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「Devinはシニアエンジニアになれるのか?」Cognition AI 共同創業者 Walden Yan氏に聞く15の質問

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Cognition AI / Co-founder / CPO

Walden Yan

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2025年7月26日、AIエージェントユーザー会(AIAU)主催の「Devin Meetup Tokyo 2025」が開催されました。

昨年、自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」を一般公開し、世界中の開発者に衝撃を与えたCognition AI。今回は同社の共同創業者兼CPOのWalden Yan氏(@walden_yan)が来日し基調講演を行い、Devin誕生の経緯から、先日発表されたコードレビューツール「Windsurf」の買収、そして両者が融合した未来のビジョンを語りました。

また、質疑応答では、参加者から多岐にわたる具体的な質問が寄せられ、大変な盛り上がりを見せました。そこで本記事では、その質疑応答の様子をお届けします。基調講演を含むイベント本編は、主催が公開しているアーカイブ動画でも視聴できます。あわせてご覧ください。

Devinの進化とAIエンジニアリングの未来

Q. 今後3年でDevinはどのように変わるとお考えですか。将来的にはどのような存在になってほしいでしょうか。

A. とても良い質問ですね。振り返ってみると、3年前にはGitHub Copilotが登場し、その当時はみんな「これがLLMが得意とすること」と考えていました。その後まもなく、複数の補完候補を生成するアイデアが出てきて、さらにAIを中心としたIDEを構築するという考えが生まれました。そして今では非同期エージェントが登場しています。このように、後もインターフェース面で多段階の進化が続くと思います。

私が特に楽しみにしているのは、AIエージェントがユーザーの作業履歴やコードベースを記憶できるようになることです。そうなれば「会社に入りたての新人」レベルではなく、「1年以上一緒に働いた同僚」のように振る舞えるはずです。

学習期間が長いほどAIの能力は高まりますし、それに合わせてUIもさらに改善していく予定です。将来的には、より大規模なタスクを任せられるようになると考えています。

質疑応答で挙手する参加者
▲ 時間内に答えきれないほどの質問が寄せられた

Q. Devinが既にジュニアレベルのタスクをこなせるなか、ジュニアエンジニアは今後どのようなスキルを身につけ、どの方向へ成長すべきでしょうか。

A. AIを活用し、自分自身でアプリケーション全体を最初から最後まで作り上げてみてください。その過程で、アプリケーションのアーキテクチャやプロダクトに関する意思決定を学ぶことが重要です。こうした知識や実践経験が今後ますます重要になってきます。アプリケーションを包括的に作り上げるプロセスを習得し、プロダクトの良い意思決定を下せるようになることが大切です。

Q. 4月にScott(CognitionのCEO)とRussell(同社President)が来日した際、「年内にDevinをシニアエンジニアのレベルに引き上げる」という目標を掲げていました。これを達成する上で、現在直面している最大の課題は何でしょうか。

A. Devinをシニアエンジニアのレベルに引き上げるためには、さまざまな課題がありますが、おそらく最大の課題は大規模なコードベースを正確に理解する力です。次に重要なのが、作業中に利用できるワーキングメモリです。この2つの能力を組み合わせることが非常に重要だと考えています。

また、必要なときに適切な質問ができる能力も重要です。人間であれば、何か分からないことがあれば同僚に尋ねる必要がありますが、AIはしばしば、自分がすべてを知っているかのように振る舞います。そのため、優れたコラボレーターになるためには、「いつ助けを求めるべきか」を理解し、「適切な方法で質問する」能力が欠かせないと思っています。

Q. AIがより長いコンテキストを扱えるようになるにつれて、より多くの人が複雑なものを作れるようになってきました。今後、AIの進化に伴い、Webアプリ以外にどのような成果物がAIで生み出されるとお考えですか。

A. 私たちもその一部に取り組み始めたばかりですが、AIエージェントがさまざまなプラットフォームと連携できるような仕組みを誰でも作れるようになり、大きなチャンスが広がるでしょう。

例えば、MCPやその他の連携機能を使って、DevinがiOSアプリを開発できるようになるかもしれません。実際にDevinをロボットと連携させた事例もあります。これらは遅くとも10年以内、私の予想では3~5年以内には実現すると考えています。

Q. 今後、他のエディターやAIツールと競合する道を選ぶのでしょうか?それとも協力していく方向でしょうか?

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