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インタビュー

進路指導室に眠る社会課題を、プロダクトで解決する。ハンディが挑む教育インフラづくり

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ハンディ株式会社

あらゆる業界で人手不足が深刻化する時代に、「高校生の新卒採用」ニーズが急速に高まっています。実際、2026年卒の高卒採用の求人倍率は3.69倍と過去最高水準を記録しており、就職に対するイメージも変わりつつあります。こうした中、全国的に導入が進んでいるのが、ハンディ株式会社が手掛ける高校生向け求人票管理システム「Handy進路指導室」です。

2021年にリリースされたこのプロダクトは、高校の進路指導につきものだった紙の求人票の管理やデータ入力をAIとOCRでデジタル化し、先生の業務負担も大幅に軽減。リリースからわずか5年で全国2,500校以上で利用されており、先生が生徒の未来に向き合う時間を増やすことに成功しています。

教育現場の“知られざる社会課題”に着目し、事業を立ち上げた背景とは何だったのか。どのような開発思想でプロダクトを育んできたのか。CEO太田さんとCTO田中さんのお二人にお話を伺います。

プロフィール

太田 靖宏さん

代表取締役 / CEO

リクルートでホットペッパー創業期からさまざまな役割を担い、営業部長に任用。その後、スタジアムを創業し、エクサウィザーズへのM&Aを経て、2023年ハンディ社を起業。

田中 郁さん

CTO

博士号取得後、日系メーカーを経て、リクルートAI研究所(Megagon Labs.)にてリサーチエンジニアとして画像AI・文書AI・実世界データ収集などのプロジェクトで研究開発から事業接続までを担当。2023年12月よりハンディ株式会社CTOに就任。AIなどの先端技術に取り組みながら、Handyをこれまで以上に支持されるサービスにしていくことを使命としている。

進路指導には“負のレガシー”が根付いていた

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―― まずは「Handy進路指導室」を立ち上げた経緯について教えてください

太田:私は前職時代、オンライン面接システムの開発・拡販を手掛けていました。しかし、その最中に新型コロナウイルスが世界的に流行し、高校生の就職活動にもオンライン面接が導入され始めたんです。

それをきっかけに、高卒新卒の就職市場や学校現場の実態について調査を始めました。すると、高校の進路指導にはさまざまな負が存在することが分かってきました。特に驚いたのが、今なお紙を前提とした業務が数多く残っていることです。

高卒求人は、年少者保護の観点から国が情報解禁日を定めています。そのため、7月1日の解禁日になると、多い学校では4,000〜5,000枚もの求人票が企業から一斉に届きます。

先生方はそれらを手作業でファイリングし、さらにハローワークや教育委員会への報告のためにデータ入力も行わなければなりません。繁忙期には夜遅くまで残業することも珍しくなく、生徒たちはその紙の求人票を見ながら進路を決めていました。

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また、「求人票の持ち出し禁止」という運用をしている学校も多く、生徒が自宅でじっくり検討できないという課題もありました。さらに、「指定校求人」と呼ばれる特定の高校にのみ案内される求人も存在し、学校や地域による情報格差も生まれていました。

このように明確に課題が存在する一方で、それらの課題解決に本格的に取り組むプレイヤーはほとんどいませんでした。そこで私たちは、「紙で届く求人票をデジタル化する」という観点から新規事業の立ち上げに取り組み、アイデアを掘り下げていく中で、「地域や学校による情報格差をなくし、高校生たちの未来の選択肢を広げたい」というビジョンが生まれました。

さらに、初期構想の段階から埼玉県の高校で進路指導を担当されていた現役の先生にも協力いただきながら、学校現場で本当に使われるプロダクトを追求しました。そうして誕生したのが、「Handy進路指導室」です。

7月1日の膨大なリクエスト数は、現場ニーズの証

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―― 明確な課題がありながら、これまで十分に解決されてこなかったのはなぜなのでしょうか

太田:先生方が課題を放置していたわけではありません。むしろ現場からは長年にわたって改善を求める声が上がっていました。ただ、その声に対して国も民間企業も十分に応えられてこなかった。その結果として、課題が残り続けていたのだと思います。

実は、高校を卒業して就職する生徒は年間15万6,000人ほどいて、新卒採用全体の約4分の1を占める非常に大きな市場です。しかし、生徒たちは平均すると2〜3社程度の選択肢の中から就職先を決めており、その多くが最初に受けた企業で進路を決定しているのが実態でした。

もちろん、多くの先生方は生徒一人ひとりと真剣に向き合い、「この会社が合うのではないか」と熱心に指導されています。しかし、担任業務や進路指導に伴う膨大な事務作業に追われる中で、生徒がより幅広い選択肢に触れられる環境づくりまで手が回らないという現実もありました。

実際に先生方へ「Handy進路指導室」をご提案すると、「こういうサービスをずっと待っていた」「まさに現場が欲しかったものだ」といった声を数多くいただきました。現場には確かなニーズがあったのだと思います。

田中:「Handy進路指導室 就職版」は現在、2,500校以上でご利用いただいていることもあり、開発チームも高卒就職市場ならではのニーズとダイナミックさをひしひしと感じています。例えば、高卒求人は毎年7月1日に一斉解禁されるため、その直後の2〜3週間は1年で最もアクセスや要望が集中する時期になります。

この期間は先生方からの要望にどれだけ迅速に応えられるかが重要で、対応次第で満足度やプロダクトへの信頼が大きく変わります。エンジニアにとっても、まさに腕の見せどころです。

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―― 解禁シーズンのリクエストはどの程度になるのでしょうか

田中:この時期は文書解析のリクエスト待ちが瞬間で約2万件を超え、2週間で約300万件のレコードが追加されます。こうしたリクエストはAIを使って処理していくのですが、メンバーは各々の技術力と創意工夫を駆使して、最長でも1時間程度で解析完了を目指します。そのため通常のスプリントを一時的に止め、システムの安定運用と性能確保を最優先にしつつ、先生方からの要望で対応可能なものは即座に形にし、ユーザー満足度の向上にも努めています。

限られた時間の中で大量のデータを処理し、先生方へ迅速に価値を届けるためのアーキテクチャ設計やスケーリングを考えるのは、技術的にも非常にチャレンジングです。社会的なインパクトの大きいサービスでありながら、エンジニアとして純粋に技術を楽しめる環境でもある。その両方を味わえるのは、ハンディならではの面白さだと思います。

立ち上げ期こそ、現場のリアルな課題に耳を傾けるべき

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―― こうした現場ニーズに応え続けた結果、「Handy進路指導室」就職支援版はローンチからわずか5年で高校生の就職希望者の70%以上をサポートされています。こうした急成長を実現するうえで、意識されていたことはありますか

太田:私たちは新規事業を立ち上げる際、「やりたいこと」「やれること」「世の中が求めていること」の3つが重なる領域にこそ、大きな価値が生まれると考えています。

その点で、「Handy進路指導室」にはプロジェクト発足当初から大きな可能性を感じていました。オフショア開発チームを活用することでプロダクトを形にできる見通しがあり、さらに300名規模の営業アウトソーシング組織を有していたため、拡販にも十分な勝算がありました。

加えて、学校現場との継続的な対話を通じて、このサービスは必ず必要とされるものになるという確信も持っていました。

そして最後に問うたのが、「これは本当に自分たちがやりたいことなのか」ということです。

高校生が希望を胸に社会へ羽ばたいていく中で、「高卒新卒の就職」は人生を大きく左右する重要な選択です。もし全国の若者により多くの選択肢と可能性を届け、日本の未来を少しでも良い方向へ変えていけるのであれば、それは私自身のキャリアの集大成を懸けるに値する仕事だと思いました。

だからこそ、単なるDXや業務効率化にとどまらず、高校生の未来そのものを支えるインフラをつくるつもりで、この事業に取り組んできました。

―― 昨今、教育DXが進んでいるとはいえ、学校現場にはまだアナログな印象もあります。校務改革を進めるうえでの難しさもあったのではないでしょうか

太田:もちろんです。今でも「紙で運用するのが伝統だから」「紙には紙ならではの温かみがある」「デジタルだと求人票を何枚も並べて比較しづらい」といった声をいただくことがあります。

ただ、そうした声に対して正論だけをぶつけても、社会は変わりません。大切なのは、先生方と丁寧にコミュニケーションを重ねながら、本当に使いやすいプロダクトへと改善を続けること。そして、持続的に収益を生み出せる事業として育てながら、少しずつ社会を変えていくことです。それが私たちの考える変革のあり方です。

―― そうした学校現場の実態は、開発にも影響しているのでしょうか

田中: 私が初めて学校を訪問した際、営業メンバーがベテランの先生に機能説明を行い、「このボタンを押してみてください」とお願いしたところ、その先生が固まってしまったことがありました。

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―― 固まってしまうほど難しい操作だったのですか

田中:いえ、画面上のボタンを一つ押すだけです。ただ、「失敗したらどうしよう」「今までの業務とどうつながるのか分からない」といった不安があったのだと思います。エンジニアにとっては当たり前の操作でも、ユーザーにとってはそうではない。その光景は非常に印象的でした。

この経験から、機能の豊富さよりも「先生が直感的に使えるか」を徹底的に考えるようになりました。また会社全体の取り組みとして、営業だけでなくエンジニアも積極的に学校を訪問し、ユーザーインタビューを行っています。現場のリアルな声を直接聞きながらプロダクトに反映していくことが、教育領域では特に重要だと考えています。

事業も、プロダクトも、さらに面白いフェーズへ

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―― 先ほど「単なる業務効率化に留まらない、インフラを目指す」といったお話がありましたが、プロダクトを開発・設計するうえでこだわった点などはありますか

太田:私たちは当初から、「大義のあるプロダクトをつくる」という考え方を大切にしてきました。ただ一方で、現場の先生方にとって重要なのは大きな理念そのものではなく、「今やっている業務の負担が半分になる」といった具体的な価値です。

そのため、サービス開始以来一貫して、先生方が「面倒だ」「大変だ」と感じる業務を、いかにシステムで置き換えられるかを開発の中心に据えてきました。振り返れば、このフェーズは開発チームにとって最も地道で、試行錯誤の連続だったと思います。

田中:「Handy進路指導室」の機能開発では、①生徒向け、②先生向け、③企業向けの順で優先順位を付けています。このプロダクトの主役は生徒であり、先生はその挑戦を支える存在です。まずは学校向けの価値提供を最優先にし、そのうえで生徒・先生・企業の三方良しの実現を目指しています。

また、どの学校の先生も共通して強く意識されているのが、生徒の安全とプライバシーです。そのため、「生徒情報を二次利用しない」といった信頼性の担保は欠かせません。今後AIを活用したサジェスト機能やレコメンド機能を開発する際も、透明性や説明責任を十分に考慮する必要があります。

太田:こうした開発チームの努力のおかげもあり、導入校数は着実に増加し、就職版に続いて昨年には「Handy進路指導室 進学版」をリリースしました。さらに今年1月には「Handy進路指導室 専門学校版」も展開しています。

専門学校版もリリースから半年ほどで500校以上への導入が決まり、市場において一定のポジションを確立することができました。

今後当社にジョインしていただく方には、単に機能を開発するだけでなく、「世の中を変える」という実感を持ちながらプロダクトづくりに取り組んでいただけると思います。事業としても、プロダクトとしても、非常に面白いフェーズに入っていると感じています。

―― 開発サイドは、こうした事業成長の勢いをどのように感じていますか

田中:これは私自身が入社を決めた理由にもつながるのですが、やはり成長を続けるプロダクトにエンジニアとして関われることは大きな魅力です。

ありがたいことに、ハンディはCEOの太田やCOOの前澤を中心に事業開発や営業体制が年々強化されており、継続的な成長が見込める環境があります。その中でエンジニアが技術を磨き、プロダクトの価値向上に貢献できれば、その成果が事業成長としてダイレクトに返ってくる。やった分だけ事業が伸びる実感を持てるのは、とても面白いですね。

ただAIを使うのではなく、「AIでプロダクトを成長させる」という価値観

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――よろしければ現在の開発組織の特徴も教えていただけますか

田中:現在は、「Handy進路指導室」の就職版、進学版、専門学校版という3つのプロダクトごとに開発チームを配置しています。また、私も参画するAIチームを立ち上げており、各プロダクトチームを横断して技術支援や技術検証を行っています。

プロダクト単位でチームを編成しているのは、エンジニアが受け身にならず、自ら課題を発見しながら開発を進められる環境をつくりたいと考えているからです。

私自身、リクルートAI研究所に在籍していた頃から、成長過程にあるプロダクトに携わり、ビジネスサイドと密にコミュニケーションを取りながら、「事業をさらに前進させるためにどのような技術が必要なのか」を自ら考え、探求していくことに大きなやりがいを感じてきました。

ハンディの開発チームも単に要件を実装するだけではなく、それぞれのプロダクトに対してオーナーシップを持ち、事業成果まで含めて責任を持ってコミットできる体制づくりを進めています。

プロダクトの成長とともにエンジニア自身も成長できる。そうした環境が、当社の開発組織の大きな特徴だと思います。

―― 技術スタックについても教えてください

田中:インフラにはAWSを中心に、Azure AI ServicesやGCPも活用しており、Kubernetesをベースとした構成を採用しています。全体として、かなりモダンな開発環境だと思います。

開発プロセスにおいても、Claude Codeをはじめとする各種AIツールやAIモデルを積極的に活用していますし、最近では開発管理ツールとしてLinearも導入しました。

また、ハンディならではの特徴として、プロダクトそのものにAIを組み込む機会が非常に多いことが挙げられます。

最近はAIを活用してコードを書くエンジニアも増えていますが、AIの仕組みや特性を深く理解したうえでプロダクト設計や事業戦略に落とし込める人材は、まだそれほど多くないと感じています。

私は大学院で人工知能について学び、学位取得後もAIの社会実装に取り組んできました。そのため、「とりあえずAIを使う」のではなく、「事業を成長させるために、どの課題に対して、どのAIモデルや技術を適用するべきか」といった議論を深く行うことができます。

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ハンディでは、AIを事業価値を生み出すためのコア技術として活用していきたいと考えています。だからこそ、エンジニア同士で本質的な議論を重ねながら、AI活用のあり方そのものを探究できる環境があります。

その実現につながる技術であれば、特定のスタックに固執するつもりはありません。必要であれば新しい技術を積極的に採用しますし、コストや事業フェーズとのバランス次第では、自前でAIサーバーや推論基盤を構築することも十分に検討しています。

技術選定ありきではなく、「事業価値を最大化するために最適な技術は何か」という視点で意思決定しているのが、私たちの開発組織の特徴だと思います。

――開発チームのカルチャーづくりで大切にしていることはありますか

田中:ひとつは、エンジニア一人ひとりのオーナーシップを育むことです。そのためハンディでは、基本的に「この機能のこの部分だけをつくってほしい」といった仕事の切り出し方はしません。ひとつの機能について、企画段階から実装、リリース、そしてその後の改善まで、一貫して担当してもらいます。

また、リリース時には全社に向けて「この機能は誰が担当したのか」をアナウンスしています。リリースして終わりではなく、その後のフィードバックや改善にも責任を持って向き合える体制を整えています。こうした経験を通じて、当社のエンジニアは自然とフルスタックな視点とスキルを身につけていくことができます。

もうひとつ大切にしているのが、営業サイドとのコミュニケーションを増やすことです。開発チームでは2週間に1回レビュー会を開催しているのですが、最近はそこに営業マネジャーにも参加してもらい、エンジニア自身が開発した機能を説明して営業メンバーと議論する時間を設けています。

すると、「この機能があると、こんなセールストークができるので助かる」といった、営業ならではのフィードバックが返ってくるんです。そうした声に触れることで、エンジニアも「つくること」そのものが目的ではなく、その先でどのような価値が生まれるのかを意識できるようになります。プロダクトと事業の両方を育てる視点を持ってほしいですし、それこそがハンディのエンジニアに求める姿勢だと考えています。

インフラを築いた今だからこそ、できる挑戦が無数にある

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―― 今後、「Handy進路指導室」を通してどのような価値を提供していきたいとお考えですか

太田:例えば、生徒に対しては、就職に関する情報をもっと分かりやすく届けていきたいと考えています。例えば、生徒たちは「憧れていた部活の先輩はどんな会社に就職したのか」「今どんなキャリアを歩んでいるのか」「自分に向いている仕事にはどんなものがあるのか」など、さまざまな疑問や関心を持っています。そうしたニーズに応えるため、自校のOB・OGのキャリアを紹介する「先輩図鑑」のようなサービスや、高校生向けの適性診断機能などを構想しています。

先生に対してはAIを活用したレコメンド機能など、より簡単に、生徒一人ひとりに適した進路指導ができる仕組みを提供していきたいと思っていますが、闇雲に機能を増やせば良いとは考えていません。

学校現場では複雑なシステムほど使われなくなることもあります。だからこそ、「無駄な機能はつくらない」「UXとカスタマーサクセスを徹底的に重視する」という姿勢は今後も変わらないと思います。

また将来的な話で言えば、学校ごとの就職者にユニークIDを付与し、その後のキャリアデータを蓄積・分析できるようになれば、「どのような進路選択が、その人にとって良いキャリアにつながったのか」まで可視化できるかもしれません。生徒、先生、企業の三者がより良い意思決定を行えるエコシステムをつくることが、私たちの目指す未来です。

―― 新たな分野への展開や新規プロダクトの開発も進めていくのでしょうか

太田:まずは進学領域のさらなる強化に取り組みたいと考えていますが、社会課題の解決につながる取り組みにも力を入れていきたいと思っています。例えば、2026年度からいわゆる「高校無償化」が始まりましたが、その影響で「とりあえず普通科を選ぶ」という流れが強まり、工業高校や商業高校の生徒数が減少することを懸念する声もあります。

そうした中で、現在は愛知県とも連携しながら、ものづくりに関わる仕事や企業に興味を持ってもらうための授業づくりに取り組んでいます。若い世代が地域産業や職業の魅力を知る機会を増やしていくことも、私たちの重要な役割だと考えています。

さらに、日本の企業や専門学校と、日本での就職・進学を希望する外国人材をつなぐプラットフォームの構想もあります。人口減少が進む日本において、こうした領域の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

そして個人的に強い想いを持っているのが、特別支援学校から就職を目指す方々への支援です。現在、特別支援学校などに在籍する生徒のうち、毎年2万人以上が就職を希望していると言われています。しかし、企業との接点や選択肢はまだ十分とは言えません。

私たちはこれまで、高校生と企業をつなぐ仕組みを構築してきました。その知見を生かしながら、特別支援学校の生徒と企業をつなぐ仕組みも実現できるのではないかと考えています。この領域については、収益性以上に社会的な意義を強く感じています。だからこそ、自分たちが取り組むべきテーマとして、近い将来必ず挑戦したいと思っています。

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―― 技術面に関しても、今後チャレンジしていきたい領域などはありますか

田中:技術負債の解消は継続的に進めていますが、それとは別に、エンジニアがAIをもっと自在に活用しながら開発を進められる環境をつくりたいと考えています。

例えば、Claude Codeのようなツールを活用することで、実装にかかる時間は大幅に短縮されました。一方で、今ボトルネックになりつつあるのは、仕様検討やタスク整理、レビューといった開発の前後工程です。

だからこそ今後は、コードを書く部分だけでなく、その前後のプロセスにもAIを積極的に活用していきたいと思っています。エンジニア自身も仕様策定やプロダクト改善の議論により深く入り込みながら、AIと協働して開発サイクル全体を最適化していくイメージです。

理想を言えば、「このチケットはいつ着手しますか」「誰が対応しますか」といった調整コストを極力減らしたい。現場の声をもとに優先順位が決まり、AIの支援を受けながらプロダクトが継続的にアップデートされていく。そんな開発組織を目指しています。

AIによってコードを書く速度が上がるだけでは、本質的な変化とは言えません。開発プロセスそのものを再設計し、人とAIがそれぞれ得意な領域を担いながら価値創出のスピードを最大化する。そこが今後チャレンジしていきたい領域ですね。

―― 最後に、どのようなエンジニアにハンディへ来てほしいとお考えですか

田中:やはり、プロダクトづくりに主体的に関わりたい人ですね。プロダクトを通じて事業がどう成長するのか、あるいは事業を成長させるためにプロダクトをどう進化させるべきか。そうした視点を持ちながら、エンジニアとして挑戦したい方に来ていただけたら嬉しいです。

ハンディは、既存プロダクトの成長はもちろん、これから新しいプロダクトも次々と立ち上がっていくフェーズにあります。単に開発を担うだけではなく、事業やプロダクトの方向性にも深く関わり、能力次第では早期からシニアテックリードなど責任ある立場で活躍していける環境というのは、今このタイミングだからこそのチャンスかもしれません。

また、技術力を高めたい方にとっても面白い環境だと思います。自ら技術を探究しながら、社内に蓄積された知見を吸収し、どんどん自分のものにしてほしいですね。

AIの進化によってエンジニアの働き方は大きく変わりつつあり、正直なところ、数年後に求められるスキルを正確に予測できる人はいないと思います。だからこそ、「〇〇を開発しました」という実績だけでなく、事業成長に向き合いながらプロダクトを進化させた経験や、AIと協働しながら価値を生み出した経験が、これからますます重要になるはずです。

ハンディでそうした経験を数多く積み、自分自身の市場価値やキャリアの可能性を広げていってほしいと思います。

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