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【#も読】ニューラルかな漢字変換システム / 書体デザイナー / 型システムのしくみ / プログラミング言語の書籍(@windhole)

投稿日時:2025/04/30 03:00
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株式会社Helpfeel / フリーランスtech編集者

風穴 江

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「あの人も読んでる」略して「も読」。さまざまな寄稿者が最近気になった情報や話題をシェアする企画です。他のテックな人たちがどんな情報を追っているのか、ちょっと覗いてみませんか?


こんにちは。風穴(かざあな)です。

所用があって実家(青森県)に来ているのですが、この辺は、今&これからが桜の見頃です。二度目のお花見でちょっと得した気分。ちなみに、実家の庭では梅の花も咲き始めました。

それでは、最近読んで良かったコンテンツ(の一部)を紹介します。

ニューラルかな漢字変換システム

ニューラルかな漢字変換システム「Zenzai」の開発

ニューラル言語モデルを採用したかな漢字変換エンジン「Zenzai」と、それを組み込んだ日本語入力システム「azooKey on macOS」の開発記。2024年度の未踏に採択された開発プロジェクトです。新しいかな漢字変換エンジンを作るために何をしたかが簡潔にまとまっていて、読みやすく面白い記事でした。

言語処理学会第31回年次大会(NLP2025)に投稿した論文も公開されています。こちらには、処理を高速化するための戦略など詳細が書かれているので、合わせて読むことをお勧めします。

ニューラルかな漢字変換システム Zenzai(言語処理学会 第31回年次大会 発表論文集)

追記

この記事を入稿したあとに、未踏の成果発表会の動画が公開されました。未踏で開発した内容が詳しく解説されていますので、必見です。

【2024年度未踏/No.15】ニューラル言語モデルによる個人最適な日本語入力システムの開発

書体デザイナー

“奇跡のフォント”開発者が逆境だらけの8年間を乗り越えられた理由 「嫌われてもいい。やりたいことは絶対やる」/書体デザイナー・高田裕美

個人開発のネタとしてフォントを調べていたら、この記事を見つけました。

「UDデジタル教科書体」という、ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)でも読みやすいように開発されたフォントがあります。この記事は、同フォントを開発した書体デザイナー・高田裕美さんのインタビュー記事です。途中で開発が止まってしまう危機も乗り越え、開始から8年がかりでリリースにこぎ着けた(通常のフォントは2年程度)執念のストーリーも面白いのですが、高田裕美さんの言葉が力強く、心に刺さりました。

「時間が掛かっても、反対があっても、自分の心に正直になって、やりたいことを優先した方がいいんじゃないかな」

「頭の中だけで悩んでいても解決しないけど、やりたい方向に向かって小さくでも動いていれば、何かしら見えてくるものがある」

「一生懸命に学んだことが自分を助けてくれたと実感するのは、10年ぐらいたってから」

そう、ただひたすらに自分を信じて一歩を踏み出すだけ。こういう言葉を引き出したインタビュアーに拍手を送りたい。

型システムのしくみ

『型システムのしくみ ― TypeScriptで実装しながら学ぶ型とプログラミング言語』 – 技術書出版と販売のラムダノート

ラムダノートから刊行された書籍です。「n月刊ラムダノートVol.4, No.3(2024)」に掲載された「TypeScriptではじめる型システム」という記事がベースになっていて、内容が加筆され書籍となりました。

昨年からTypeScriptを学んでいるのですが、今ひとつしっくりしないというか、「理解した!」という感覚にはほど遠くて悶々としていました。何となくそれは、型システムに対する理解が足りないからでは……と当たりをつけて調べていたところに、n月刊ラムダノートの記事に出会いました。

まだ読んでいる途中なので、霧が晴れたように……とはいきませんが、「なるほどなぁ」というのが随所にあって勉強になります。前項で紹介した、フォントデザイナー高田さんの言葉を借りると「学んだことが自分を助けてくれたと実感するのは、10年ぐらいたってから」を肝に銘じつつ、ちょっとずつ読み進めています。

あと、これはちょっと邪道というか私の勝手な読み方ですが、TypeScriptというプログラミング言語について言及している個所が、TypeScript初心者の私には「なるほど、そういう感覚なのか」と、とても参考になっています。ありがとうございます!

プログラミング言語の面白さを教えてくれた本

プログラミング言語の面白さを教えてくれた本 #QiitaEngineerFesta_技術書 - Qiita

これも少し前の記事なのですが、たまたま調べ物をしていて読みふけってしまいました。当時行われていた「買ってよかった技術書を紹介しよう!」イベントの参加記事だそうです。

ここで紹介されている書籍はほぼ知っていましたが、唯一、この記事で初めて知った書籍が『このプログラミング言語がすごい!』(ビーチーム)です。初出が技術書典8なので、だいぶ前ですね。残念ながら、現在は販売されてないみたい。

このプログラミング言語がすごい!:ビーチーム

昔々「月刊Linux Japan」という雑誌をやっていたとき、「いい言語(モノ)だけを世界から」という連載を企画しました。インターネット(当時は、Freshmeatとか、Source Forgeとかから探していたような)で見つけたマイナーなプログラミング言語を、毎回1つずつ紹介していくという連載。著者のHさんの文章がとても面白くて、(企画した自分が言うのも何ですが)大好きな連載でした。懐かしい。


コンテンツを制作、公開してくださった皆さん、本当にありがとうございます!

風穴さんの「も読」過去記事