2025年11月28日に開催されたオンラインイベント「Claude Code はじめてガイド -1時間で学べるAI駆動開発の基本と実践-」。同イベントではOikon(@oikon48)さんをお招きし、Claude Codeの基礎的な仕様理解から、チームでの活用実践に至るまでを掘り下げてお話しいただきました。
当日は1,500名以上の申し込みがあり、ご参加いただいた方々からは「体系的に学べた」「独学では触れられなかった実践的な内容を知れた」と好評で、チャット欄・Xともに大変盛り上がりました。また、多くのご質問も寄せられ、イベント中に可能な限り回答していただきましたが、時間の関係で回答しきれない質問も残りました。
本記事では、通常そのまま終わってしまうことが多いこうした未回答の質問について、登壇者のご協力のもと、イベント後に回答いただいた内容をお届けします。
イベント参加者の皆さまはもちろん、当日参加できなかった方も、ぜひ本編のアーカイブ動画と併せてご覧いただき、Claude CodeやAI駆動開発におけるヒントを見つけていただければ幸いです。
※質問文は内容に影響を与えない範囲で、一部表現を調整しています。
Q&A
導入・環境設定について
Q. ClaudeのTeamプランは活用しているのですが、Claude Codeは導入がまだです。初期導入に最適な資料などはありますか?
A. 12月5日に発売される平川さん著の『Claude CodeによるAI駆動開発入門』が参考になります。(回答時点では発売日前ですが、恵贈いただき既に目を通しました)
Q. 社内での活用を目指していますが、英語UIに抵抗がある方が多いです。日本語UIが実装されることがありそうか、Oikonさんの見解をお伺いしたいです。
A. Claude Codeの日本語UIは実装されないと思います。おそらく多言語対応はAnthropicにとっては本質的ではないと思うからです。
チャットの応答言語は、CLAUDE.mdで日本語に変更するよう指示できます。
Q. CLIならプロジェクトをまたがって使えるという認識で合っていますか?
A. CLIツールでプロジェクトをまたがることも可能ですが、基本的にはプロジェクトディレクトリ内でClaude Codeを起動することを推奨します。 仮にホームディレクトリで起動すると、ホームディレクトリ以下に対してClaude Codeが変更を加えられるようになってしまいます。
また、セッション再開などの起動ディレクトリ単位で管理されているため、プロジェクトディレクトリで起動し、必要に応じて/add-dirコマンドで他のプロジェクトディレクトリを追加する方が良いです。
Q. FormatterまでClaudeにやらせるのはコンテキストに残すためですか?保存時の自動フォーマットをIDEで設定すれば良いかと思っていました。
A. FormatterをClaudeのHooksの仕組みに入れるメリットは、IDEだけでなくターミナルでの使用時もフォーマット処理を走らせることができるためです。IDEのみで編集するのであれば、IDEの保存時の自動フォーマットで設定するので問題ないと思います。
Q. VS Code上に表示されている使用量などの情報(画像の赤枠部分)、良いですね。どのように表示させているのでしょうか?

A. Claude CodeのStatusline機能を使用しています。
デモのときに使用していたのは、ccusageのStatuslineを少しいじったものです。
Q. ご発表時のブラウザタブで表示しているスライドと、デモを実行している環境の構成を教えてください。
A. スライドは「Slidev」を使用しています(localhost:3030)。画面分割は、Macの画面拡大機能を使い、ブラウザ(Slidev)とVS Codeを並べて表示していました。

イベント当日の様子。スライドとVS Codeを並べてデモも含めてご発表いただきました。
AIモデル・ツールの使い分け
Q. 計画から実装まではClaude、テストやレビューはCodexを採用しています。このような使い分けはされていますか?
A. 私もCodexを使用しています。Codexは全体設計を見るのが得意な印象があり、プランニングやレビューを任せることが多いです。特にレビューは複数のAIモデルで行う方が良いと考えています。
Q. GitHub Copilot経由でClaudeを使うのと、Claude拡張機能でClaudeを用いるのでは、どのような違いがあり、どちらがおすすめですか?
A. GitHub CopilotでClaudeモデルを使うのと、Claudeの拡張でClaudeモデルを使う場合では、AIツールの動作原理から異なります。
AIエージェントはAIモデルとツール(ハーネス)の仕組みで成り立っており、GitHub CopilotとClaudeの拡張ではハーネスが異なります。システムプロンプトや内蔵ツールが違うため体験が変わります。
個人的には複数のAIモデルが使用できるGitHub Copilotと違い、Claude拡張はClaudeというAIモデル専用の作りになっているため、Claudeというシングルモデルを使用するのであればClaude拡張が良いと思います。GitHub Copilotはマルチモデル型で状況に応じてモデルを切り替えられることが強みのひとつだと思います。
Q. 0→1の場合はClaude Code、それ以外の場合はGitHub Copilotの理解で良いですか?
A. 0→1以外でもClaude Codeは使えると思います。GitHub Copilotがファイルレベルでの変更を伴走してくれるとしたら、Claude Codeはチームメンバーとしてのタスクレベルでの変更を依頼するイメージだと思っています。
Q. ClaudeのGUIとClaude Codeでコーディングさせる場合、精度はどれくらい違いますか?Claude Codeは要件や設計を対話しながら進められるイメージでしょうか?
A. Claude(デスクトップ)とClaude Code(拡張機能を含む)では、AIエージェントのハーネス構造が異なるため精度も変わります(GUIが拡張機能を指すのであれば、CLIと同じと考えて問題ないと思います)。
Claude Codeとのコーディングでは対話をしながら行うことができ、Planモードなどでまず対話してから実装計画を立てるのがおすすめです。
詳細機能・チーム開発について
Q. SkillsとSubagentsの使い分け、およびブラッシュアップの考え方を知りたいです。
A. SkillsとSubagentsはどちらも専門技術を扱う機能ですが、大きな違いはコンテキストの処理です。
Skillsはコンテキストを段階的にロードするため最終的にはSkillsドキュメントの内容がコンテキストウィンドウに含まれます。一方で、SubagentsはAIエージェントの別のインスタンスを起動し、独立したコンテキストウィンドウを持ちます。メインのAIエージェントのコンテキストウィンドウで処理すべきものはSkills、別のコンテキストウィンドウで処理してメインのコンテキストウィンドウを圧迫したくないタスクはSubagentsを使うのがまずは良いかと思います。また、SubagentsにSkillsを使用させることも可能です。
ブラッシュアップについては、とりあえず作ってみてうまくいかない場合は中のプロンプト設計を調整するのが良いと思います。AIエージェントは確定的動作をしないので、普遍的なブラッシュアップ方法を述べるのは難しいですね。
Q. 特定のMCPツールを確実に使わせる方法はありますか?MCPの疎通確認などを想定しています。例えば「何かわからないことがあれば聞いてください」でinteractive question toolが呼ばれるのを期待する、より確実な方法はありますか?
A. 特定のMCPサーバーの動作を確認したいだけであれば、MCP Inspectorなどでテストをするのがいいと思います。MCPサーバーがうまく接続接続できているかは、/mcpコマンドで確認できます。
AIツールがMCPサーバーを使用してくれるかどうかの確認は、直接MCPサーバーのツールネームをプロンプトに入れるのが確実です。
MCPサーバーを必ず直接呼び出すような機能はClaude Codeにはなく、現状はプロンプトでの明示のみという理解です。
Q. 「CLAUDE.md」を英語で書くか日本語で書くか、どちらが良いですか?
A. 選べるなら英語の方が良いと思います。英語の方がトークン消費などでも日本語より有利だったはずです。ただ開発者の可読性も大事であり、Claude Opus 4.5になってから日本語の指示書の追従性能が上がっているように感じるので、日本語で書いても以前ほど問題にはならなくなった印象です。
Q. 私のチームには、Claude Codeを使うメンバーとCursorだけを使うメンバーがおり、プロジェクト内にCLAUDE.mdとAGENTS.mdが混在しています。この両方のドキュメントを保守するのが大変だと感じているのですが、何か解決策はありますか?
A. Cursorは設定からCLAUDE.mdを含める設定ができるので、CLAUDE.mdを読むことができます。
Claude Code側も一応CLAUDE.mdの中に@path/to/importのようにファイルを読み込むことができるので、それでAGENTS.mdのパスを与えれば代替可能です。
Q. チーム開発において、.claude以下をリポジトリ共有した方が良いでしょうか?
A. チーム開発のスタンスにもよりますが、より大規模な開発現場ほど.claude以下を共有する方が良いと個人的には思います(git repositoryに直接入れるかはプロジェクト次第)。.claudeが個人の設計に依存しすぎると、プロダクトコードの変更アプローチなどがチームメンバーによって変わってしまいます。プロジェクトによっては属人性はなくした方が良いケースもあると思います。
Q. Hooks, Skills, カスタムインストラクション, Subagents, CLAUDE.md… どの情報をどこに書くべきか悩んでいます。他に良い資料はありますか?
A. 多くの場合は.claude/以下に書けば問題ありません。体系的に学ぶのであれば、公式ドキュメントか『Claude CodeによるAI駆動開発入門』が参考になると思います。
Q. Claude Codeで仕様駆動開発を使いますか?コンテキストは足りますか?オーバーエンジニアリングが気になります。
A. プロジェクトによっては仕様駆動開発を使用しますが、おっしゃるようにオーバーエンジニアリングになるケースも多いです。タスクの時点で粒度をコントロールすることでコンテキストの問題はある程度解消可能だと思います。

アーカイブ動画
イベント本編は、アーカイブ動画を公開しています。また、当日の発表資料も掲載しています。あわせてご覧ください。
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