AI時代に突入し、エンジニアのキャリア戦略も大幅な見直しに迫られています。この不確実性の高い時代に、人には話しにくいキャリアのモヤモヤを抱えていませんか?
本企画は匿名で寄せられたキャリアにまつわるお悩みをテーマに、Findyユーザーサクセス面談を担当するマネージャーやエキスパートが座談会を実施。Findyに蓄積したエンジニア転職の実績データやケーススタディをもとに、キャリア選択のトレンドを踏まえてお答えする連載企画です。
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匿名OK【Findy・エンジニアキャリアの質問箱】設置のお知らせ
本日のテーマ「1回の転職で、どれくらい年収が上がるとよい?」
匿名希望さんからのご質問です。
「年収アップのため転職を検討しています。どれくらいの上がり幅がベストなのでしょうか?」
初回のテーマは、転職による年収アップについて。Findy転職 ユーザーサクセスチームから、マネージャーの中村と菊井がお答えします。
75%が年収アップ!「100万円以上増えた」が第1位
中村:転職と年収は切っても切り離せないテーマですよね。昨年、Findy転職を利用して転職した方々の、内定オファー金額と転職前の年収を比べてみました(対象期間:2025年1月1日〜12月31日)。以下の円グラフでは、転職前後の年収差額ごとの割合を示しています。
菊井:50万円以上上がった人が全体の半数近くを占めていて、100万円以上増えた人が26.6%で、割合としては最も多いんですね!

中村:そう! 全体の75%が年収アップしているので、ご質問者さまと同じように年収アップを前提に転職活動をする方は多いと言えますよね。菊井さん、最近のご支援実績のうち、印象的だった年収アップの事例はありますか?
菊井:年収が飛躍的に増えた事例でいうと、印象に残っている人が2人います。たまたまですが、どちらもSREです。
おひとりは、年収400万円から600万円にアップした方。年収が1.5倍になるって、かなりすごいですよね! この方の場合は企業のSREニーズが非常に高かったことが、高額オファーの背景にあります。
もうひとりは、650万円から800万円に上がった方。この方は転職する気はなかったんだけど、スカウトメッセージを受け取ったことをきっかけに、あれよあれよという間に150万円のジャンプアップで転職されました。
中村:それ、スカウトがうまいね!
菊井:ね! メッセージから強い期待感を受け取って、話を聞いてみようと思ったそうです。頼りにされて心が動くことって、キャリアの中堅層だと特に起きやすいと思います。
企業に「この人がほしい!」と思ってもらえるかどうかで年収提示額は大きく変わる、ということを、目の当たりにした事例です。
中村:なるほど。ふたりとも会社の困りごとやニーズを理解し、自分のスキルや経験を売り込んでいくことで、課題解決能力を買われたんですね。
少し前の転職トレンドでは、メガベンチャーや大手企業に入社するとかPM職などの上流工程に挑戦するなど、年収が上がりやすい選び方がありましたが今はそうとは言い切れません。
自分本意な転職活動ではなく、企業の課題感に対して自分の経験がどう役立つのか、また自分のやりたいこととどう一致しているのかを言語化して伝えることが、さらに大切になってきていますよね。
シニア層では年収を下げてでも転職している
中村:先ほどと同じデータで、転職前の年収帯で区分してみたら、とても興味深い結果になりました!

菊井:年収帯が上がるにつれて、オファー額が下がっても転職する人の割合が増えていますね!
年収800万円以上の層には、外資・コンサル・フリーランスなど比較的、報酬レンジの高い環境に身を置いていた方々も含まれるため、転職で年収が下がりやすい傾向にありますが、それを考慮しても違いは明確ですね。
中村:たしかに、外資・コンサル・フリーランスからの転職は年収が下がりやすい。それ以外にも、思いついたことが2つあります。
1つは給与体系という構造の問題。IT企業の多くはグレード制度*を導入していますが、800万円を超えたシニア層・ハイスキル層では、求められる職務や能力の抽象性が高いためグレード設定自体が曖昧になりやすい。
逆にジュニア・ミドル層の場合はキャリアステップを具体化しやすく、序列も明確。転職先のグレードに当てはめたら100万円アップした、ということが起きやすいんです。
*グレード制度とは、従業員の職務、能力、役割に応じて序列をつけ、給与や昇進の基準とする人事制度
シニア・ハイスキル層の話に戻ると、例えば年収1000万円以上というと、ベンチャー企業の役員や経営層の報酬レンジなのですが、経営という職務に携わらない人に1000万円を出すことに抵抗がある企業は多い。能力は高く評価しているし、他社のオファー額を考慮して、もっと年収を上げて繋ぎ止めたいけど、グレード制度に当てはめるとそれができない、という話はよく聞きます。その場合は、給与だけではなく、ストック・オプションやサイニング・ボーナスなどで条件交渉するケースもありますね。
菊井:たしかに。私が担当した年収1000万円のEMの方も、多くの企業から役員相当の期待をされていました。ご本人の希望業務は経営ではなく、大規模マネジメントに従事したいということだったので、年収よりも希望業務を優先させ、結果的にほぼ据え置きの年収で転職されました。
中村:そうそう! その事例とも似ているのですが、もう1つ考えられることは、シニア・ハイスキル層になるにつれてお金よりもやりがいを取りに行くことができる、というパターン。
例えば「100万円くらい下がっても、AIを使える企業に行って、もう一段自分の市場価値を伸ばしたい」とか、「たとえ給与が下がっても、子どもたちの未来につながる教育分野の仕事がしたい」など。
菊井:それもありますね。エンジニアとしてのキャリアを一通り経験し、かつライフステージとしても子育てがひと段落している世代では、お金より本当に自分がやりたいことを選択するという意思決定があり得るんですよね。
ダウンオファーはあるある! ミニマム年収を決めておこう
菊井:私たちはいつも中立的な立場でみなさまの意思決定を見守っていますが、もし自分が当事者だったら足元の条件はめっちゃ気になると思います。
年収は下がるけど志望度が高い企業か、志望度はそこまで高くないけれど、自分を高く評価して高年収でオファーしてくれた企業か。並べられたらすごく悩む。
中村:そうですよね。ダウンオファー(現収入より少ない年収でのオファー)も、今の転職トレンドとしてあるのは事実です。
面接で「希望年収」を聞かれることがあると思いますが、その際は「目標額」というより「ミニマム額」を答える方がいいかもしれません。市場価格と乖離した高すぎる希望金額を伝えると、自己認識が正しくできていないと懸念されることもありますし、他の候補者と比較された時に希望額が低い人を優先するケースもありえます。
ただ語弊がなきよう申し上げたいのは、年収を下げることをおすすめしているわけではありません。もし提示額に違和感があるなら、会社が自分をどのように評価しているのか聞くようにしてください。どんな理由であれ、納得感のある意思決定をするための必要な材料になりますから。
菊井:その通りですね。質問者さまの質問に立ち戻ると「理想的な年収アップ額は?」ということですが、画一的なモノサシはありません。キャリアや年収帯によって傾向は異なりますし、質問者さま自身がこれからどのようなキャリアを歩みたいか次第で、方向性が決まってきます。
常々思っているのですが、年収って目的ではなく結果です。自分の価値を上げて、その結果として年収がついてくる。だから「年収が高い会社=ベストな転職ではない」ということを、一番伝えたいですね。
あなただけの「ベストな転職」を見つけましょう
転職で年収が上がるのか、下がるのか。結論を急ぎたくなるテーマではありますが、中村と菊井が語ったように、一概に言い切ることはできません。ご自身がキャリアのどのフェーズにいるのか、これからどのようなキャリアを歩みたいのかを整理することで初めて、自分にとっての理想的な転職と年収が導き出されます。
Findyのユーザーサクセス面談では、キャリア面談や壁打ちを通じてあなたにとっての「ベストな転職」を探すお手伝いから始めます。まだ転職活動することを決めていなくても大丈夫です。気軽な気持ちでお申し込みください。
キャリアのお悩み募集中
生成AI・AIエージェントの普及により、これまで以上に技術トレンドが目まぐるしく変化する中、エンジニアのキャリア戦略も大幅な見直しに迫られています。中長期的なキャリアの見通しが立ちにくい、この不確実性の高い時代に、人には話しにくい心のモヤモヤを抱えていませんか?
ぜひ匿名で「Findy・エンジニアキャリアの質問箱」に放り投げてください!
ユーザーサクセス面談を担当するエキスパートやマネージャーが、アンケートや転職実績などのデータをもとに、市場トレンドやあるあるエピソードを交えながらお答えします。「サクッと読めて、タメになる」記事コンテンツに編集してお届けするので、楽しみに待っていてくださいね!

