Findyスキル偏差値や発信力レベルの上位者に、日々のアウトプットで得られた経験や継続のコツを尋ねる連載企画。今回のゲストは、スキル偏差値「Go 74.4」「TypeScript 74.3」「JavaScript 67.0」、発信力「レベル10」のsyumaiさんです!コミュニティ・勉強会の主宰や、技術関連の執筆を精力的に手がけるsyumaiさんへ、これまでのアウトプット活動の変遷や、継続のモチベーションを聞きました。
コミュニティ活動のきっかけは、強い危機感
― まずはアウトプット活動を始めたきっかけを教えてください。
syumai:新卒1年目で当時職場があった五反田周辺の技術コミュニティ「Gotanda.rb」「Gotanda.js」「Meguro.es」などに参加したのが始まりです。新卒で入社した会社が少人数のチームだったこともあり、「もっと視野を広げなくては」という強い危機感を覚えて、社外にソフトウェアエンジニアの知人がほしくて参加しました。
― 少人数チームゆえの危機感とはどういうことですか?
syumai:エンジニアの人数が限られていたため、新卒の私でも重要な意思決定に関わる場面が多かったんです。2016年当時、先端技術だったVR技術で勝負する勢いに惹かれ入社しました。Webアプリだけでなく、デスクトップアプリやスマホアプリなど、小さい会社ながら複数のプロダクトを開発していて、とても楽しかったんですが、同時に新卒1年目の自分が技術選定を行う機会も多く、「もっと良い選択肢があるんじゃないか」と常に模索していました。
技術選定を間違えれば、ツールやプラクティス不足で開発効率は悪くなるし、一緒に働くエンジニアを採用することも難しくなる。そうした責任の重さを感じる中で、自分の選択が正しいのか、答え合わせがしたいと思いました。
そんな危機感が社外に目を向けた理由です。それから1年後「Gotanda.js」で初めて発表することになります。だから、聞く側から話す側になるには、結構時間がかかりました。
メルペイ入社後、アウトプット活動は趣味に

「deno-ja」技術書典ブースの様子
― その後、執筆やコミュニティ主宰も行われますが、どのような変化があったのですか?
syumai:社会人3年目にメルペイに転職することになり、そこでtenntennさんなどGoエキスパートの方に出会いました。好きな技術を楽しそうに共有する人が身近にいることで、私のコミュニティ活動のモチベーションが、“危機感”から“趣味”に変化したんです。
― アウトプット活動は趣味だという意識になってから、どのような活動ができましたか?
syumai:いくつか印象的なエピソードがあるのですが、まずは『Software Design』に寄稿した記事が『エキスパートたちのGo言語』という書籍に収録され出版されました。この寄稿はtenntennさんが、一緒にやろうと誘ってくれたことがきっかけです。今年2月まで、同じく『Software Design』でCloudflareに関する連載をしていたのですが、これも当時知り合った編集部の方からいただいたお話でした。
それから「deno-ja」というDenoの勉強会を立ち上げて、活動の一環として技術書典にも出展したのですが、なんとDenoの作者であり、Node.jsの生みの親でもあるRyan Dahlさんが私たちの同人誌を見つけて「本が欲しい」とメールをくれたんです!

せっかくRyanさんが声をかけてくれたので、コミュニティ2冊目の同人誌「Denobook 02」では執筆者それぞれが自分のパートを英訳した特別版を制作し、アメリカにいるRyanさんに郵送しました。勉強会を始めた頃はこんなことがあるなんて、まったく想像していなかったので、コミュニティのみんなで本当に盛り上がりました!
コロナ禍でオンライン勉強会に切り替え
― すごいエピソード! 現在はオンライン勉強会の主宰も続けていらっしゃいますが、それはどんな経緯だったんですか?
syumai:オンライン勉強会はコロナ禍の影響です。まずは『Go言語仕様輪読会』を立ち上げ、2年弱をかけて隅々まで読み込みました。私はメルペイ入社時にはGo言語の知識はほぼなかったのですが、この勉強会のおかげで自信が持てるようになったんです。
それでTwitterにGoに関するクイズを投稿するようになってから、「Go言語マニア」と認知され始めたんだと思います。そのおかげで、Go 1.18のリリース時に開催された『Go Release Party』でリリースの内容をまとめて紹介する「What's new」の発表者を担当させていただくこともできました。
「Go Release Party」で初めて「What's new」を担当したときの登壇資料
また同時並行で『ECMAScript仕様輪読会』も始めたのですが、こちらはドキュメントが長いのでまだ継続しています。JavaScriptの使用人口はとても多いのに、この仕様書を読んでいる人はとても少ないので、それだけでも近い趣味の方に認識してもらいやすくなったと思います。
最近はオフラインの勉強会や懇親会が復活したので、自分が何に興味があるのか知っていてもらえると、話のきっかけにもなってとても楽しいです! 私がアウトプットを続ける理由は、こうして同じ趣味を持つ仲間や、私とは違う専門性を持つ方と、技術を通して楽しく話がしたい、ということが根源にありそうです。
期待や目標は持たずに、気軽な気持ちでスタート
― ベースマキナに転職されてから、登壇や記事執筆でお見かけする機会が増えたように感じます。
syumai:そうですね。株式会社ベースマキナは、管理画面を早く安全に立ち上げるローコードSaaS「BaseMachina」を開発・提供している会社です。自分でもとても便利な製品だと思うのですが、サービス立ち上げ当初、周りのエンジニアに全然知られていなくて、それが再び私の危機感になりました。
だから「BaseMachina」をもっと知ってほしいという思いで、意図的にカンファレンス参加や記事執筆などを増やしたので、露出機会は多かったと思います。
振り返れば私のアウトプット遍歴は、所属する会社と置かれた状況によって、目的やモチベーションが変化してきたと、まとめられるでしょうね。

「フロントエンドカンファレンス北海道 2024」登壇アーカイブ動画 より
― 10年のキャリアに沿って、様々な経験をされたのですね! ところで発信する側になろう、と思えたのはなぜでしょうか?
syumai:『Software Design』の執筆や「Go言語仕様輪読会」の立ち上げは、tenntennさんが火付け役でした。「やってみたらいいんじゃないですか?」と言われて、軽い気持ちで「おもしろそうだな」って。
何かを期待したり、目標を設定したりとかは特に考えず、始めはノリだったんです。それを続けるうちに同人誌がRyanさんに届いたり、イベントで登壇機会をもらえたり、『Software Design』でCloudflareにまつわる連載を持つことができたりと、とても貴重な経験に繋がりました。その積み重ねで、自分の知識が増えて、同時に仲間も増えたというのは、すごいおもしろいですよね!
あと「勉強会を開催する」とか「登壇をする」と宣言した時の、やるしかない圧力を利用しているところもあるかもしれません。言語仕様書を読むことは1人でもできますが、みんなでやるから継続することができたんだと思います。
― 他にもアウトプットを継続するコツはありますか?
syumai:発信の頻度を落とさないことは、すごく大事だと思っています。続けていると、そこから次の機会が生まれたり、新しいつながりができたりして、気づけば良い流れができてくるんです。
一度止まってしまうと再開するきっかけを掴みにくくなるので、自分の中の良いリズムを保つためにも、できるだけ一定の頻度で発信を続けるようにしています。
ただアウトプットをするためには、インプットが欠かせません。だから本質的には、継続的なインプットがアウトプット活動の主軸なんだと思います。
10年選手として若手のサポートをしていきたい

― この記事を読んでいる方の中には、アウトプット活動にハードルを感じている人もいると思います。なにかアドバイスはありますか?
syumai:会社やコミュニティなど周りのサポートを受けて、思い切ってやってみるといいんじゃないかなと思います。
ただ私が始めた頃より、小さい勉強会が少なくなってしまったので、登壇機会をつかむのは苦労するかもしれません。もし見つからなければ、チャンスを待つより、自分で勉強会を開くのもアリですよ!
― 勉強会を主宰する上では、なにかアドバイスはありますか?
syumai:友だち同士とか、小さい勉強会で始めるのが良いと思います。私が立ち上げた地域の技術コミュニティ「Asakusa.go」だと、初回の会場は区民会館ですよ。理由は、利用料がとても安かったから。それくらい、ハードルは低く設定すれば良いんです。
題材選びに関しても、自分が興味を持っていることであれば、何でもいいと思います。たくさん人を集めたいなら広めの題材を扱うようにして、逆に小規模でディープな会をやりたいなら、言語仕様やライブラリの実装を読むなど、技術の根幹を扱うといいと思います。あとは、技術書や記事、論文の輪読会もおすすめです。
― この12月にご転職されたと伺いました。キャリアと共に変遷したアウトプット活動でしたが、今後は何をしていきたいですか?
syumai:今年で社会人10年目、キャリアとしては中堅に入りました。そろそろ若い世代のサポートをしていく立場になれるといいかな、と思い始めています。私はこれまで出会ってきた素敵な先輩たちに背中を押してもらって今がありますし、世代を越えて技術の話をすることはとても楽しいので、こういう場所にきてくれる人を増やせたらいいなと思っています。
あと、新しい会社での仕事次第ではありますが、技術広報に貢献できることがあればうれしいですね。
― syumaiさん、ありがとうございました!

あなたもOSSやコミュニティ貢献など、アウトプット活動を共有してみませんか?
まずは、あなたの「スキル偏差値」&「発信力ランキング」スコアを確認してみましょう!(ご利用にはFindyへのログインが必要です)
