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「自分にも話せることがある」エンジニアのアウトプットと登壇を後押しする“Speaker Bootcamp” イベント開催レポート

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ファインディ編集部

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ファインディは2026年9月15日、エンジニアが自身の経験や学びを言語化し、登壇・発信へ一歩踏み出すきっかけづくりを目的としたイベント「Speaker Bootcamp」を開催しました。

シリーズ第1回となる今回は、登壇にまつわる不安との向き合い方と、誰かの役に立つアウトプットのつくり方をテーマに、2名の登壇者によるセッションと、オープンスペース形式のワークショップを実施しました。

本記事では、当日の流れと各セッション、ワークショップで参加者から共有された気づきをダイジェストでお届けします。詳細な内容は、登壇資料もあわせてご覧ください。

エンジニアが一歩踏み出しやすい場をつくりたい

エンジニアにとって、日々の業務で得た学びや試行錯誤を外に発信することは、自分自身の思考の整理や成長につながるだけでなく、同じ課題に向き合う誰かの助けにもなります。一方で、いざ登壇や記事執筆に挑戦しようとすると、「自分が話していいのだろうか」「まだ完成していない」「こんなことはみんな知っているのでは」といった不安が生まれやすいものです。

今回のSpeaker Bootcampは、そうした不安を抱える方が、少しでも登壇やアウトプットに踏み出しやすくなることを目指して企画されたワークショップ形式のオフラインイベントです。

登壇において、舞台に立つこと自体はゴールではありません。AIの登場でタイトルやスライドは以前より手軽につくれるようになりました。しかし、だからこそ「なぜ伝えるのか」「何を伝えるのか」「どう届けるのか」という心構えと準備が、聞き手の心に残る発表になるかどうかを大きく左右します。

本イベントでは、資料作成の手前にあるこの「思考と準備」のフェーズに特化してワークを行いました。

オープニングの様子。スクリーンには「AIで『それっぽい』ものを作れる時代だからこそ、聞き手の心に残る発表を一緒に考えよう!」というスライドが映っている

オープニングでは、ファインディがこのシリーズを通じて、エンジニアが自分の「好き」や「学び」を言葉にし、コミュニティに共有していける場を少しずつ増やしていきたいという思いが語られました。アウトプットする人が増えることで、エンジニアコミュニティ全体がより盛り上がり、学びが循環していく。そんな環境づくりの第一歩として、本イベントを開催しています。

当日の流れ

当日は、まず2名の登壇者によるセッションからスタートしました。

前半では、パウリさん(@pauli_agile)が「登壇の自信を阻む3匹のおばけ」をテーマに、登壇前に感じやすい不安や迷いをどう捉えるかを紹介。後半では、いくおさん(@dora_e_m)が「誰かの役に立つアウトプットの作り方」をテーマに、アウトプットの価値や届け方について語りました。

その後、休憩を挟み、参加者同士でアウトプットや登壇について考えるOST(Open Space Technology)形式のワークショップへ。最後には各テーブルで話した内容を共有し、登壇者からのコメント、次回イベントの案内、記念撮影を行いました。

セッション① 登壇の自信を阻む3匹のおばけ

パウリさんのセッションでは、登壇に挑戦しようとする時に多くの人が感じる不安を、3つの「おばけ」として整理しました。

1つ目は、「自分なんかが話すことじゃない」「たまたまうまくいっただけ」と感じてしまう「私なんて」おばけ。これに対しては、完璧な知識を持つ人として「教える側」に立つのではなく、「やってみた人」として自身の経験を共有すれば良い、と語られました。

2つ目は、「こんなの、みんな知っているのでは」と感じてしまう「こんなの知ってる」おばけ。知っている人ほど、知らなかった頃の視点を思い出しにくくなるため、宛先を漠然とした「みんな」ではなく「1年前の自分」に置き換えることが有効だといいます。

3つ目は、「まだ完成していないから出せない」と感じてしま「かんぺき」おばけ。WIP(Work in Progress)や「個人の感想」として出すこと、40分話せそうな内容をあえて5分に圧縮することなど、アウトプットのハードルを下げる工夫が紹介されました。

「この3匹のうち、心当たりがある人?」と問いかけるパウリさんに対し、会場の参加者が手を挙げている
自身があてはまる「おばけ」に手を挙げる参加者

後半のキーワードは「N=1は、なんぼあってもいい」。

この事業で、このチームで、この立場の自分がやってみた。その組み合わせは世界に1つだけで、読む側が探しているのは型の解説より自分と条件が近い実例だ、と語られました。

セッション② 誰かの役に立つアウトプットの作り方

続くいくおさんのセッションでは、「何を発信すれば良いのか」「どうすれば必要な人に届くのか」をテーマに、アウトプットのつくり方が語られました。

「誰かの役に立つアウトプットの作り方 学びの循環に飛び込もう!」のタイトルスライドを背に、演台でマイクを持って話す小田中育生さん。手前の丸テーブルでは参加者が着席して聞いている

いくおさんは、誰かの役に立つアウトプットには、主に3つの要素があると紹介しました。

  • 誰かの課題を解決すること
  • 誰かが行動する勇気をもたらすこと
  • 誰かが新しい考え方を持つきっかけになること

これからアウトプットを始めるなら、まずは「誰かの課題を解決する」ことから。出発点は、「昨日の自分が詰まっていた仕事を、どう乗り越えたか」です。日々の業務で当たり前にやっていることや、少し前までできなかったことは、同じ課題に直面している誰かにとって十分に価値があります。

また、良い内容であっても、必要な人に届かなければ価値を発揮できません。ブログ、note、Speaker Deckなどアウトプットする場所をつくること、SNSで発信して接点を広げること、読み手に価値が伝わるタイトルをつけることなど、届けるための工夫も共有されました。

最後には、現場で学んだことをコミュニティに共有し、コミュニティで得た学びをまた現場に持ち帰る「学びの循環」についても言及。うまくいったことだけでなく、葛藤やつらさ、うまくいかなかった経験も、同じ悩みを抱える誰かにとっては勇気になると語られました。

OSTワークショップ:参加者同士でアウトプットを考える

2つのセッションの後は、OST形式のワークショップを実施しました。

OSTでは、4つの原則と1つの法則をもとに、参加者が主体的にテーマを選び、対話を進めていきます。参加者には、セッション間を行き来してアイデアの交配を手助けする「蜂」と、セッションには加わらず、リラックスしながら周囲の話を聞く「蝶」という役割も紹介され、気負わずに参加できる場づくりが行われました。

各グループでは、用意されたテーマから話したいものを選び、大きな台紙にテーマやアイデアを付箋で貼りながら議論を進行。最初の10分で自己紹介とテーマ決めを行い、その後30分のセッションに入りました。パウリさん、いくおさんも各テーブルに参加し、参加者と一緒にアウトプットや登壇について考える時間となりました。

ワークショップ中の会場。スクリーンにはOSTの進め方と「10分 自己紹介&テーマ決め/30分 セッション/10分 ネタ発表」のタイムテーブル、残り時間11分24秒のタイマーが映っている。付箋を広げたテーブルを囲み、立ったまま議論する参加者たち
チームを超えたアイデアの交換が行われた

各テーブルの発表内容

ワークショップの最後には、各テーブルで話した内容を全体に共有しました。

ネタ発表の場面。マイクを持って話す参加者の隣で、もう一人が付箋をびっしり貼ったフリップチャートを掲げている。「再現性のある」という見出しのもと、「登壇後に二次会で語ろう」「心理的ハードルを下げる」などの付箋が並ぶ
テーブルごとの発表の様子

プロポーザルもくもく会は、登壇への背中を押す

あるテーブルでは、「再現性のある登壇促進」や「登壇までの道のり」について議論されました。

結論として挙げられたのは、「プロポーザルもくもく会」の有効性です。参加者同士で壁打ちをすることで、自分の経験をメタ的に見直し、「これは価値があるのかもしれない」と気づけること。そして、プロポーザルを書き上げることで「せっかく書いたから出してみよう」と、登壇に向けた一歩を踏み出しやすくなることが共有されました。

仮に採択されなかったとしても、別のイベントに応募したり、ブログとして公開したりと、アウトプットにつなげることができます。まず書いてみる場をつくること自体が、登壇促進につながるという学びがありました。

登壇したい理由は「貢献したい」「自分の経験を分けたい」

別のテーブルでは、「なぜ登壇したいのか」について話し合われました。

登壇には、自分の成長や知名度向上といった側面もありますが、参加者から多く出てきたのは「誰かに貢献したい」「自分の経験を分けたい」という思いでした。自分のためにもなり、ほかの人のためにもなる。

自分の世界を広げながら、誰かにとって役立つ経験を共有できることが、登壇の大きな動機になるという意見が共有されました。

50点でも、まず出してみる

LTのコツについて話したテーブルでは、インターン生など初めて登壇する人でも取り組みやすいテーマの見つけ方が議論されました。

テーマ候補として挙がったのは、自分が好きなこと、熱中していること、最近取り組んでいること、一瞬でわかることなど。最初から完成度の高い発表を目指すのではなく、「50点でもまず出してみる」ことが大切だという話が印象的でした。

結論がなくても、悩みの共有は誰かの役に立つ

最後のテーブルでは、「なぜ登壇できなかったのか」「書けそうなテーマはあるのに、なぜ書かずに残してしまうのか」といった壁について議論されました。

参加者からは、テーマの方向性はありそうでも、結論や成果物がないと記事にしづらいという悩みが挙がりました。そこで共有されたのが、「同じ境遇の人に向けた置き手紙のような記事でも良いのでは」という考え方です。

「こんなことに悩んでいる」「こういう難しさがあった」と残すことも、同じ壁にぶつかる誰かにとっては価値があります。N=1の経験は尊く、コミュニティの中で話してみることで、自分ではつまらないと思っていたことにも反応があると気づける。そんな発見が共有されました。

対話から新しい視点が生まれる

各テーブルの発表後、登壇者のお二人からもコメントがありました。

パウリさんからは、セッション内で紹介した「おばけ」という言葉がワークショップ中でも使われ、各テーブルの議論が活性化していたことへのコメントがありました。前で話すだけではなく、偶発的な対話の中で共感や新しい視点が生まれることを実感した、と振り返りました。

いくおさんは、参加者同士で話す中で「ネタは出てくる」と実感できた場だったのではないか、と語りました。お互いの学びを共有することで、自分では気づかなかったことに気づき、掘り下げられる。それが登壇やブログにつながっていくというメッセージが届けられました。

小さな一歩が、誰かのきっかけになる

今回のSpeaker Bootcampでは、登壇やアウトプットにまつわる不安をどう乗り越えるか、そして自分の経験をどう誰かの役に立つ形にして届けるかが語られました。

登壇や発信は、特別な実績を持つ人だけのものではありません。過去の自分が困っていたこと、今の自分が試行錯誤していること、うまくいかなかった経験も含めて、誰かにとってのヒントや勇気になる可能性があります。

そして、ワークショップでの対話を通じて、自分では当たり前だと思っていた経験や、まだ結論の出ていない悩みにも価値があることが見えてきました。

「完璧になってから」ではなく、まずは小さく出してみる。今回のイベントが、参加者にとってそんな一歩を踏み出すきっかけになっていれば幸いです。

次回イベントのお知らせ

Speaker Bootcampは、今後も継続して開催予定です。

次回、2026年11月19日開催予定のイベントの詳細・お申し込みはこちら

speaker-bootcamp

また、関連企画として「Hello LT World」も開催予定です。好きなことや学びをテーマに、LTとしてアウトプットしてみたい方は、ぜひあわせてご参加ください。

Hello LT World

登壇やアウトプットに興味はあるけれど、まだ少しハードルを感じている方も、お気軽にご参加ください。[1]

脚注
  1. お申し込みは先着順です。定員に達し次第、受付を終了する場合があります。開催内容・登壇者・タイムテーブルは変更となる可能性があります。最新情報はイベントページをご確認ください。 ↩

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