雑談」になってしまって(笑)。他社の選考も受けていましたが、一番盛り上がり、目指すビジョンが完全に重なったのがここでした。

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ソリューションアーキテクト 芝木 裕平さん

― 入社される前から、すでに同じ課題感を共有されていたんですね。

芝木:はい。その最初の面談の時点で、まさに「エンタープライズの厳しいセキュリティや制約の中で、どうAI駆動開発を適用させるか」という、かなり踏み込んだ議論をしていました。

私がエクサウィザーズに入社し、実際に手を動かす中で、「AI駆動開発を、いよいよ独立した事業として切り出した方がいいのではないか」という構想が持ち上がっていったんです。当初は本体の中に専門組織をつくることも検討されていたそうですが、既存の枠組みではスピード感や新しいツールの導入にどうしても限界があります。福田さんとディスカッションを重ねる中で、「完全にゼロベースで新しい開発モデルをつくるなら、組織ごと切り出した方が圧倒的に合理的だ」という結論に至り、新会社への参画を決めました。

福田:AIを極限まで使いこなすための組織やサービスモデルを刷新するなら、しがらみのない場所でゼロから組み直すべきだと判断したんです。そこからの意思決定はスムーズでしたが、実質3週間もない急ピッチでの設立手続きとなり、本当に怒涛の日々でした。

私たちが準備に何カ月もかける間にも、AIの進化は待ってくれません。この圧倒的なスピードに負けないよう走り抜け、現在は本体から集まった強力な5名(2026年7月時点)のコアメンバーでスタートを切った段階です。

初日に「動くアプリ」で信頼を掴む。開発のあり方をAI前提に塗り替える

― プレスリリースでは、開発プロセスをゼロから設計した「AIネイティブ企業」として、「AIネイティブSI」の確立を目指すと掲げられています。あえてこの言葉を使う理由や、具体的なイメージを教えてください。

福田:これまでエクサウィザーズが扱ってきた案件は、データ予測や画像認識といった「AIを搭載したシステム」を開発することが主軸でした。しかし、私たちが今取り組んでいるAI駆動開発では、つくり上げる成果物にはAI機能を持たない従来型の業務システムも含まれます。

私たちが「AIネイティブ」という言葉で表したいのは、成果物のことではなく、開発のプロセスやツール、ノウハウそのものを完全にAI前提に変えるという意味なんです。具体的には、コーディングエージェントを中核に据え、設計から運用までAIが駆動することで、従来は数カ月かかっていたシステム開発を、少人数かつ1〜2週間という圧倒的な短期間で実現する体制を構築しています。

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芝木:実際、あるメガバンクのプロジェクトに参画したときは、事前に把握していた概要をもとに、初回の打ち合わせにシステムを構築して持参したんです。画面だけのモックアップではなく、実際のファイルを読み込ませると、実務に必要なレポートが自動生成されるアプリです。これをお見せしたところ、「こんな開発スピードは見たことがない」と、非常に驚かれました。

福田:この「初日に動くものをお見せしたこと」が大きな信頼に繋がり、その後の継続的な取り組みにつながりました。今ではこのスピード感が、チームの当たり前になっています。打ち合わせの翌日には動くアプリを複数パターン用意しますし、簡単な仕様ならその場で実装して触っていただくこともあります。

このように、開発プロセスやお客さまとのコミュニケーションのあり方までAI前提でゼロから組み替える。これこそが、私たちが「AIネイティブ」を掲げる理由です。

― コミュニケーションのあり方までAI前提に変えていくのですね。国内でも、本連載のテーマである「FDE」を募集する企業が増えていますが、貴社がその表現にとどまらず、あえて「AI駆動エンジニア」という言葉を使われている理由も、まさにそこに関係しているのでしょうか。

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代表取締役 福田 政史さん

福田:そうですね。エクサウィザーズ本体ではまさに「FDE」と呼んでいるポジションがありますが、Exa Frontier Edgeの「AI駆動エンジニア」は求める役割がまた異なります。

前提として、FDEという職種はAI駆動開発の台頭前から存在しており、本来AIをフル活用するという意味や、AIプロダクトを生み出すという意味合いは含まれていません。

お客さまの前で要望を聞いた人間が、その場でシステムを実装して見せ、即座にフィードバックを反映する。こうした動き方をする人をFDEと定義するなら、これからのシステム開発に携わる人は全員、FDEと言えるのではないでしょうか。

これまでは開発前に何度も打ち合わせを重ねて仕様を詰めていたため、時間もかかり、紙の資料だけではお客さまも完成形をイメージしにくいという課題がありました。そこを私たちは、まず動くものをつくり、それを見せながら仕様を決めていくプロセスに変えます。実際の画面を見ながら話し合う方が、お客さまも本当はこうしたいという具体的な要望に気づきやすいんです。このAI前提の開発スタイルをリードする存在だからこそ、私たちは当ポジションを「AI駆動エンジニア」と呼んでいます。

芝木:これは新規の開発だけでなく、すでにあるシステムを改修・運用する時も同じです。例えば、ある大手電力会社の案件では、すでに動いているシステムはあるものの、仕様書などのドキュメントが一切残っておらず、何が正解かわからない状態でした。

そこで私は、現在のアプリの挙動を正しいものとして、そこからAIを使って設計書や要件定義書を逆算して自動生成していったんです。要件定義をしてからつくるという一般的な流れとは完全に真逆ですよね。単にAIでコーディングを効率化するのではなく、開発のプロセスそのものを再定義していく。私たちのやり方もこれが完成形ではなく、AIの進化に合わせて常に変えていくつもりです。

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業務にシステムを合わせる「AI駆動開発の内製化支援」

― AI駆動開発への関心はますます高まっていますが、貴社は「AIネイティブSI」として具体的にどのような強みを打ち出していくのでしょうか。

福田:私たちが徹底的にAIを活用した開発手法にするだけでなく、「お客さま自身がAI駆動開発をできるようになるための内製化支援」を主軸に置いています。

AIの性能がこれだけ向上した今、お客さま自身がAIを使って開発できる領域は確実に広がっています。私たちはそのノウハウをすべてお客さまに伝えていきたいと考えています。もちろん、本番環境のセキュリティやガバナンスを維持しながらAI駆動開発を運用するのは、本来とても難しいことです。そこを私たちが突き詰めた上で、お客さま側も高いレベルを保ったまま内製化できるよう伴走することに、私たちの大きな価値があります。

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芝木:お客さまはコードの書き方は分からなくても、自社の業務(ドメイン知識)に関しては誰よりも詳しいプロです。AIへの適切な指示出しさえできれば、実務に必要なものは自分たちの手でつくれてしまいます。だからこそ、私たちはシステムを渡して終わりにするのではなく、「お客さま自身でメンテナンスしていける仕組み」を整えることを重視しています。

先ほどのSMBCさまのプロジェクトでも、現場の皆さんが全員システムに明るいわけではありません。そのため、後からでもAIを使って簡単に保守やドキュメント生成ができるような設計でアプリを構築しました。システムを提供するだけでなく、その後の運用のための「育成の仕組み」までセットで整備しています。

― 顧客の自走を支援しているのは、どのような思いがあるからですか?

福田:日本のITは長年、外部への依存度が高く、それがDXを阻む大きな一因になってきました。これまでのパッケージ製品やSaaSの導入は、欧米の標準的な仕様に自社の業務を合わせる必要があり、日本企業独自のきめ細やかな業務プロセスとは折り合いがつけにくいという課題があったんです。

しかしAIであれば、日本企業の強みである独自プロセスを活かしたまま、システムを柔軟にカスタマイズして内製化できます。外注依存を脱却し、日本企業の競争力をもう一度引き上げる。そんな支援をすることに、私たちの新会社としての存在意義があると考えています。

AI-Readyなデータ基盤を整える。顧客を自走へ導く伴走へのこだわり

― 逆に現時点で苦労されている部分や、乗り越えるべき壁はどこにありますか。

福田:私たち自身の技術的な問題というより、お客さまの社内環境に最先端のコーディングエージェントを導入する際の難しさですね。大企業の厳しいセキュリティ基準をクリアして導入を認めてもらうのが、日本の企業ではなかなか一筋縄ではいかないケースが多いです。

芝木:また、なんとかツールを導入できても、現場で使いこなせないという壁にぶつかります。その背景には、これまでの資料やデータがそもそもAI前提で作られていないという根本的な課題があります。人間が読みやすい資料とAIが読みやすい資料はまったく別物です。人間にとって見やすいリッチな図や複雑な表を用いたPDFやパワーポイントは、AIにとっては構造を理解しづらく、非常に読みにくいデータになってしまいます。

そのため、私たちはデータの持ち方から意識を変えていただくアプローチをしています。例えば、定例会の資料はお客さまにパワーポイントを使わず、コードから自動生成したものをお見せしています。あらかじめAIが解釈しやすい形でデータを保存しておけば、読む人に合わせた形式で瞬時に出力できる実例を体験していただくためです。もちろん、最初からすべてを完璧にAI対応にするのは不可能です。ですから、AIが読み込めない複雑な図などは割り切り、その部分だけ人間がチェックする。こうした現実的なアプローチを重ねながら、お客さまと一緒に「AIが活用しやすいデータ基盤」を整えています。

― お客さまが自走できるようになるために、具体的にはどのような支援をされているのでしょうか。

福田:お客さまを「自分たちでAI駆動開発ができる状態」へ引き上げるため、段階的な支援パッケージを用意しています。まず現状を「アセスメント」し、次に「ワークショップ」で全体の知識水準を引き上げる。

その上で、エンジニアが現場に入って一緒に手を動かし、AIの実力を「体感」していただきます。その後はお客さま主導で進めてもらい、私たちは横でサポートに回る。このステップを1つずつ踏むことで、最終的な自走を目指します。

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芝木:結局、AIは自分で使ってみないと本当の解像度は上がりません。解説動画を見るだけで満足せず、組織全体に「日常的に使う文化」を根付かせることが重要です。

そのため、お客さま先のエンジニアに伴走する際は、ペアプログラミングのように隣に寄り添う形をとっています。実際に手を動かすのはお客さま自身で、私は指示出しをサポートし、小さな成功体験を自分で積んでもらうんです。

プロンプトのテンプレートを渡すだけでも意味がありません。AIは同じ指示でも違う答えを返すため、返ってきた出力にどうリアクションするかは実践でしか身につかないからです。人と対話するようにAIの特性を理解し、アプローチを変える。表面的な情報だけで語るのではなく、この「泥臭い実践の繰り返し」こそが、内製化への唯一の近道だと感じています。

人の仕事は、AIを束ねる「オーケストレーター」になる

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― 今後、FDEというモデルや役割は、システム開発の現場にどう定着していくと思われますか。

芝木:最終的に人間がやるべき仕事は、複数のAIエージェントにそれぞれ役割を与えて指示を出し、全体を束ねる「オーケストレーター(総指揮者)」になっていきます。

そう考えると、「FDE」という言葉にどこか“今さら感”もあるんです。AIを活用して圧倒的なスピードで開発を進めるのはこれからの当たり前であり、最終的に人間の役割はそこ(フロントでの実装作業)だけに留まらなくなるからです。「FDE」という職種名も、過渡期である今だけの言葉なのかもしれません。

福田:私としてはこうしたドラスティックな変革の過程を楽しみに思っていますし、新会社として、この「AIネイティブSI」という新しい開発スタイルの先頭を走りたいと考えています。

— 最後に、求職者の方へのメッセージをお願いします。どんな方がマッチし、どんな経験ができそうでしょうか。

福田:私たちは今、AI駆動開発のプロセスやフレームワークをまさにゼロから構築しています。今後、AI駆動開発が当たり前になる世界に向けて、その先陣を切って最先端のノウハウを体得できるのは、立ち上がったばかりの新会社だからこその特権です。

芝木:AIの登場で学習のハードルが下がった今、重要なのは過去のスキルセット以上に「どれだけAIと真摯に向き合えるか」というマインドやレジリエンス(しなやかさ)です。これまでのキャリアに誇りを持っている方こそ、変化を拒んでしまうのは非常にもったいないと感じます。

― 変化の最中にある今、これまで培ってきた経験やスキルが通用しなくなるのでは、と不安を感じている方もいるかもしれません。

福田:決してそんなことはありません。AIが出力したコードをレビューし、最終的なシステムの品質を担保するのは、どこまでいっても人間の役割だからです。今まで培ってきた大切な土台があるからこそ、AIを正しく使いこなすことができます。過去の経験の上に新しいやり方を乗せていく。そんな前向きなキャリアに挑戦してほしいですね。

芝木:本当にその通りです。特に、システムを安全に本番運用するためのプラットフォーム設計や、全体を俯瞰したアーキテクチャの構築は、どれだけAIが進化しても、エンジニアとしての経験と知見がなければ絶対に不可能です。AIに的確な指示を出すためにも、みなさんが培ってきた開発ナレッジこそが、これから最も求められる強みになります。

つまり、次の時代を勝ち抜くためのアドバンテージは、すでにみなさんの中にあるんです。あとは、その確かな土台の上に「AI前提の新しいやり方」を取り入れるだけ。これまでの経験を活かして自らをアップデートし、次世代の開発スタンダードを私たちと一緒につくり出していける方の挑戦を、心からお待ちしています。


Exa Frontier Edgeでは、AI駆動エンジニア/FDEを募集中です

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Exa Frontier Edge/エクサウィザーズでは、AI駆動開発の最前線を担う仲間を募集しています。関心のある方は、以下の求人票をチェックして「いいかも」を押し、関心を伝えてみましょう。

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福田 政史さん
株式会社Exa Frontier Edge 代表取締役

新卒でドイツのERP大手SAP社に入社し、ITコンサルタントとして20年の経験を積む。データベースやOSなどのインフラレイヤーから、アプリケーション、ロジスティックス、会計のコンサルタントチームのマネージャーやプロジェクトマネージャーなど、様々な役割を担当。AI開発プラットフォーム「exaBase Studio」の事業開発、プロフェッショナルサービス管掌の執行役員、エンタープライズ向け組織のユニット長を経て、2026年4月にExa Frontier Edgeを設立。

芝木 裕平さん
株式会社Exa Frontier Edge ソリューションアーキテクト

2016年より金融業界でのシステム開発に従事。大手銀行でのAWS基盤構築、モバイルアプリ開発、ローン基幹システムの要件定義・設計・開発・運用を担当。FISC安全対策基準や非機能要求グレードに準拠したシステム開発の豊富な経験を保有。2019年〜2021年にIT企業のベトナム法人の代表として海外事業を統括。開発・プロジェクト管理・会社運営を一手に担当。2025年にエクサウィザーズへ入社し、エンタープライズ企業を対象にAIを活用した業務効率化の仕組みづくりを推進する。