「何から始めよう」「どこまでやればいいんだろう」——「エンジニア転職ガイド」は、転職準備から書類作成、面接、オファー、退職・入社までを、エンジニアキャリアのプロの視点で解説するシリーズです。順番に読むことも、気になる記事から読むこともできる内容になっていますので、ぜひご活用ください。
本記事は、エンジニア転職ガイド『応募書類編』として、エンジニアの転職活動に必要な応募書類の種類と、各書類の基本的な役割・作成のポイントを解説します。(各書類の詳しい作成方法は、各章に掲載している個別記事のリンクからご覧ください。)
📌 本記事でわかること
・応募書類は履歴書・職務経歴書・ポートフォリオの3種類。それぞれ企業が確認するポイントが異なるため、役割を理解したうえで作成することが重要です。
・自己PRは「企業が求める人物像」から逆算して強みを絞り、数値やエピソードで具体的に書くことで、成果の再現性が伝わりやすくなります。
エンジニアの転職に必要な応募書類とは?
エンジニアの転職では、主に次の3つの応募書類が必要になります。
- 履歴書
- 職務経歴書
- ポートフォリオ
職種にかかわらず必要になるのは履歴書と職務経歴書ですが、これらに加えて、具体的な成果物としてポートフォリオの提出が求められることがあります。この3つは審査書類という意味では同じですが、以下のように役割や記入する内容が異なります。
上記もふまえ、それぞれの作り方を確認していきましょう。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
近年、エンジニアに求められることは、技術的な問題解決にとどまらず、主体的な情報収集力やAIへの理解度、企業への貢献度など、多様化してきています。すべてのスキルが完璧である必要はないため、応募書類を作成する際は、「自分は何が得意か?」「どのように成果を出してきたのか?」などと問いかけ、自己分析をしながら強みを明確にし、わかりやすくまとめていきましょう。
履歴書の作成方法
履歴書を作成する大まかな流れは以下のとおりです。
履歴書 作成の流れ
| STEP 1 | A4またはB5サイズの履歴書を用意する |
| STEP 2 | 履歴書の項目すべてを記入する |
| STEP 3 | 履歴書用の写真を用意し、用紙に貼る(※写真は必須ではありません) |
| STEP 4 | 内容に問題がないか、誤字脱字やわかりづらい箇所がないかチェックする |
各項目の書き方と注意点については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもチェックしてみてください。
→ 【履歴書編①】履歴書の役割と 基本の書き方は?|テンプレート有
職務経歴書の作成方法
次に、職務経歴書の作成方法について紹介します。職務経歴書には、A4サイズ3〜4枚以内を目安に、これまで経験してきた職務経歴を自由様式で記入します。
フォーマットは特に決まっていないことがほとんどであるため、職務経歴のほかに応募先の企業で生かせる能力や自己PR文などを書くことも可能です。職務経歴書は、履歴書に書ききれなかった内容を、より詳細に記入することが求められます。
職務経歴書の作成手順は、以下のとおりです。
職務経歴書 作成の手順
| STEP 1 | 過去の職務経歴を振り返りながら整理する |
| STEP 2 | 振り返りをもとに、自分の強み・能力・長所を整理する |
| STEP 3 | 応募先企業に合わせて、記入する内容を決める |
| STEP 4 | 項目や書きたい内容が決まったら、パソコンまたは手書きで作成する |
エンジニアの職務経歴書に必要な項目は、以下のものが挙げられます。
- 職務要約:これまでのキャリアの概要
- 職務経歴:プロジェクトの詳細(期間、職種、役割、仕事内容、チーム規模、実績、利用技術 など)
- 生かせる言語経験・スキル:経験した言語や経験年数、種別など
- 自己PR
- テクニカルスキル一覧・資格・登壇実績(あれば)
応募先企業が求人を出している背景や募集しているポジションを念頭に、各項目に記入する内容やアピールポイントを調整するのがおすすめです。
職務経歴書の詳しい作成方法については、以下の記事をチェックしてみてください。
→ 【職務経歴書編①】職務経歴書とは? 役割と作成前にやるべきこと|テンプレート有
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
書類選考の担当者は大手企業だと1人当たり数十秒しか見ないといわれています。項目を箇条書きにする、カッコなどを活用して視認性を上げる、表の区切りを見やすくするなど、「パッと見で伝わりやすいか」を意識したフォーマットにし、エンジニアでない人が見てもわかりやすい表現を意識しましょう。
ポートフォリオの作成方法
ポートフォリオは必須書類ではありませんが、一部提出を求める企業もあります。
企業が応募者の能力や経験レベルを把握できるほか、応募者が今後のキャリアの方向性を考えるときにも役立つでしょう。
エンジニアのポートフォリオの形式は、Webサイト、GitHub、Notionなどが主流です。簡単な自己紹介とプロフィール、制作物(成果物)、プロジェクト実績、連絡先やリンクなどを記入するのが一般的です。
ポートフォリオはシンプルでわかりやすいデザインを選択し、最新の情報を反映させるようにしましょう。定期的に更新すると、自分の実績やスキルを正確に紹介しやすいです。
ポートフォリオの作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 【ポートフォリオ編①】ポートフォリオとは? 他の書類との違いと役割をご紹介
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
ポートフォリオは守秘義務の対象となるケースが多いため、第三者に公開するときは、同じ技術を使って再構築したり、サービス名や顧客名を伏せて記入したりするなどの工夫が求められます。それ以外にも、無効リンクになっていないか、テキストリンクやハイパーリンクのみで構成され、Webで見ることが前提のつくりになっていないかを、必ず確認するようにしましょう。企業によっては紙でチェックするケースもあるため、印刷してもポートフォリオとして証明できるように仕上げることも重要です。
エンジニアが自己PRを作成する際のコツ
エンジニアの転職では、企業から評価されやすい自己PR文を考えることが求められます。ここでは、エンジニアの自己PR文を作成する際のポイントについて、例文を交えてご紹介します。
自己PRのコツ
1 アピールしたいポイントを絞り込む
2 実績はエピソードをふまえて具体的に書く
アピールしたいポイントを絞り込んでおく
自己PRでは、自分の強みや採用した場合のメリットをアピールします。エンジニアとしてある程度の経験を積んでいる場合は、複数のアピールポイントの中から、応募先の企業が求める人物像に関連するスキルや経歴を絞り込んで強調するのが効果的です。企業の課題に対してどう貢献できるのか、その成果がなぜ再現可能なのか、という観点から逆算してアピールを考えていきましょう。
企業研究を行って応募先の企業が求める人物像を明確にし、企業のニーズと自分の強みを結びつけながら自己PR文を作成することが大事です。
実績は具体的に書く
説得力のある自己PR文を仕上げるためには、数値などを交えながら具体的なエピソードを盛り込むと効果的です。文字数に余裕がある場合は、過去の仕事内容を記入する際に、実績だけでなく、自分の役割、プロジェクトの規模、具体的にどんなことを成し遂げたかまで説明しましょう。
プロジェクトの成功体験や課題や問題に取り組んだ経験など、過去の具体的な行動を伝えることで印象に残りやすくなります。
自己PR例文
履歴書や職務経歴書の自己PR文は、簡潔にわかりやすくまとめる必要があります。自分の強みがわかるように過去の経歴を説明し、応募先の企業にいかに貢献できるかを交えながらまとめるといいでしょう。
汎用的な書き方で終始しないように具体的な実績やエピソードを盛り込んで、自分ならではの内容を入れてみましょう。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
自己PRでは、過去の経験よりも、入社後に生かせるスキルや経験をアピールすることを意識しましょう。未経験の場合は、過去の経験から自分の強みを分析し、「業務改善力」「課題発見力」「提案力」など、実際の業務で生かせそうなスキルの具体的なエピソードを盛り込むのがポイントです。
エンジニアが応募書類を作成する際の注意点
最後に、エンジニアが応募書類を作成する際に注意すべきポイントを紹介します。次の4つは、提出前に必ずチェックするようにしましょう。
提出前の確認チェックリスト
| ✓ | 専門用語が適切に使われているか |
| ✓ | PDF形式で作成されているか |
| ✓ | リンク切れはないか |
| ✓ | 生成AIで作成した場合は、自分の言葉で肉付けしてあるか |
専門用語が適切に使われているか
エンジニアの応募書類では、技術用語・専門用語を使うことが多くなります。しかし、専門性が高すぎる用語を多く使うと逆にわかりづらくなってしまうため、応募先の企業に評価されやすい技術に絞って記入するようにしましょう。
基本的な略語はそのまま記入しても問題ありませんが、複雑なものや違う意味と捉えられる懸念のあるものは正式名称と略語を併記するとわかりやすいです。
例:Google Cloud(GCP)
古い名称をそのまま使っていないか、大文字と小文字は正確か、誤字・脱字はないか、記入時に必ず確認を行いましょう。
PDF形式で作成されているか
近年はデータでのやりとりが増えているため、履歴書や職務経歴書をPDF形式で提出するケースが多いです。PDF化はフォーマット崩れの防止にもなりますので、基本的にはPDFでの出力や作成がおすすめです。
リンク切れはないか
応募書類にリンク先を記入する場合は、選考時に確認ができるように、リンク切れや非公開状態になっていないか確認が必要です。
Webサイト、GitHub、Notion、デモサイトなど、応募書類に記入するすべてのリンクを確認しておきましょう。長くて複雑なリンクは見づらいため、リンク作成時に短くシンプルなURLに設定しましょう。
生成AIで作成した場合は、自分の言葉で肉付けしてあるか
生成AIを活用して応募書類を作成することもあるかもしれません。近年はAIで出力させた違和感のある文章や、浅い内容の書類が増えてきています。
AIの活用は問題ありませんが、内容に間違っている箇所がないかチェックしつつ、自分の言葉になるように文章を整理しましょう。
企業側に熱意を伝えるためには、自分の言葉で表現することが重要です。抽象的な表現を修正したり、より深掘りしたエピソードを盛り込んだりと、最終的には自分の言葉になるよう調整しましょう。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
エンジニアの応募書類でありがちなのが、専門用語の表現が正確でなかったり、抽象的で具体性が弱くなってしまったりする点です。専門用語を使用するときは、大文字・小文字・スペースなど、正しい表現になっているかを必ず確認しておきましょう。また、経歴や自己PRでは、独自の強みや経験がわかるように具体的な根拠を示すことがポイントです。
応募書類の作成で悩みがあれば、ユーザーサクセス面談でキャリアのプロに相談してみよう
ここまで履歴書・職務経歴書・ポートフォリオなどの応募書類を作成する際の一般的なポイントについて解説してきましたが、それぞれ求められるものや注意点は企業ごとに変わってきます。
そういった個別のケースについて相談したいという方におすすめなのが、エンジニアに特化したキャリア・転職支援サービス「Findy」です。
Findyには、専門的な技術・知識を持ち、企業の情報にも精通したユーザーサクセスメンバーがいるので、求人紹介や選考対策はもちろん、「まずはキャリアを整理したい」「壁打ち相手が欲しい」といった場面でも、希望に応じて活用できるのが特徴です。
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まとめ
応募書類で大切なのは、これまでの経歴を丁寧に整理し、自分の強みを言葉にして伝えることです。履歴書・職務経歴書・ポートフォリオはそれぞれ役割が違うので、書類ごとに何をどう伝えるかを書き分けながら、自分らしい応募書類を仕上げていきましょう。
監修者
中村 弘平
Kohei Nakamura|ユーザーサクセス マネージャー
これまでにキャリアアドバイザー、組み込みエンジニア、ITコンサル企業の共同創業者・人事統括と、複数のフィールドを経験。共同創業した金融特化のITコンサル企業では、経営に携わりながらエンジニアの中途採用に従事した後、2023年10月にファインディ株式会社へJoin。エンジニア・人事・キャリアアドバイザー、そして経営・採用と多角的な視点を生かして、これまでに累計2,000名以上のエンジニアと面談をしてきた。現在はユーザーサクセスチームのマネージャーとして、エンジニア一人ひとりのキャリア支援に取り組んでいる。

