【#も読】ShowNetトポロジー図 / ニコ生の再開記録 /  John Backusの講演録 / MDNにコントリビュート(@windhole)のトップ画像

【#も読】ShowNetトポロジー図 / ニコ生の再開記録 / John Backusの講演録 / MDNにコントリビュート(@windhole)

投稿日時:
風穴 江のアイコン

さくらインターネット株式会社 / フリーランスtech編集者

風穴 江

Xアカウントリンク

「あの人も読んでる」略して「も読」。さまざまな寄稿者が最近気になった情報や話題をシェアする企画です。他のテックな人たちがどんな情報を追っているのか、ちょっと覗いてみませんか?


こんにちは。風穴(かざあな)です。

「Web 2.0」が語られていた頃に、「ドッグイヤー」という表現が使われていました。犬の1年は人間の7年に相当することから、かつては7年かかった変化が、たった1年のうちに起こるという、時代の流れの速さに驚きを隠せなかったのです。いま、生成AIによって引き起こされている変化の速さは、それ以上でしょう。これは、何と呼べば良いかしら?

それでは、最近読んで良かったコンテンツ(の一部)を紹介します。

ShowNetのTopology図

https://www.interop.jp/2025/assets/file/e-web.pdf

以前、私の「も読」でも紹介したShowNetの、今年のトポロジー図です。ネットワークに興味がある人は、この図だけでいろいろ楽しめるでしょう。

今年は、数年ぶりにInteropへ足を運ぶことができたので、久しぶりにShowNetウォーキングツアーにも参加しました。これは、ShowNetを構築したエンジニアと一緒に会場を周りながら、今年の技術的なポイントについて解説してもらうという贅沢な時間です。有料プログラム(今年は1000円でした)ですが、お勧めです。

ShowNetのトポロジー図を読む際には、以下の資料も参考になると思います。

ニコニコ生放送がサービスを再開するまでの記録

https://dwango.github.io/articles/2025-06_docs_of_recovering_from_a_cyberattack/

2024年6月、株式会社ドワンゴのプライベートクラウドがサイバー攻撃を受け、「ニコニコ」の全サービスが停止する事態となりました。この記事は、その内の「ニコニコ生放送」について、開発担当者が、サービス再開までの道のりを詳細に語ったものです。学ぶべき点がたくさんあり、特にクラウドサービスの開発に関わっている人は全員読んだほうが良いと思わされる力作です。

攻撃によって受けた影響の大きさを考えると、2カ月でサービス再開にこぎ着けたのもすごいですし、それをこうして教訓として共有してくださったことにリスペクトしかありません。ありがとうございます!

個人的に特に共感したのは、チームについての件(くだり)です。


今回のような事態を乗り越えるためには、関係者全員が同じ目標を目指して力を合わせることが重要となり、

(中略)

そのためには納得感のある合意形成が欠かせません。

(中略)

復旧作業中は対応方針や課題についてチーム内外を問わず話し合わなければならない場面がしばしば生じましたが、日頃と同じように合意形成を積み重ねることで、物事を着実に進めていくことができました。


こうした非常時こそ、チームの底力が試されます。日頃からのチームワークが、いかに大切かを痛感させられます。

John Backusのチューリング賞受賞記念講演

プログラミング言語「FORTRAN」の開発者としても知られるJohn Backusが、ACMチューリング賞を受賞したときの講演(の翻訳)が、「bit」という雑誌の1979年9月号から11月号にかけて掲載されています。

タイトルは「プログラミングはフォン・ノイマン・スタイルから解放されうるか? 関数的プログラミング・スタイルとそのプログラム代数」。

「bit」は、1996年から2001年まで刊行されていたコンピュータサイエンスの雑誌で、コンピュータ分野の雑誌の草分けです。現在は、Amazonで電子版を購入することができます(税込198円/冊)。

John Backusの講演の原文はこちらで入手できます。

Can programming be liberated from the von Neumann style?: a functional style and its algebra of programs: Communications of the ACM: Vol 21, No 8

受賞したのは1977年なので、およそ48年前! その講演録をサッと読めるなんて、つくづくインターネットは素晴らしいと感じます。公開してくれたACMに感謝。そして、bitのバックナンバーを電子化して、今でも買えるようにしてくださった方々にも大感謝!

実は私、bitという雑誌のファンで、この業界に入った1990年以降、それより前のbitを神保町の古書店で漁って読んでいました(当時は、雑誌のバックナンバーを入手するのが難しかったのです)。この記事も、その流れで読んだ記憶はあるのですが、細部はすっかり忘れていました(当時の私の理解力の限界もあり)。今回、30年振りに再会して楽しめました(理解したとは言ってない) 。

きっかけは、にゃんだーすわんさんの投稿でした。ありがとうございます! こういうきっかけに出会えるSNSも素晴らしい!

MDN Web Docs に日本語翻訳でコントリビュートする

https://zenn.dev/u_tan/articles/dee192a68cc85e

MDNのドキュメント(MDN Web Docs)に、日本語への翻訳でコントリビュートする方法を解説した記事です。著者のうーたんさん曰く


「オープンなプロジェクトへのコントリビュートってハードルが高そう…」と思っている方も多いでしょう。しかし、翻訳コントリビュートなら、プログラミングのスキルがなくても参加できます。


まさに。この記事では、GitHubアカウントを作るところから、MDN Web Docsの翻訳環境構築、取り組む箇所を見つける方法、プルリクの作成まで、丁寧に解説してくれています。

この記事のように、「後に続く」人への道標となるような活動は、ムーブメントを継続するためには不可欠です。それなりに継続しているプロジェクトは、後に続く人たちへの活動ができているかどうか、たびたび振り返る必要があると気づかされました。ありがとうございます!


コンテンツを執筆、公開してくださった皆さん、本当にありがとうございます!

風穴さんの「も読」過去記事

プロフィール