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4泊5日で3週間分の進捗!Sansan Contract One 開発チームを変えた集中合宿の力 -うちセミVol.4-

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ファインディ編集部

「うちのセミナー」略して「うちセミ」は、各社のエンジニア向け社内勉強会をのぞき見することで、開発組織文化やリアルな現場の雰囲気に迫っていく連載企画です。今回はSansan株式会社の取引管理サービス「Contract One」開発チームが実施した、4泊5日の開発合宿を取材しました!

年度末直前に行った合宿で、通常の倍以上の機能実装を一気にやり切った経験が、チームの一体感や勢いを生み出していました。Sansan第3の柱として期待される「Contract One」のプロダクト成長を支えるみなさんに、合宿前後で生まれた変化を伺いました。

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Sansan株式会社
設立:2013年
従業員数:2,014名。うちContract One Engineering Unit は15名(2025年8月31日時点)
事業内容:働き方を変えるAXサービスの企画・開発・販売 - ビジネスデータベース「Sansan」 - 名刺アプリ「Eight」 - 経理DXサービス「Bill One」 - 取引管理サービス「Contract One」の開発・提供


「2024年度下期 Contract One 開発合宿」
期間:2025年5月(5日間)
対象:Contract One Engineering Unit 配属のエンジニア
目的:生産量及び生産性の向上 / チームビルディング / コミュニケーション活性化 / 技術継承


Contract One Engineering Unit 部長の大島武徳さんと、同Unitの山邊直也さんにお話を伺います。

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合宿最終日に撮影した集合写真。山邊さん(一番、左)、大島さんは別件のため不在(画像提供:Sansan Tech Blog

生産量を向上させ、プロダクトを一気に加速

― まずは合宿を実施した経緯や目的を教えてください。

山邊:今年の4月、新卒研修の会場でPdMから「チームに新卒も入ったし、いいタイミングだから開発チームで合宿でもしたら?」という話が出たことがきっかけです。

Contract One Engineering Unit はリモートワークが多かったり、東京・福岡など複数の拠点からオンラインで集結しているため、対面で会う機会が極端に少ない環境です。だから合宿でコミュニケーションをとることが、開発速度の向上につながるのではないかと考え、当時のマネージャーに提案しこの合宿が実現しました。

大島:「Contract One」は、事業検証フェーズから事業部へと移行したタイミングでもあったため、チームの共通認識をそろえ、プロダクト成長を一気に加速させる機会として、合宿は非常に効果的だったと思います。

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合宿初日のインストールの様子。大島さんは本合宿の目的や期待する成果を伝え、Unit全体の方向性を示した(画像提供:Sansan Tech Blog

― 必要性はありながらも、実現にはハードルがあったかと思います。社内稟議が通ったポイントはなんでしたか?

大島:チームビルディングという定性的な目的だけでなく、定量的なゴールを設定することが重要だと思います。本合宿では来期に予定していたものも含めて、4つの機能実装をリリースすることをゴールに設定しました。通常のリリース頻度は週1〜2回程度なので、5日間の合宿で2〜4倍のアウトプットを上げると宣言したことになります。

山邊:合宿のゴール設定は私を含めリーダー陣で検討したのですが、“頑張らないとやり切れないけど、頑張ればなんとかやり切れるライン” を目指しました。結果的に予定していた4つの機能追加を完了できましたが、この絶妙なラインを見極められたのは、リーダー自身も現場でコードを書いていて、自分たちのスピードをよく理解していたからだと思います。この5日間は、体感で通常の2〜3週間分に匹敵するくらい生産量が跳ね上がりました。

大島:夕食後や就寝前にも、任意で集まって作業していましたよね。マネージャーの立場からすると心配もありましたが、これほど全員で集中することは合宿でしかできないことです。4泊5日という日数をかけたからこそ、これほどの成果を上げられたのだと、今振り返っても感じます。本当によくやってくれました。

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合宿のきっかけをつくったPdM尾花さんの発言。機能追加のリリースが前倒しして完了したことに、とても驚いていたそう(画像提供:Sansan Tech Blog

前向きな発言でチームの勢いが生まれた

― 合宿の前後でチームにどのような変化がありましたか?

山邊:合宿の予定が決まってからは、少し困難な課題やスケジュールでも「合宿があるから、いけるっしょ!」というような、前向きな発言が増えました。実際にやり切れたことで自信もつき、合宿を終えた今でもそのポジティブなその雰囲気が継続しているように感じます。

エンジニア職種は、“期末までにやり切る”というより、“期日内に最適な手法で実現する”ことが重視される働き方だと思うのですが、この合宿で期末の重要性を強く意識するようになったのは、成長プロダクトの開発組織として良い変化だったと思います。

大島:そうですね。明らかに “ここで一気にやるぞ” という勢いが生まれました。特に合宿でコミュニケーションを取りながら開発ができたので、意見を出し合いながら開発する空気感が醸成されました。この空気感はチームの文化として根付き、合宿から戻った今でも開発スピードと質の向上につながっています。

― 合宿中の出来事で、どんなことが印象に残っていますか?

山邊:やはり最終日のリリースラッシュが印象的です。各チームから次々とリリースされる度に、会議室では自然と拍手が起こりました。今でもメンバーとよく話しますが、この時の一体感と達成感は忘れられません。

大島:全員で1つのプロダクトに向き合う成功体験を、この1日に凝縮できたことがとてもよかったんだと思います。

また偶然にも、合宿中に「Contract One」初のテレビCMが放映されたことも、チームの結束力をさらに強めたと感じています。

「Contract One」は2023年にローンチして以来、事業として成立するか不安定な時を乗り越え、紆余曲折を経て現在に至ります。今回のテレビCM放映は、“会社に認められた瞬間” ともいえる出来事ですから、特に立ち上げから関わってきたメンバーにとっては、その思いはひとしおだったはずです。

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リリースラッシュを迎えた最終日の会議室にて。次回はモニターを増やし、さらに生産性を高めたいそう(画像提供:Sansan Tech Blog

― 様々な面で良い成果があったようですが、また合宿を行う予定はありますか?

大島:はい。次回は2025年12月末に、技術負債や運用改善をテーマにした2泊3日の合宿を計画中です。前回同様に定量的なゴール設定が合宿の成果を大きく左右しますので、何をどこまでやるのかをちょうど検討しているところです。

山邊:技術負債の場合は影響範囲が想定を超えることもあり得るので、慎重に選定しています。やりたいことはたくさんありますが、その後の生産性向上が予測できるものを優先的に取り組む予定です。

「Contract One」は、Sansan独自技術の集大成

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「Contract One」サービスページ(https://contract-one.com

― 「Contract One」はSansanの第3の柱として期待されている、というお話がありましたが、その理由を教えてください。

大島:契約書のデータ化には、そもそも非常に難しい課題があります。名刺や請求書のように、1ページ内で取り扱う情報がある程度決まっているものと比べて、契約書は形式に決まりがなく、多いものでは100ページを超えることもあります。こうした非構造の文書データから、活用可能なデータベースを正確に作成・格納していくところが、まず大きな挑戦です。

さらに、クライアント企業でAI活用を進めることを考えると、監査対応を含めた堅牢性が欠かせません。加えてAPI連携が増えていけば、データの扱いや認可設計など、セキュリティ上の課題も一層複雑になります。その結果、全体として考慮すべき技術要素が広がり、求められる設計レベルも自然と高くなっていきます。

この複雑な領域に対し、ビジネスデータベース「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」で培ってきた、AIと人のハイブリッドによる高精度な構造化技術を応用できるのは、Sansanの大きな強みです。これまで積み上げてきた技術を活かしてこそ実現できるサービスであり、これが第3の柱として期待される理由だと考えています。

― 技術的にもとてもおもしろいですね。今後どのような成長を描いていますか?

大島:「Contract One」の非連続な成長を支えるためにも、開発組織としては、生産量を3年間で10倍にすることを、心にピン留めして取り組んでいます。

今後は目に見えて成長が約束された事柄に限らず、不確実な事柄にも前向きに取り組まなければなりません。生産効率を上げ生産量を増やすという観点では、もちろんAI活用に注力しますが、それを加味しても、開発組織は少なくとも今の倍にならないといけないと考えています。

プロダクト志向でフラットな組織

― 今後、開発組織を拡大していくにあたって、どのような組織を目指していますか?

大島:小規模なチームがそれぞれ自走している、フラットな組織を目指しています。階層構造ではマネージャーの存在がボトルネックとなりがちですが、フラットな組織構造であればスケールしやすいと考えているからです。

ただその場合は、組織のカルチャーやアーキテクチャ思想が薄まってしまうというデメリットもあります。今後はフィリピン・セブを拠点とするエンジニアも参画するので、今よりも多数の拠点かつリモートワークでやりにくさもありますが、今回の合宿のようにみんなで話し合う機会を大切にして、プロダクトをつくっていきたいです。

― 山邊さんはSansanで他のプロダクト開発も経験されたと伺いました。他事業部に比べ、Contract One Engineering Unit で働く魅力はなんだと思いますか?

山邊:Sansanの中でも新しいプロダクトということもあってか、上下関係がなく、手を挙げればチャンスが回ってくるというのは魅力だと思います。新卒1年目でもツールを作成して配布したり、僕のコードレビューをする機会もあり、本当にフラットな組織です。

またSansanはプロダクト志向のエンジニアが多いと思うのですが、その中でも特にプロダクトに寄っていると思います。フィードバックの内容から要件を立てて、Biz側のメンバーと話し合いながら機能開発するなど、もはやPdMのような動き方をするエンジニアもいます。

契約書という複雑なドメインを扱っているからこそ、かなり深くまで飛び込む必要があるので、それが「Contract One」のおもしろみかもしれません。

大島:僕から見ても、プロダクトに対してのコミットメント意識がとても高いと感じています。エンジニア間だけでなくBiz側との距離が近く、広義でコラボレーションを実現しやすい環境です。プロダクトとビジネスの成長をより実感することができるので、そんな働き方を楽しめる方にジョインしてほしいですね。

Sansan株式会社 Contract One Engineerint Unit はエンジニア採用中

以上、Sansan株式会社の取引管理サービス「Contract One」開発チームが実施した開発合宿をレポートしました。

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