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【#も読】生成AIを使うか、使われるか - 学習を加速するための活用(@yusuktan)

投稿日時:2025/05/08 03:00
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Deno Land Inc. / ソフトウェアエンジニア

maguro

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「あの人も読んでる」略して「も読」。さまざまな寄稿者が最近気になった情報や話題をシェアする企画です。他のテックな人たちがどんな情報を追っているのか、ちょっと覗いてみませんか?


みなさんこんにちは。

「あの人も読んでる」、第4回目の投稿です。maguro (X @yusuktan)がお届けします。

今回のテーマ: 生成AIを使うか、使われるか - 学習を加速するための活用

生成AIの急速な発展が目覚ましい昨今ですが、少なくとも現時点では、使う側の技量次第で毒にも薬にもなるといった状況です。

特に初学者にとっては、生成AIをうまく活用して質・量ともに高い学習を加速させることもできれば、分からないところを分からないまま表面的に受け取ってしまい、かえって学習の阻害になるリスクもあるでしょう。

このテーマに関連して、以下の記事をご紹介します。

生成AIと大学教育:2025年4月の雑感

この記事では、大学で教鞭を取る著者が、生成AI時代において学生をいかに「使いこなす側」に導くかについての雑感を述べています。生成AIを適切に活用した場合の学習効果や生産性向上を認めつつ、やみくもに使った場合の学習阻害についても指摘しています。

特に興味深かったのは、読んだ論文の内容をAIに説明させることで自分自身の理解を深め、さらに発展・応用の模索につなげるという能動的な活用方法の提案です。

個人的にもこの意見には強く共感していて、今後は「生成AIを自己成長に活用できる人」と、「単なる作業代行ツールとして依存してしまう人」との間で、非常に大きな差が開いていくのではないかと感じています。

生成AI時代に生き残るためには、AIを使いこなし、自己の成長につなげる力が不可欠だと思います。

個人的な生成AIの活用方法

僕自身、米ジョージア工科大学のオンライン大学院でコンピュータサイエンスを学んでいることもあり、生成AIをどう活用して学習効果を最大化できるかは常に模索しているテーマです。まだまだ試行錯誤中ですが、現時点での活用方法を簡単にご紹介します。

今学期履修しているコンパイラの授業では、「コンパイラを実装するコーディング課題」と、「理論に関するレポート課題」が出されています。

これらの課題文やプログラミング言語仕様はPDFとして提供されていたので、まずClaude、ChatGPT、Geminiなど各種生成AIにPDFの内容を読み込ませ、コンテキストを共有するところから始めました。

この時、AIにレポート課題の解答をそのまま出力させることも技術的には可能でしたが、それでは学習効果が損なわれてしまうため、行いませんでした。代わりに、問題を解くために必要な背景知識について、自分の理解が曖昧なところを徹底的に質問する形で活用しました。

たとえば:

  • 正規言語かどうかを判定する問題において、ポンピング補題を具体例とともに何度も説明してもらい、理解を深める
  • 文法を設計する際に、演算子の優先順位(例:1 + 2 * 31 + (2 * 3)と解釈する)や結合順序(例:3 ** 4 ** 53 ** (4 ** 5)と解釈する)を、どのように文法に落とし込むべきかを繰り返し質問・確認する

といった使い方です。問題を解くための理論的な知識を強化することで、学習の質が飛躍的に高まりました。

また、期末試験に向けては、授業資料や模擬試験の問題をAIに与え、練習問題集とその解答を作成させました。解答の中には明らかに誤っているものも見受けられましたが、そうした場合は出典を自分で調べたり、再度質問を重ねたりして、自分で正誤を見極める訓練にもなりました。

さらに、スキマ時間での復習に、GoogleのNotebookLMを活用して学習資料を音声化し、ポッドキャスト形式で聴くという工夫もしています。与えた資料をもとにAIが自動で解説音声を作成してくれるため、移動中や家事の合間にも学習が進められました。

ただし、視覚的な補助が必要な内容については、テキストや図表を併用するなど工夫も必要でした。

学習に適した媒体は人それぞれ異なると思いますが、僕の場合、動画や音声といった形式は記憶に比較的定着しやすく、その意味でもポッドキャストという形式は優れていました。講義だと教授が1人で話しているだけですが、NotebookLMが生成するポッドキャストは2人の会話で話が展開されているというのも聞きやすいポイントです。

追記 この記事の執筆後、2025年4月30日にNotebookLMの音声概要(ポッドキャスト生成機能)が日本語に対応したことが発表されました。

NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に

おわりに

今回は、生成AIとの付き合い方、とりわけ学習ツールとしての活用法について考えてみました。 大学教育の現場でも課題となっているように、生成AIを受動的に使うのではなく、自分の理解を深め、知識を拡張するための能動的なツールとして活用することが、これからの時代ますます重要になっていくでしょう。

生成AIに「使われる側」ではなく、「使いこなす側」になることで、学習効率も自己成長のスピードも大きく変わってきます。 ぜひ皆さんも、自分なりの生成AI活用法を見つけて、自己成長に役立ててみてください。

また次回、おすすめコンテンツを紹介していきます。お楽しみに!

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