成熟したプロダクトには、もう大きな挑戦の余地がないのではないか。サイボウズの「kintone」に対してそんな印象を持つ人もいるかもしれません。しかし実際は「AIとEP」というテーマで、次なる拡張フェーズを迎えています。
2026年4月15日にFindyが開催したイベントでは、サイボウズ株式会社 開発本部 副本部長の水戸 将弥さんを迎え、選考で大切にしている観点や、いま求めるエンジニア像について伺いました。イベントで水戸さんが繰り返し語ったのは、「採用ではマッチングを重視している」ということ。では、その「マッチング」とは具体的に何を指すのでしょうか。
本稿では、kintoneの今後の拡張方針、そこに求められる「前提を問い直す意思決定」、そしてサイボウズらしいチームでの働き方を深掘りします。成熟したプロダクトの先にある挑戦と、そこで活躍できる人材像に迫ります。
イベントハイライト
サイボウズの存在意義:チームワークあふれる社会を創る
中途エンジニアの選考フローは以下の通り
- チームメンバー面接 → リーダー / マネージャー面接 → 最終面接(水戸さん担当)
面接のポイント:チームワークを発揮するための、対話ができるか
求めるエンジニア像:技術的な引き出しが多い、意思決定から学習する、判断を言語化し周囲の心を動かす
これからのkintoneには、前提を問い直す意思決定が必要
― イベント登壇、お疲れさまでした! 終えてみて、いかがでしたか?
ありがとうございました。正直なところイベントで大勢の方に向けて話すとなると、普段行っている最終面接とは勝手が違うので、少々戸惑うところもありました。
― 採用というテーマだと、一概に言い切れない部分も多いですよね。まずはイベントの内容で私が気になったところを深掘りさせてください。「今後はさらにkintoneのプロダクト拡張を進める」とお話しされていましたが、より詳しく拡張の方針を教えてください。
今、kintoneが注力しているテーマは「AIとEP」です。AIは文字通り、AIの活用。EPはエンタープライズ企業向けの機能強化です。
私たちが目指すのは、チームでAIを活用しながら現場主導の業務改善を実現することです。
既に提供を開始したものとしては、社内情報に基づいて返答する検索AIや、kintoneに蓄積したデータを分析・要約するレコード一覧分析AI、kintoneでつくったアプリの設定が社内ルールに当てはまっているかレビューするアプリ設定レビューAIなどがあります。
一方EPで求められることの1つは、性能面のさらなる強化です。大企業が扱う大規模なデータ分析を可能にすることや、より多くの同時アクセスに耐えられる設計へと見直すことなど、プロダクトの基盤そのものを強くしていく必要があります。
これまで様々なパフォーマンス改善に取り組んできているため、今kintoneで実現している機能の一部を制限することで今までより飛躍的に大量のデータを扱えるようにするような、前提を問い直す意思決定が求められます。
― なるほど。面接で「何かを諦めてでも意思決定した経験」を尋ねているというのは、今まさにそうしたシーンが多発するからなんですね。
そうなんです。ユースケースを理解した上でどこなら優先順位を下げてもよいか、という勘所が重要になります。これまでのご経験から、それをどのように判断されたのかを伺いたい、という質問なんです。
ただご安心いただきたいのは、サイボウズはチームで仕事を行いますので、1人に任せきりにすることはありません。ユースケースに造詣が深いマネージャー、技術的な解決策の引き出しが多いエンジニア、既存コードを熟知したエンジニアなど、それぞれが強みを発揮しながらチームで最適解を選ぶような仕事の進め方をしています。
― 歴史あるプロダクトならではの、こうした制約を面白いと思える人が合っているのでしょうか?
そうですね。多くのお客さまに使っていただいているプロダクトを成長させ続けるには、様々な制約の中で短期だけでなく中長期を見据えた技術判断が重要になります。もちろん、それを面白いと仰ってくださる方も多くいます。
しかし2025年から提供を開始した「性能ダッシュボード*」のように、既存システムとは別に、0→1で開発することもあります。この場合は制約が少ないですし、今後はこうしたフィールドを増やしていきたいとも考えています。なので「0→1フェーズが面白い」と考える方も、サイボウズでご活躍いただける可能性があるんです。
*性能ダッシュボード:各アプリや環境全体のパフォーマンスをモニタリングするダッシュボード
マッチングについては本当に一概には言い切れないので、面接に来てくださったお一人おひとりの興味関心をお伺いして、それに合わせて相談させてほしい、というのが私の本音です。
個人戦よりチーム戦が好き。適材適所で活躍してほしい
― 面接では「楽しく仕事ができそうか」という観点を重視されているというお話でしたが、水戸さんにとっての「仕事の楽しさ」とはなんですか?
私の場合は、組織の成果と個人の幸福が両立している状態をつくることにやりがいを感じます。サイボウズの存在意義は「チームワークあふれる社会を創る」とありますが、私自身もともとチームで取り組むことが好きなんです。
スポーツでは100m競走などの個人競技よりも、野球やサッカー、バスケなどのチーム競技を好んで観戦していますし、大学では分散システム/分散アルゴリズムの研究をしていましたが、これもサーバー1台で解決するより、複数のコンピューターの力を合わせていかに課題を解けるかという研究でした。
適材適所でパフォーマンスが発揮できる状態をつくりたいと考えているからこそ、面接でみなさんの興味関心を知り、活躍できる場所を探したいと思うんですよね。
― チームワークを大切にするサイボウズさんらしいお話ですね。水戸さんが入社してから、最もチームワークを感じた瞬間はなんですか?
代表的なものでいうと「マネージャー 要/不要論」があります。私が部長職だった2019年当時、「部長は不要なのでは?」という議論が発生し、部長職を廃止したんです。その結果、組織におけるメリット/デメリットが明らかになり、再度部長職を設置しましたが、また廃止、そしてまた設置と、現在に至るまでに試行錯誤を繰り返しています。
こうした歩みは失敗ではなく、都度学びを得て改善を繰り返してきた過程です。それも多くの人と議論しながら進めてきたので、当初私が思い描いたかたちとは全然違うところに着地したことも、チームで取り組んできた実感があります。
ちなみに現在は、部長職を設置しています。140名の開発組織で、個人・チーム主体の開発文化と、リモートワーク中心の働き方を実現するには、全体の方向性を揃える部長職が必要だと判断したからです。これからもその時の状況に応じて、みんなで「これが良さそうだね」と合意できるところを探していきたいと思います。
入社後の活躍がうれしい! 一緒にチームワークあふれる社会をつくりましょう
― 採用責任者をしていてうれしかった瞬間はありますか?
やはり入社してくれた方が楽しそうに働いていること。これに尽きます。「入社してよかったなと思っています」とか、「入社前後のギャップが小さいです」と言ってもらえるのが1番うれしいですね。
また入社後に活躍する姿を見て、「面接でこんなエピソードを話していたよな」と思い出すことはよくあります。例えば面接で「いろんな部署の人を巻き込んでプロジェクトを推進しました」とお話されていた方が、入社後にも同じような働きかけをしている様子を見ると、すごくうれしくなります。
― 逆に、現在の採用における課題感は、どんなところにありますか?
今回のイベントでも「kintoneは既に成熟したプロダクトだが、エンジニアとして何ができるのか?」という質問をいただきましたが、やはり外部からはkintoneが既に完成されたプロダクトのように見えているのだと、改めて実感しました。
しかし実際には、kintoneに限らずサイボウズ全社でまだまだ挑戦の余地があります。候補者の皆さんには、こうしたサイボウズの可能性を感じてもらって選考に臨んでもらいたい。そのためにも、サイボウズにある魅力的な環境を伝えていく、情報提供に力を入れていきたいと思います。
― 水戸さん、ありがとうございました。
サイボウズでは様々なエンジニア職種を募集しています。関心のある方は、以下の求人票をチェック&「いいかも」を押して、関心を伝えてみましょう。
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