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Go Conference mini 登壇者を輩出!tenntennさんと学ぶアンドパッドのgopher会 -うちセミ-

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ファインディ編集部

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「うちのセミナー」略して「うちセミ」は、各社のエンジニア向け社内勉強会をのぞき見することで、開発組織文化やリアルな現場の雰囲気に迫っていく連載企画です。今回は株式会社アンドパッドで実施している、Go勉強会「gopher会」をのぞいてみました!

メインの開発言語はRuby on Railsですが、新規のマイクロサービスを中心にGoを使う機会が増えているそうです。技術顧問のtenntennさんを交えた勉強会は、Goの最新動向や言語の仕組みを「ラジオ感覚」で気軽に学べる場であり、みんなの「駆け込み寺」でした。


株式会社アンドパッド
設立:2012年
従業員数:896名(2026年2月1日時点)
事業内容:クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」の開発・運営

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「gopher会」
期間:2021年〜現在(継続中)
頻度:毎週水曜 10:00〜11:00
目的:Goに関する知見の共有 / 社内コミュニティ形成
対象:Goに関心があるエンジニア / 技術顧問 tenntennさん
形式:オンライン / 準備不要 / 聞くだけ参加OK / テーマの持ち込み歓迎 / 出席任意


「gopher会」を主催するテックリードの小島 夏海さんと、最近本勉強会をきっかけにGo Conference miniへの登壇が決まった鳴海 弘輝さんにお話を伺います。

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gopher会の様子。小島さん(左上)、鳴海さん(左下)、tenntennさん(右上)(画像提供:株式会社アンドパッド)

継続の秘訣は「頑張らない」こと。準備不要のラジオスタイル

― 「gopher会」を始めた経緯を教えてください

小島:4年ほど前に、技術顧問であるtenntennさんを交えてgopher会は始まりました。

最初はtenntennさんが作成された『プログラミング言語Go完全入門』を教材に、静的解析やコード生成の章を中心に解説してもらいながら、実際に問題を解く形式をとっていました。

現在はGoのプロポーザルを眺めることを中心にしつつ、Goに関連する旬なネタや困りごとについて、ラジオ感覚で気軽に意見を交わす形に落ち着いています。

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Goのプロポーザル画面

― 具体的には、どのような雰囲気で進めているのでしょうか?

小島:基本的にはtenntennさんと参加者が雑談しながら、気になる技術トピックを深掘りしていくスタイルです。 決まったテーマがなくても、「今日ネタないな〜」となれば、GitHubにあるGoのプロポーザルを一緒に眺めて、「次のバージョンでこんな機能が入るらしいよ」「なんでこの仕様になったんだろう?」と話すだけで、なんだかんだ1時間盛り上がって終わるんですよね。

鳴海:僕は去年から参加し始めたのですが、本当に聞いているだけでも最新の情報が入ってくるので助かっています。カメラオフで作業しながら聞いて、自分に関係ある話題の時だけ声をかける「聞き専」もOKなのがありがたいですね。

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最近取り上げたテーマ一覧(画像提供:株式会社アンドパッド)

― 講義形式などではなく、今のスタイルにしている理由はありますか?

小島:一番の理由は「継続コストを下げるため」です。 僕も過去に何度も読書会や勉強会を主催してきましたが、きっちりした形式の勉強会って、どうしても「準備」が大変なんですよ。業務が忙しくなると、その準備が負担になって、一人抜け、二人抜け……最後はフェードアウトしてしまう。そんな経験からも、できるだけ参加ハードルが低い場所にしたいと思っています。

鳴海: わかります(笑)。読書会って、大体「第1回」がピークで、回を重ねるごとに人が減っていきがちですよね。主催者側も、参加者の理解度に合わせてファシリテーションを考えたり、自分が一番読み込んでおかなければいけないというプレッシャーがあったりして、カロリーが高いんです。

小島: そうなんですよね。だからgopher会では、手ぶらでOKにしています。参加者はカメラオフで耳だけ参加でもいいし、BGM代わりに仕事をしていてもいい。その程よいゆるさこそが、4年以上継続している秘訣だと思います。

― tenntennさんも毎週参加されているのですか。

小島: そうですね。tenntennさんという「絶対的なエキスパート」がいることで、逆に心理的安全性が高まっている側面もあります。 社内には僕よりGo歴が長い人もいますが、tenntennさんと比べればみんな「初心者」みたいなものですから(笑)。

虚勢を張らず、純粋に「これはどういうことですか?」と聞ける。tenntennさんが持つ「言語開発の裏側の文脈」や「使用事例」などを共有してもらえるので、単なるドキュメント読み合わせ以上の価値、つまり「一次情報に近い文脈」を得られる場になっています。

「utilsパッケージはつくるべきか?」議論から学ぶ、技術選定の背景

― 鳴海さんは最近参加されるようになったそうですね。以前はフロントエンドがメインだったとか。

鳴海: はい。以前はVue.jsなどをメインに触っていて、実はGoを本格的に書くのは約5年ぶりという状態で、昨年の4月にGoを扱うプロジェクトへ異動してきました。 正直、5年も経つとGoのベストプラクティスも様変わりしています。キャッチアップしなきゃという焦りがある中で、このgopher会の存在を知り、参加してみることにしました。

― 実際に参加してみて、どのような学びがありましたか?

鳴海: すごく印象的だったのが、私が実務で迷った「utils(ユーティリティ)パッケージって、結局つくるべきなんですか?」という質問をした時のことです。 多くの言語で「便利関数をまとめる場所」としてutilsをつくることがあると思いますが、Goにおいてはどうなのか。

この質問に対して、tenntennさんや小島さんたちから、「Goにイテレータ(Iterator)機能が入ったことで、これまで自作していた関数の多くは標準で賄えるようになる」「だから安易にutilsをつくるよりも、必要な場所で実装する方が依存関係がきれいになる」といった回答が返ってきました。

単に「つくるな」「つくれ」という答えだけでなく、「なぜ今、その判断になるのか」という言語の進化の歴史や背景を含めて教えてもらえる。 一人でドキュメントを読んでいるだけでは、「流行っているからこうしよう」となりがちですが、ここでは「なぜそうするのか」という腹落ち感が得られます。これは実務でコードを書く上での学びになりました。

― 何か悩みがあれば、とりあえず持ち込める場所として機能しているんですね。

小島: そう言ってもらえるとうれしいですね。 アンドパッドは現在フルリモート開発が中心なので、どうしても「隣のチームが何をしているかわからない」という状況になりがちです。特にGoを書くエンジニアがチームに一人しかいない場合、相談相手がいなくて不安になることもあります。

だから gopher会は、部署やチームを越えた「駆け込み寺」みたいな場所になればいいなと思っています。新しく入った人がいれば「とりあえず水曜10時に来なよ」と声をかけて、横のつながりをつくる。そうやって「つながりを育む」のも、この会の重要な役割ですね。

gopher会をきっかけにカンファレンス登壇へ

― この勉強会がきっかけで、鳴海さんが「Go Conference mini in Sendai 2026」に登壇されることになったと伺いました。

鳴海: はい、まさか自分が登壇することになるとは思っていませんでした(笑)。 きっかけは、Slackのgopher会チャンネルで「今度、仙台でGo Conference miniがあるらしいよ」「プロポーザル出してみない?」という話題が出たことでした。

最初は他人事のように見ていたんですが、小島さんたちが「鳴海さん、今の業務のネタいけるんじゃない?」「壁打ち付き合いますよ!」と盛り上げてくれて、いつの間にか「じゃあ出してみようかな…」という流れに乗せられていました。

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鳴海さんがプロポーザルを出すことに決まった、Slackでのやりとり(画像提供:株式会社アンドパッド)

― まさにコミュニティの力ですね。どんな内容を提案されたんですか?

小島: 鳴海さんが持っていたネタが、すごく良かったんです。 テーマは「静的解析」なんですが、単に「linterをつくりました」という技術的な話だけでなく、「業務上の独自のルールを適用するために、既存のlinterをどうハックしたか」という、現場ならではの「ひとひねり」が加わっていたんです。 これはGoコミュニティの人が一番好む、「技術的探求」と「実用性」がセットになったネタだと思い、「これはいける!」と確信して全力で推しました。

鳴海: tenntennさんにも壁打ち相手になってもらい、「この切り口なら、既存のツールとの差別化もできるね」とアドバイスをもらいました。 一人で考えていたら絶対に「自分なんて…」と尻込みをし、出していなかったと思います。日頃から「技術の話をしてもいい場」「失敗しても受け入れてくれる場」があったからこそ、外へアウトプットする機会に繋がったんだと思います。

「建設DX」の実現のために、技術を深く知る

― 少し視点を広げて、アンドパッドの組織文化についてもお伺いできればと思います。アンドパッドといえば「建設DX」というドメインの強さが特徴ですが、そこにおける「技術」の立ち位置はどういったものでしょうか?

小島: アンドパッドには「幸せを築く人を、幸せに。」というミッションがあり、エンジニアも含めて全員がこのミッションに強く共感しています。 建設業界は、職人さん、施工管理技士さん、経理の方など、関わる人が多岐にわたり、法律や商習慣も複雑です。

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(画像提供:株式会社アンドパッド)

そのため、エンジニアであってもドメイン知識を深く理解しようとする姿勢が非常に強いです。現場の説明会に同席したり、建築関連の書籍を読んだりするエンジニアも珍しくありません。

ただ、だからといって「技術は二の次」かというと、全く逆です。 僕たちがつくっているのは、社会インフラに近い、巨大で長期的に使われるプロダクトです。「長く使い続けられる、変更に強いシステム」をつくるためには、道具である技術、特にバックエンドの要であるGo言語の特性を深く理解しておく必要があります。

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(画像提供:株式会社アンドパッド)

― 「技術への理解」が、結果としてプロダクトの価値に繋がるわけですね。

鳴海: その通りだと思います。 例えば、私が担当している「ANDPAD資料承認」というプロダクトでは、あるお客さまの事例で「年間60万枚の書類削減」を実現しました。これは、これまで紙で行われていた承認フローをデジタル化し、ハンコのための出社や書類の保管コストを無くした成果です。

こうしたダイナミックな業務変革(DX)を支えているのは、大量のトラフィックや複雑な権限管理を捌ききる、堅牢なバックエンドシステムです。 gopher会で「なぜこの設計にするのか」「なぜこのライブラリを使うのか」を突き詰めることは、趣味的な楽しさだけでなく、「社会課題を解決するための道具を、正しく研ぎ澄ますこと」に直結していると感じます。

小島: 「何をつくるか(What)」はもちろん大事ですが、それを「どうつくるか(How)」にも妥協したくない。 アンドパッドには、元職人など異色の経歴を持つメンバーもいれば、技術一筋でやってきたメンバーもいます。

共通しているのは、「本質的な価値を届けたい」という思いです。 事業への貢献を最大化するためにこそ、技術の深淵を知る。そのバランス感覚を持っている人が多いのが、アンドパッドのエンジニア組織の特徴かもしれません。

ARR100億から300億へ。この「過渡期」を楽しめるか

― 最後に、この記事を読んでいるエンジニアの方へメッセージをお願いします。

小島: アンドパッドは今、ARR100億円を達成し、次は300億円を目指すという、国内SaaS企業の中でも数少ない成長フェーズに突入しています。

組織もプロダクトも急拡大していますが、正直に言えば、まだまだ課題だらけです。レガシーな部分もあれば、新しくつくり直さなければいけない部分も山のようにあります。 でも、だからこそ面白い。「整った環境で働きたい」というよりは、「カオスな状況を楽しみながら、技術力やドメイン理解を深めたい」という方には、たまらない環境だと思います。

鳴海: 私のように新しい技術に挑戦したい方はもちろん、事業ドメインを深く学びながら、技術的な成長と社会への価値提供を両立したい方には、本当におすすめの環境です。 「技術も好きだけど、それを使って誰かの役に立ちたい」と思っている方には、最高の環境だと思います。まずはカジュアルにお話ししましょう!

株式会社アンドパッドはエンジニア採用中

以上、アンドパッドの社内勉強会をレポートしました。

アンドパッドではさまざまなポジションでエンジニアを募集しています。関心のある方は、以下の求人票をチェック&「いいかも」を押して、関心を伝えてみましょう。

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