サムネイル画像
インタビュー

「お店のデジタル、まるっと」。お商売のデジタル化を加速する、エンジニアリング組織の強さの秘密

企業ロゴ
STORES 株式会社

「Just for Fun」をミッションに、個人事業主や中小企業に向けて、店舗のデジタル化支援サービスを展開する STORES 株式会社。

2018年の設立以降、複数の会社が統合して組織の拡大と成長を続け、2023年2月に創業5周年を迎えました。

だれでもかんたんに安心して導入できるデジタル化ツールを提供することで、今も成長を続けている同社の裏側では、どのような組織づくりが行われているのか。

CTOの藤村さん、テクノロジー部門CTO室本部に所属されている小室さん、卜部さんに、事業成長において大切なことや、エンジニアからみた STORES の強み、魅力をお伺いしました。

■プロフィール

STORES 株式会社 CTO 藤村 大介さん
大学では哲学を勉強していたが、流れで業務ソフトウェアのエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、スタートアップ業界でバックエンド・フロントエンド領域でコードを書いてきた。また、マネジメントとしてチームビルディング、メンタリング、採用、技術戦略策定、クライアントとの折衝を経験。2020年より STORES 株式会社でCTOを務める。


STORES 株式会社 小室 直さん
いくつかのウェブ企業にてサービス開発エンジニアを経て開発基盤エンジニア、エンジニアマネージャなどを経験。2021年6月に現 STORES 株式会社に転職、今はエンジニアマネージャをしながら色々な基盤領域改善を楽しく進めている。


STORES 株式会社 卜部昌平さん
STORES 株式会社 テクノロジー部門CTO室本部に所属し、STORES の各サービスに横断的に関わりながら開発をしている。専門はWebバックエンド、ミドルウェア。共著『改訂2版 Ruby逆引きハンドブック』(シーアンドアール研究所)、監訳『プログラミング言語 Ruby』(オライリージャパン)

「お店のデジタル、まるっと」支援するプラットフォーム

──はじめに、STORES 株式会社の歴史を教えてください。

藤村:事業者向けの決済サービスを提供するCoiney(コイニー)とネットショップ開設を提供するサービスSTORES.jp(ストアーズ・ドット・ジェピー)が経営統合し、2018年にヘイ株式会社が設立されました。

2020年にはオンライン予約サービスのクービック、翌年に STORES ブランドアプリ の基盤となるショップフォースが加わり、2022年に社名をheyから STORES に変更しています。

STORES(旧 hey)としては5年目ですが、メンバーが一丸となって誰もがこだわりをもっと自由に発揮できる社会を目指しています。

──事業内容やプロダクトについても教えてください。

藤村:私たちは、CMなどでも「お店のデジタル、まるっと」というキャッチコピーを打ち出していて、言葉通り、サービス業や小売業等の店舗型ビジネスに必要なデジタルサービスを STORES でまるっと引き受けられるような、さまざまな事業を運営しています。

具体的には、ネットショップ開設の「STORES」、ネットショップとひとつになった新しいPOSレジアプリ「STORES レジ」、キャッシュレス決済サービス「STORES 決済」、オンライン予約システム「STORES 予約」、店舗運営・開発アプリ「STORES ブランドアプリ」、お商売のデジタル化を全体で支援できるようなビジネスを展開しています。

テクノロジーを活用して、店舗業務のデジタル化をまるっと支援したい。このコンセプトのもと、多様なサービスを大きく一つにまとめて STORES というプロダクトを開発しています。

社会情勢を捉えたビジネス

──さまざまなサービスを提供している STORES ですが、成長し続けている理由はどこにあるのでしょうか。

藤村:「社会情勢を捉えたビジネス」という点が、大きな理由の一つだと考えています。

そもそも日本のお商売には、デジタルが浸透していない。いわば、普及期なのです。

インターネット上で何かを予約するという行動やネットショップの運営、キャッシュレス決済など、お店とお客さんがデジタルを通じてつながる体験は、ここ10年ほどで浸透した新しい領域です。

あとは、シンプルにいいプロダクトを世に生み出すために、試行錯誤した成果が出ているのだと信じて、日々奮闘しています。

──さらなる成長に向けて、新規プロダクトの話をお伺いしたいです。

藤村:直近では、Google から資金調達を行うと同時に「Google で集客」機能の提供を開始しました。

Google Merchant Center(グーグル マーチャント センター)との連携を通じて、STORES のユーザーさんは無料でGoogleサービス上に商品を掲載することができます。

将来的には、Google マップとの連携や STORES 管理画面からの広告出稿など、プロダクトとの連携をより深めていきたいと考えています。

店舗業務というのは多岐に渡り、たとえばバックオフィスに近い事務作業やお店の運営に必要なオペレーション部分でも、デジタル化が進んでいない領域は多くあります。

こうした取り組みを加速させることで「STORES があるとデジタルの部分を任せられて、サービスの開発・提供に集中できる。お商売が上手くいく」と実感していただけるようなプロダクト作りを目指しています。

企業統合が生み出すエンジニアリングの相乗効果

──成長を支えるエンジニア組織の特徴について教えてください。

藤村:当社のエンジニアチームは、100人弱の組織規模です。ただ全員で一つの大規模プロダクトを開発しているわけではなく、それぞれのプロダクトの開発を担う中小規模のチームがいくつかあることが特徴ですね。

具体的に1チームの人数としては最大8人で構成されています。少し大きめのプロダクトだと、6人×2チームの体制で動いていることが多いです。

少人数体制なため小回りが利き、コミュニケーションの円滑さを考慮しているので、比較的働きやすい環境だと思います。

──ここ一年半くらいで、組織の雰囲気も大きく変化したとか。

小室:そうですね。元々は、別の企業が統合した会社ということもあり、それぞれのプロダクトによって開発スタイルが異なり、組織内の分断を感じる場面がありました。

しかし現在は、各企業が築き上げた資産を大切にしつつ、STORES として一つにまとまってきた感覚があります。

卜部:開発メンバーが増えたことで、開発体制も整えられてきましたし、STORES としての開発組織のモデルが新たに構築されてきたように感じています。

異動や組織編成を通じて、それぞれのチームの良い部分をお互いに吸収し、エンジニアリングに活かすことができる。バリューという共通言語を通じて、より強力なチームワークで、さらに良いプロダクトを開発できるようになった点は、統合によって生み出された利点だと考えています。

──組織のカルチャーにはどのような特徴があるのでしょうか。

藤村:プロダクトのユーザーにあたる「お店のオーナーさん」のためになるのか、それを一人一人が真剣に考えることができています。

要するに、ユーザーさんの立場に立って、考えることができる。ユーザーさんと真摯に向き合えるエンジニアが多いのは、組織のカルチャーの魅力の一つだと思います。

卜部:「情報をオープンにする文化」も特徴の一つです。組織の透明性が高く、フルリモートでもコミュニケーションが取りやすい組織だと思います。

──仕事環境や働き方についても、具体的に教えてください。

藤村:昨年、ハイブリッドなワークスタイルを実現するために「WORK LOCAL(ワークローカル)」という制度が導入されました。「日本全国、どこでも居住可能」「月15万円まで交通費支給」とすることで、誰でも好きな街で働くことが可能となりました。

遠方で働く人たちは、必要なときにオフィスに来て、会社で話し合うことができます。またチームによっては、定期的にミーティングをすることで、お互いをよく知り、コミュニケーションや相互理解を円滑に進めるために役立てています。

家と会社を使い分けるハイブリッドな働き方を選べるので、とても働きやすい環境だと思います。

「挑戦の余白」に溢れる環境

──エンジニア視点で、STORES の強みや魅力はどこにあると思いますか。

藤村:STORES の強みは「事業の仕組みのシンプルさ」です。

良いプロダクトを開発して、それを利用するユーザーさんの事業が伸びると、私たちの利益も増える。その利益をもとに事業に投資をすると、さらにユーザーさんのビジネスが成長する。この循環ができているので、真剣に仕事に取り組めば、自然とサステナブルな事業をつくることができます。ユーザーさんにとっても、より便利かつ快適にサービスを利用することができるのです。

またマネタイズの仕組みがシンプルなので、その分プロダクト開発に集中できるのが、私たちの強みでもあります。

STORES のプロダクト開発に真摯に向き合うことと、ユーザーさんのお商売を大切に考えることとは、矛盾しない。ユーザーさんの事業成長と、私たちの事業成長はお互いに繋がっているのです。

卜部:藤村の言う通りです。加えて「経営陣とエンジニアのコミュニケーションが円滑なこと」も魅力の一つですね。

経営陣もエンジニアリングに知見がある人が多く、合理的な判断をできる人が多い。何に投資をすると、どういったレバレッジが効くのかということを、身を以て理解しているのだと思います。

長期的な生産性を上げるために、プロダクト開発に時間を使い、資産を積み上げていくこと。それが重要だという共通認識を、全員が持っています。

──ビジネスの面白さや難しさは、どこにありますか。

小室:STORES のプロダクトは、歴史を重ねてきた事業であるために古いシステムが存在しています。そのため、古いシステムを改善しながら、価値を生み出し続けるための工夫が必要です。

ユーザーさんがいるので、既存システムの古い部分をいかに新しく改善していくかという作業が難しさであり、面白さの一つですね。

卜部:すでに多くのユーザーを抱えるプロダクトが複数あり、他のスタートアップと比べても、比較的大きいサービス開発を経験できるのも面白いポイントです。

同時に、まだまだ成長過程にあるので「挑戦の余白」に溢れているやりがいのある環境だと思います。

STORES が求めるのは「何かを深く追求している人」

──採用をするうえで、見ているポイントがあれば教えていただけますか。

藤村:社会的意義があり、会社に利益をもたらしながら、サステナブルに成長することができる。そんな「意味のある事業」をエンジニアリングで実現したい人には、とてもフィットする環境です。

小室:ユーザーさんに対する貢献の気持ちは、STORES で一緒に働く中で、自然と育まれていくものです。なので、まずはカジュアルにお話ができると嬉しいです。

開発言語についても、STORES といえば、RubyやRailsのイメージがあるかもしれませんが、採用における必須条件ではありません。STORES の中でも Java や Go で作られたシステムはありますし、採用の可能性は十分にあるので、ぜひ応募していただけるとありがたいです。

──最後に、STORES に転職を考えているエンジニアの皆さんにメッセージをお願いします。

藤村:STORES は「Just for Fun」をミッションに、こだわりや情熱、たのしみによって駆動される経済の発展に寄与することを目指しています。

私たちは、こだわりや情熱でモノをつくる方々のファンであり、その方たちが生み出す商品・サービスをもっと世の中に広く届けたい。だからその情熱やこだわりの部分に集中できるように、STORES は他の領域をまるっと引き受ける、という世界観を実現したいのです。

私自身も「お店でデジタルを、まるっと」を本当の意味で体現できるようなプロダクトを作りたいと考えていますし、とても面白いかつ意義があるビジネスだと考えています。

そうした想いに共感いただいた方に、興味を持ってもらえると嬉しいですね。

小室:まだまだ開発しないといけないものが沢山あるので、業務を推進していく力がある人に来ていただけると嬉しいです。また別の個人的な気持ちとしては、技術力で物事を推し進めていく人たちがいると、エンジニアとしてとても面白いので、ぜひ一緒に働きたいですね。

卜部:私は逆に、現在のレベルには重きを置いていないため、伸び代を重視するタイプです。仕事をするなかで、お互いに影響を与え合い、ともに成長していきたいと考えています。

藤村:最後に付け加えるとするならば、偏った異常なこだわりで、何かをやり込んでいる人に来て欲しいです。

技術的なことでも、それ以外でも、何かを深く追求している人は、その能力を他の領域にも横展開できるでしょう。それを事業にどう活かせるかを考えるのは、CTOである私の役割です。

「自分の特異な技術が、何に役立つかわからない」くらいに考えている方にきてもらえると、私としてもやりがいがあり、面白いですね。

理想とするエンジニア像は、決して統一しているわけではなく、多様なタイプがあっていいと考えています。まずは、カジュアル面談で気軽にお話できると嬉しく思います。

STORES の歴史詳細はこちら:https://www.st.inc/5thstores