難易度が高いから、面白い。「挑戦」と「改善」をスピーディーに回す、エンジニアリング組織の正体
金融・決済領域を起点に新しいプロダクトや価値創出をすることで、より便利でスマートな世界を目指すFintechカンパニー、インフキュリオン。
「Wallet Station」や「Xard(エクサード)」を軸としたBaaS(Banking as a Service)事業を中心に、事業会社が展開するサービスに金融機能を組み込むための次世代型プラットフォームを開発しています。
成長を続けるFintech市場の中でも、存在感を放つ同社の強さの根源は何なのか。
今回は、CTO 長田 嘉充氏、Xard事業部 エンジニアリングチーム マネジャー 須田 勝彦氏に、同社のカルチャーやエンジニア組織について話を聞きました。
■プロフィール
長田 嘉充(トップ写真の向かって右)
株式会社インフキュリオン BaaSカンパニー担当役員 CTO
青山学院大学理工学部卒業後、ライブドア、ビットキャッシュにて決済システムの開発、運用に従事。2012年よりベンチャー企業であるミイルにてモバイルアプリ向けAPIの開発を担当。2016年7月ネストエッグ取締役CTOとしてインフキュリオングループに参画し、2022年7月よりインフキュリオン執行役員CTOとしてプロダクト開発を牽引。
須田 勝彦(トップ写真の向かって左)
株式会社インフキュリオン Xard事業部 エンジニアリングチーム マネジャー
2020年に入社。Webアプリの設計・コーディング、ミドル、AWSアーキテクト設計、リーダー、PMとして顧客折衝など、幅広い業務に従事している。
インフキュリオンが大切にする「3つの価値観」
──はじめにお二人の自己紹介をお願いします。
長田:2021年12月にCTOとしてインフキュリオンに参画しました。企業のオリジナルPayを構築するためのサービス「Wallet Station」の開発を中心に、技術サイドの責任者を担当しています。
また銀行口座と連携できる日本初の自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」を運営するネストエッグというグループ会社のCTOも兼務しています。
須田:2020年の1月に参画し、現在はXardの開発部門全体の統括マネージャーを担当しています。
入社当時は「Wallet Station」の導入支援をするプロジェクトマネージャーを務めていましたが、2020年の11月頃に、現在のポジションに就任しました。
具体的には、開発計画や予算策定、開発部門の方向性などをリードする役割を担っています。
──インフキュリオンが大切にする価値観についても教えていただけますか。
長田:私たちが大切にしている価値観として、三つのバリューがあります。
一つ目は、社名の由来でもある「Infinite Curiosity」。尽きることのない好奇心を持って何事も探求し、何事も楽しめる機会を自らつくり出そうとすることが、私たちが最も大切にしている価値観です。
二つ目が、「Great Work, Great Team」。一人ひとりの力を結集して、チームで大きな成果を目指そうとすることを大切にする価値観です。
最後に、「Stay Trusty」。決済サービスを提供する企業として、良好な関係は信用の積み重ねから始まるという価値観も大切にしています。
難易度が高いからこそ、面白い
──本日は「Xard」についてお話いただけるとお伺いしています。具体的な事業内容について教えていただけますか。
須田:「Xard」は、企業が自社ブランドの「Visa・JCB」カードをスピーディかつローコストで発行することができるプラットフォームサービスです。
大きな特徴は、オープンAPIを活用したビジネスモデルであること。
カード発行、利用可否判定、利用履歴照会など、すべての取引をAPI化し、1つの仕組みでシームレスなサービス連携を実現しています。たとえば、自社サービスにVisa・JCBカードの決済機能をスピーディーに組み込むことが可能です。
リアルカードだけではなく、バーチャルカードの発行にも対応しており、主に自社プロダクトを持つ企業様を中心にご利用いただいていますね。
例えば、決済に使用する原資を企業様が保有している場合、「ブランドからの決済リクエストを企業様に連携する」といった機能があり、企業様で残高のコントロールをすることが可能です。
──プロダクトの意義や面白さはどこにあると思いますか?
須田:「Xard」は、まだ世の中にないサービスを生み出そうとするFintech企業やSaaS企業などに様々なお客様に利用いただくケースが多いため、そこに社会的意義や仕事の面白さを感じています。
新しいプロダクトを世に生み出そうとする企業を支えられていると実感できるため、やりがいに繋がっていますね。
──金融サービスを展開するからこその、難しさもあるのではないかと思いました。
長田:おっしゃる通り、決済サービスを提供する企業として、サービスの安定性や信頼性には非常に配慮しながら開発を進めています。
とはいえ、もちろんチャレンジをしないといけない場面もありますよ。信頼性と挑戦という両面のバランスを取りながらプロダクトの開発に携われるのは、一人のエンジニアとして、難しくもあり、得るものが多いチャレンジだと感じています。
成長を支える「ドキュメント文化」
──現在のエンジニアチームの構成についてもお聞かせください。
須田:「Xard」のエンジニア組織構成としては、アプリケーション開発、保守改善の二つがアプリケーションチームとして存在していて、その他に横断型のSREチームもあります。
年齢構成としては、20代後半のメンバーが中心で比較的若手メンバーが多いですね。
──バックグラウンドとしては、金融業界出身者の方が多いのでしょうか?
須田:金融業界出身のメンバーは意外と多くありません。どちらかというと、Go言語にチャレンジしたい方やすでに経験がある方、そしてさらに技術的な挑戦をしたいという志向を持つメンバーが多いと思います。
──チームの働き方や雰囲気は、いかがでしょうか。
須田:チームの方針で基本的にフルリモートにしているため、できるだけ非同期のコミュニケーションで効率的に仕事を進めることを目指しています。
オフラインでのコミュニケーションにこだわるというよりは、非同期でドキュメントに落とし込む文化を大切にしていますね。
雰囲気としては、何か質問があれば誰かが答えてくれるような環境ではありますし、フォローアップしてくれるメンバーもいます。簡単な勉強会や読書会なども開催することもありますよ。
──ビジネスサイドと開発サイドは、どのような関わり方をしているのですか。
長田:プロジェクトでいうと、ビジネスサイドと開発サイドがMTGで意見交換をする機会は多くあります。
また、決済関連の業界に詳しいコンサルタントに、マーケットの情報を開発メンバーでヒアリングする機会もありますし、お互いの距離は近い方だと思います。
次のチャレンジは「リリースサイクルの改善」と「データの可視化」
──開発環境についても、詳しく教えていただけますか。
須田:バックエンドは主にGo言語を使用しています。フロントエンドはReactがメインですね。
インフラはAWS。Slackでコミュニケーションをとるようにしていて、プロジェクト管理はJIRA、CI/CDはCircleCIを使用しています。
──今後、技術的な側面でチャレンジしたいことはありますか。
須田:現在、リリースサイクルを早くする取り組みに挑戦しています。
これまでの新規機能開発では、場合によっては数ヶ月同じブランチで開発を行いリリースするという、BigbangReleaseになっていました。
現在は、品質の向上を目標とし、ブランチの生存期間を短くしてリリースサイクルを早くするために、FeatureFlagの考え方を取り入れようと計画しています。
また、データを可視化する取り組みもはじめる予定です。生産性や稼働率など開発部門としてKPIを立てて、モニタリングできる仕組みを作ろうとしています。
「挑戦」と「改善」をスピーディーに回す組織
──いまインフキュリオンにジョインすると、どのような経験やチャレンジができますか。
須田:そうですね。私たちは、新しい取り組みや提案を取り入れ、常に改善を回すことで成長を目指したいと考えています。
そのため技術への知的好奇心が高いエンジニアの方に来ていただいて、どんどん新しい提案をしてもらえると嬉しいです。
「まずはやってみよう」というカルチャーがあるので、挑戦と改善をスピーディーに回す経験を積むことができるのは、エンジニアにとって大きな財産になると思います。
長田:これからのさらなる成長に向けて、価値観を組織により落とし込む必要があると考えています。組織のカルチャーづくりに興味がある方にとっては、面白いフェーズだと言えるのではないでしょうか。
須田が言っているように、技術的な興味が強い方にもぜひ来ていただきたいですね。その上で1点注意したいのは、技術が先行してしまうと、社会や顧客が求めるニーズの本質を掴めないことがあること。
私たちは、社会課題を解決するために、技術以外の顧客や組織の観点などにも目を向けながら、日々開発に取り組んでいます。
インフキュリオンは、何より「挑戦」することを応援する組織ですので、新たなチャレンジを志す人が私たちのチームに興味を持っていただけると嬉しく思います。