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インタビュー

CTOの役割は、“経営と技術を結び付ける”こと。事業成長を支える、強い開発組織のつくり方

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ポート株式会社

「世界中に、アタリマエとシアワセを。」をミッションに掲げ、就職・リフォーム・ファイナンス・エネルギーという4つの領域でマッチングDX事業を展開するポート株式会社。

就活生のためのノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」や、就活生のための企業口コミサイト「就活会議」を運営する企業としても知られています。

テクノロジーを通じてさまざまな領域のマッチングDXを推進する同社ですが、それを実現する開発組織はどのような組織づくりを進めているのか。

2022年7月に執行役員CTOに就任された斎藤卓眞さんに、組織開発において重視されていることや同社で働く醍醐味についてお話を聞きました。

■プロフィール
斎藤卓眞
ポート株式会社 執行役員CTO 兼 サービス開発部長
1988年茨城県生まれ。
大学在学中からポートの仕事に関わり、2015年に株式会社ソーシャルリクルーティング(現:ポート株式会社)に入社。
エンジニアとして研究開発やメディカル領域等の開発に従事。
2018年からWeb開発部(現:サービス開発部)の部長を務め、2022年7月に執行役員CTOに就任。

テクノロジーを武器に、「なくてはならない」を創出する

──はじめに、株式会社ポートのミッションから教えていただけますか。

私たちは、「世界中に、アタリマエとシアワセを。」というミッションを掲げています。

この「世界中に、アタリマエとシアワセを。」というミッションには、大きく三つの意味を込めています。

1.世界中に:参入する領域に制限をしない。
2.アタリマエ:なくてはならないと言われる、新しい常識を作る。
3.シアワセ:社内外問わず、全ての人に幸せを届ける。

こうした3つの意味を込めたミッションを実現するために、私たちは世界中の社会課題に向き合い、考え、そして次のアタリマエを創造していきたい。社会課題をテクノロジー×リアルで解決することで、「あったらいいな」ではなく、「なくてはならない」を創出したい。

そうした思いのもと、全ての人の幸せに貢献していきたいと考えています。

──ミッション実現のために、具体的にどのような事業を展開されているのでしょうか。

大きく4つの領域で事業を展開しています。

就職領域、リフォーム領域、ファイナンス領域、エネルギー領域の4領域です。事業拡大とともに、最近はエネルギー領域の事業も始動しています。

これらの事業領域は一見すると違う分野に見えますが、中心にあるのはユーザーと事業者の「マッチング」です。それぞれ領域は異なりますが、インターネットを介在してマッチングさせるといった点では、全て共通しています。

また、就職領域では「人材紹介サービス」も提供しており、社内のエージェントを通じて、学生の内定獲得まで支援するなど、Webでのマッチングだけでなく人が介在してサポートしているのが大きな特徴ですね。

Web上のマッチングサービスだけで完結するのではなく、その後も継続的なサポートを行うのが、私たちの強みです。テクノロジーを通じて、ユーザーと企業の新たなつながりを支援する取り組みを、さまざまな事業領域で行っております。

CTOの役割は、経営と技術を結び付けることにある

──開発チームの組織構成を教えていただけますか。

開発チームは大きく分けると、デザイナーとエンジニア、二つのグループで構成されています。

デザイナーが12名、業務委託も含めてエンジニアが40名前後、全体で50名程度の規模感のメンバー構成です。(2022年9月現在)

具体的には、バックエンドエンジニアが25名、フロントエンドが7名、マネージャーが自分を含めて4名、インフラが4名、アプリ開発者が4名という構成で、バックエンドに比重を置いています。

プロジェクトの構成比としては、「就活会議」と「キャリアパーク!」という就職領域のサービス開発に17名が携わっており、最も開発チームの貢献率が高い事業となっています。

──斎藤さんは、サービス開発部長を経て、今年の7月にCTOに就任されたと伺っています。組織開発において、重要視されているポイントがあれば教えてください。

ビジネスサイドからの要素を技術サイドとしてどのように応え、実現するか。経営と技術の橋渡しを担い、結び付けるのがCTOの役割だと、私は考えています。

CTOとして、本来は技術を優先したい。しかし、開発マネジメントの立場で考えると、「事業の要請」という制約条件があるなかでチームづくりをしていかなくてはいけません。結論として、まずは事業の成長を第一に考え、そのための開発組織の在り方を考えるようにしています。

組織モデルは、あくまでもミッション実現や事業成長のための手段です。そのため、事業に合わせて開発組織の在り方を考える必要がありますし、常に変化に柔軟に対応できるような組織であることが大切だと考えています。

特にIT業界は、テクノロジーの変化も激しく、事業モデルの再編も非常に早い業界です。それに伴い、ビジネスモデルも大きく変わることもあるため、変化に対応する力が組織に求められます。

そのため、私としては事業成長を体現できるような開発組織であること、また変化に柔軟に対応できるような組織であること、これらの2点を重要視しながら組織開発を進めている真っ最中です。

方針転換を経て、変化対応力の高い「開発組織」へと進化

──これまで開発組織はどのように変化をしてきたのでしょうか。

もともとは、小規模な事業を複数展開していたため、チームというよりは、個人が兼任しながらプロジェクト開発を行っていました。

しかし、スモールビジネスだけでは収益性が低く、レバレッジも効かない。

そこで2020年頃に「小規模なサービスを複数立ち上げるのではなく、一つの大きい事業を時間をかけて育てていこう」という会社全体の方針転換があったんです。

小規模事業からは撤退し、事業規模が大きくなりそうな領域にコミットするためにプロダクトの選択と集中を行いました。

それに伴い、開発組織もこれまでの少人数体制から、大規模なプロダクト開発に対応できるチームにシフトチェンジしていきました。

チームの中でそれぞれが専門領域を持ち、分業する。一人ひとりがプロフェッショナルかつチームにも貢献できるような組織へと変化を遂げたのです。

このように、これからも変化に柔軟に対応できる組織づくりを進めていきたいと考えています。

マネジメント環境の整備を進め、チームビルディングに注力

──いまポートにジョインするからこそ得られる経験やメリットを教えてください。

メリットとしては、純粋にモダンな技術が使えることです。

たとえば、社内で「Kubernetes」という技術を3年ほど前に導入しているほか、ReactやVue.jsをそれぞれのプロジェクトで使用しています。また、一部のプロジェクトに関してはTypeScriptを導入していたり、React NativeやFlutterの部分的な検証と実装を進めていたりするものもありますね。ポートには技術的なチャレンジができる環境があります。

各事業部で異なる技術スタックを利用しているので、個人の希望に合わせて活躍するフィールドを広げることができるのもポイントですね。

具体的には、フロントエンドのエンジニアの方がiOSのエンジニアに転身したり、サーバーサイドの方がAndroidのアプリ開発をするキャリアに転身したり、またバックエンドの方にデータ分析を担当してもらったり、など自らの領域を柔軟に越境できる環境を整えています。

ポートでは、フロントエンドからアプリ開発など、未経験のポジションにも幅広く挑戦することが可能です。専門性を高めつつも、柔軟な職域が選べるような環境だと思います。

──なぜポートでは、そのような環境を提供することができるのでしょうか。

ポートが多岐にわたる事業を展開しているからこそ、社内でさまざまな経験を積むことができるのだと思います。

一つのプロダクトやプロジェクトを中心にビジネスをする場合、ある程度職種や役割が制限されてしまうでしょう。しかし、ポートは事業領域が豊富にあるため、ある意味開発に飽きることがありません。

「職場環境が整っていて、キャリアプランを豊富に選べる環境である」という前提がなければ、メンバーは自主的に他の領域に携わりたいと思えないかもしれないですし、発言も控えるようになってしまうでしょう。そのような事態を避けるためにも、時には職種を横断した配置転換を行うなど、個人の専門性を活かすチームづくり及びメンバーを飽きさせないための環境づくりを日々心がけています。

ポートとしては“交流”も大切にしていて、勉強会を積極的に開催しているのも特徴です。フロントエンド技術勉強会、バックエンド勉強会、インフラの勉強会、アルゴリズム勉強会、TypeScript勉強会、JSの勉強会など、スキルUPが目的であるのはもちろんですが、勉強会を通じてメンバー同士の交流の機会にもつながると考えています。

週に一度は1on1も行っています。個人の要望をきちんと汲み取り、かつ適切なフィードバックをもらえる機会を作るように心がけています。

まだ私としても模索の日々ですが、心理的安全性が担保されている組織をつくることで、メンバーが毎日楽しみながら仕事をできる環境を整えたいと考えています。

目指すのは、一人ひとりが“専門領域とオーナーシップを持った組織”

──今後開発部を、どのような組織にしていきたいですか。

一人ひとりが、主体的に課題を発見し、考え、解決できる。いわゆる「自律分散型」のような組織を目指したいと考えています。

誰かの指示通りに動いて、課題が解決されるのではなく、各メンバーが自分の頭で考え、意思決定できるような自主的な視点を持つことができる仕組みを整えれば、より生き生きと働ける組織にできるのではないかと考えています。

──最後に、ポートでどういった方と一緒に働きたいかを教えてください。

色々な要望やリクエストを、入社後に届けてくれるような方ですね。

それが組織の健全性やメンバーの働きやすさなどにつながると思いますし、働きやすい環境や個人の目標に対してのサポートは惜しまずに投資したいので、ぜひどんな声でも届けてもらえるとありがたいです。

いまのポートは、新たな成長を描くフェーズにあり、そのための技術投資を積極的に進めている真っ最中です。そのため、プロフェッショナルとしてのエンジニアスキルを持った方に、事業成長を牽引していただきたいですね。

また新しい技術やチャレンジは、積極的に導入・推奨していきたいと思っていますし、新しい事業や技術に積極的に挑戦できる環境を望んでいる方にも是非来ていただきたいです。

技術的な研鑽の場や挑戦の機会は十分に用意していますので、まずは一度カジュアルにお話の機会をいただけると大変嬉しく思います。