「何から始めよう」「どこまでやればいいんだろう」——「エンジニア転職ガイド」は、転職準備から書類作成、面接、オファー、退職・入社までを、エンジニアキャリアのプロの視点で解説するシリーズです。順番に読むことも、気になる記事から読むこともできる内容になっていますので、ぜひご活用ください。
本記事は、エンジニア転職ガイド『職務経歴書編』(全4回)の第3回として、各項目の具体的な書き方と、応募先に伝わるためのポイントを紹介します。
作成前の準備や採用担当者が見ているポイントは、以下の記事をご覧ください。
→ 【職務経歴書編①】職務経歴書とは? 役割と作成前に準備したいこと
📌 本記事でわかること
・職務要約・職務経歴・自己PRは「何をしたか」で終わらせず、成果とプロセスをSTARフレームで具体的に書くと説得力が上がる
・志望動機は必須ではなく、自己分析が不十分な状態で無理に書くと面接との整合性が取れなくなるため、書けない場合はあえて書かない選択も有効
職務要約と生かせる経験・知識・技術
エンジニアの職務経歴書に書く項目は、応募先の職種や用意されたフォーマットによって異なります。ここでは、基本的に必要な項目について、それぞれの書き方を紹介していきます。

職務要約
職務要約は、どのような経歴があり、何ができる人なのかを簡潔に伝える項目です。業務の経験年数や主な技術領域、強みなどを3〜5行程度でまとめます。ただし、ここでは自己PRではなく、あくまで職務の要約にとどめるように注意しましょう。
自分がどのようなエンジニアなのか、採用担当者が一目でわかるようにするのが理想です。伝えたいことを絞り、端的に表現するのがポイントです。
<例文>
これまで4年間、Web系のバックエンドエンジニアとして複数プロダクトの開発・運用に従事してきました。
1社目では、求人系サービスの新規API開発を担当し、Docker Composeを活用したローカル開発環境の整備により、チーム全体の開発生産性向上に貢献しました。
2社目では、SaaSプロダクトにてバックエンド・インフラの実装や監視体制の整備を進めるとともに、PdMと連携しながらロードマップ策定や仕様設計にも関与しています。
生かせる経験・知識・技術
「生かせる経験・知識・技術」は、「どんな経験を積んできたか」を伝える欄です。後述の「テクニカルスキル」が 「応募先が求める技術要件と合うか」 を示す欄なのに対し、こちらは経験そのものを伝える役割があります。
応募先の募集要項を読んで、自分の経験のなかでマッチしそうな業務領域や役割を3〜5項目ほどに絞って記載します。ポイントは、技術スタックを単体で羅列しないこと。スタック名を入れる場合も「何をしてきたか」(構築・改善・設計・活用など)を添えて、経験を丸めて書きましょう。具体的なスタック一覧と経験年数は、後述の「テクニカルスキル」でカテゴリ別に整理します。
<例文:Webアプリケーションのバックエンドエンジニア(実務4年)の場合>
・Webアプリケーションにおけるバックエンド開発・インフラ運用の実務経験(4年)
・Docker / Docker Compose 等を用いた開発環境の構築・改善
・BtoC / BtoB 両面のWebサービス運用経験(求人サービス / SaaS)
・PdMとの協業を通じたロードマップ策定・プロダクト改善の推進
・Cursor / Claude 等のAIエージェント活用による開発効率化
・技術共有・チーム内ナレッジ整備を通じた組織貢献
職務経歴
職務経歴には、これまでの勤務先や業務内容、実績を記入します。企業ごと、またはプロジェクトごとに、直近の経歴が1番上に来るように記入しましょう。

職務経歴の書き方
担当業務や経験年数だけでなく、以下の内容を盛り込んで詳細を伝えることが大切です。
- どのような環境だったのか
- どのような課題があったのか
- 何を実行したのか
- どのような結果になったのか
守秘義務に配慮しつつ、できるだけ具体的な数字も含めながら詳しく書けると伝わりやすくなります。その際、「STAR」というフレームワークを活用するのがおすすめです。
STARはSituation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)を表しており、経験や事例をわかりやすく伝えるために用いられます。例えば、以下のように職務経歴をまとめられるでしょう。
・Situation(状況):開発中のソフトウェアでバグが見つかった
・Task(課題):納期までの短期間で、修正を完了させる必要があった
・Action(行動):専門性の高いデバッグチームを結成し、バグの修正に集中した
・Result(結果):バグが修正され、納期に間に合った
<例文>
期間:〇〇年〇月〜〇〇年〇月
職種:Webエンジニア
役割:バックエンド開発(保守・改善含む)
チーム規模:〇名
【プロジェクト詳細】
業務向けWebシステムの新規開発プロジェクト(月間利用ユーザー約5,000名、全120機能)。
【担当業務】
・バックエンド機能の設計・実装
・リリース前の不具合調査および修正対応
・デバッグチームの編成、タスク分担、進捗管理
・修正後の動作確認、回帰テストの実施
・不具合対応フローの構築
【主な実績】
リリース2週間前に致命的なバグ3件が発覚。残り10営業日という制約下で影響範囲を整理し、〇名体制で修正・検証を並行実施。7営業日で全バグを解消し、追加不具合ゼロの状態で予定通りリリースを達成。
【利用技術】
Java、MySQL、Git、〇〇、〇〇
主な実績は、定量的に記載すると説得力が増します。最新のものや応募企業が求めるスキルに近いものを重点的に書き、それ以外は簡潔にまとめるなど、優先順位をつけて記載しましょう。特にアピールしたい内容は自己PRで詳しく伝えられるので、職務経歴書ではすべてを細かく書く必要はありません。
テクニカルスキル・自己PR・そのほか

テクニカルスキル
「テクニカルスキル」は、「応募先が求める技術要件と合うか」を見られる欄です。経験した言語・フレームワーク・クラウドサービスなどをカテゴリ別に整理し、経験年数とあわせて一覧で記載します。採用担当者はこの欄で応募者のスキル感を把握し、募集要件との照合を行っているため、見やすく整理して記載することが大切です。
経験が豊富で長くなりそうであれば、箇条書きで記載しましょう。また、経験年数が1年未満で自信がなく、今後も使う予定のない言語は、無理に記載する必要はありません。
任意ではありますが、備考欄を設けて「実務経験か自己学習か」を書き添えたり、客観的に表現できる範囲でスキルレベルを記載したりすると、採用担当者が技術要件と照らしあわせる際の目安になるのでおすすめです。
<箇条書きの例>
■ テクニカルスキル
言語/フレームワーク
・Ruby(3年)、Ruby on Rails(3年)
・PHP(2年)、Laravel(2年)
・JavaScript(2年)、TypeScript(1年)、Vue.js(1年)
・GraphQL(1年)
<表の例>
■ テクニカルスキル
| カテゴリ | 種別 | 経験年数 |
| プログラミング言語 | Ruby | 5年 |
| PHP | 2年 | |
| フレームワーク | Ruby on Rails | 5年 |
| Laravel | 2年 | |
| インフラ | AWS | 4年 |
| データベース | SQL Server | 3年 |
| AIツール | Claude Code | 1年 |
自己PR
自己PRでは、自分の強みを応募先の企業でどう生かせるかを記入します。応募先企業が求める要件を踏まえ、技術力、仕事への姿勢や価値観、チームでの関わり方などを伝えられれば、応募先が求めるエンジニア像と自分の強みがどう重なるかをアピールできるでしょう。
エピソードを交えながら具体的に書くことで説得力が増します。業務での成功体験や他者からの評価などを含めると、より伝わりやすくなります。
エピソードを書く際は「課題・行動・実績・再現性」の4つの要素を含むように意識し、作成後にもう一度確認してみましょう。
<例文>
私の強みは、保守性の高いコードを意識しながら、着実に開発を進められる点です。これまでシステム開発において、設計・実装・運用まで一通り携わり、状況に応じて柔軟に対応してきました。チーム開発では、周囲とコミュニケーションを取りながら課題を整理し、ドキュメント化による属人化排除を心がけています。こうした経験を生かし、貴社の開発業務においても長期的な開発速度を維持しながら、運用コストの低減を目指していきたいと考えています。
そのほか
これまでにエンジニアとして登壇実績や技術ブログ運用などの特別な経験をしている場合は、箇条書きで簡潔に記入しましょう。特にアピールしたいことがない場合は、無理に書く必要はありません。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
それぞれの項目について、ただ書くのではなく「応募先が重視するポイント」と「自己分析で洗い出した強み」を照らし合わせて、どの経験について書くかを考えてみましょう。例えば、応募先がバックエンドのスキルを強く求めている場合は、直近3年のバックエンド経験や成果を優先的に記載します。
また、履歴書同様に、エンジニアの職務経歴書において、志望動機は必須ではありません。自己分析が十分にできていない状態で無理に志望動機を記入することで、面接での受け答えと整合性が取れず、かえって伝わりにくくなることがあります。一貫性を保つことを重視し、あえて記入しない選択を取るのもひとつの方法です。
そのほか、自分のスキルや成果を具体的に示すために、職務経歴書にGitHubリポジトリやQiita記事のような技術の実績を補強できるリンクを設置するのもおすすめです。
職務経歴書を書くときのポイント
各項目の書き方を押さえたうえで、職務経歴書全体を通して意識しておきたいポイントを確認しましょう。
「逆編年体(新しい順)」が基本
エンジニアの職務経歴書は、逆編年体(新しい順)で記入するのが基本です。採用担当者は、特に直近の経験を重視する傾向があります。そのため、直近で働いていた会社や携わっていたプロジェクトをはじめに記入し、現在のスキルや役割を伝えましょう。
AIツールについての言及
近年では、エンジニアの現場でも生成AIやAIツールを使いこなせるエンジニアが求められることが増えています。応募先の企業でAIを積極的に活用したい場合は、生成AIやAIツールの利用経験について言及しましょう。
単純に使用経験があるという事実だけでなく、どのような業務のどの場面でAIを活用したかを具体的に伝えると、AIを業務で扱える人だという印象につながります。
参加したプロジェクトでの役割について具体的に書く
職務経歴書では、エンジニアとして携わったプロジェクト名や概要だけでなく、自分がどのような役割を担い、どの部分に責任を持って行動していたのかを詳しく伝えるようにしましょう。結果だけでなく、そこに至るまでの課題や解決方法などのプロセスも書くことで、説得力が増します。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
エンジニアの職務経歴書は、STAR(Situation, Task, Action, Result)を取り入れて記載することで、成果や再現性をわかりやすく伝えられます。また、AIや新技術の経験がある場合は、単純に使用したことだけでなく「どの課題に貢献したか」まで書けると伝わりやすくなります。
職務経歴書の作成で不安があれば、キャリアのプロに相談するという選択肢も!
職務経歴書の具体的な書き方について解説してきましたが、何をどう表現すると良いかは個人のキャリアや応募先企業によって変わってきます。
そういったときにおすすめなのが、エンジニアに特化したキャリア・転職支援サービス「Findy」です。
Findyには、専門的な技術・知識を持ち、企業の情報にも精通したユーザーサクセスメンバーがいるので、求人紹介や選考対策はもちろん、「まずはキャリアを整理したい」「壁打ち相手が欲しい」といった場面でも、希望に応じて活用できるのが特徴です。
気になった方は、無料で利用できる「ユーザーサクセス面談」でお気軽にご相談ください。
まとめ
職務経歴書の各項目は、ただ書くのではなく「応募先が重視するポイント」と「自分の強み」を照らし合わせて、何を伝えるかを選ぶことが重要です。スキルは経験年数とカテゴリで整理し、職務経歴はSTARフレームを使って成果とプロセスをセットで書くことで具体性が生まれます。志望動機や自己PRは、一貫性を持って書ける状態になってから記入するのが安心です。
監修者
中村 弘平
Kohei Nakamura|ユーザーサクセス マネージャー
これまでにキャリアアドバイザー、組み込みエンジニア、ITコンサル企業の共同創業者・人事統括と、複数のフィールドを経験。共同創業した金融特化のITコンサル企業では、経営に携わりながらエンジニアの中途採用に従事した後、2023年10月にファインディ株式会社へJoin。エンジニア・人事・キャリアアドバイザー、そして経営・採用と多角的な視点を生かして、これまでに累計2,000名以上のエンジニアと面談をしてきた。現在はユーザーサクセスチームのマネージャーとして、エンジニア一人ひとりのキャリア支援に取り組んでいる。

