「何から始めよう」「どこまでやればいいんだろう」——「エンジニア転職ガイド」は、転職準備から書類作成、面接、オファー、退職・入社までを、エンジニアキャリアのプロの視点で解説するシリーズです。順番に読むことも、気になる記事から読むこともできる内容になっていますので、ぜひご活用ください。
本記事は、エンジニア転職ガイド『ポートフォリオ編』(全3回)の第2回として、ポートフォリオに必須の項目と作成ツールを解説します。
ポートフォリオの役割や具体的な作成手順は、以下の記事をご覧ください。
→ 【ポートフォリオ編①】ポートフォリオとは? 他の書類との違いと役割をご紹介
📌 本記事でわかること
・ポートフォリオは完成形だけでなく「技術選定の理由」「開発プロセスと試行錯誤の過程」まで伝えることで、思考力・課題解決力のアピールになる
・GitHubや技術ブログと連携すると実績を立体的に見せられる。作成ツールは目的とスキルレベルで選ぶ
ポートフォリオの必須項目
ポートフォリオはすべての企業や選考で必須というわけではありませんが、用意するのであれば、どういった項目を載せると好印象につながるのかは知っておきたいところです。ここでは、おさえておきたい必須の項目を紹介します。
なお、ポートフォリオが必要になる場面や他の書類との違いについては、【ポートフォリオ編①】ポートフォリオとは? 他の書類との違いと役割をご紹介で解説しています。
ポートフォリオの必須5項目
1 プロフィールと経歴
2 スキルセットと技術スタック
3 制作物(プロダクト)の詳細
4 開発プロセスと試行錯誤の過程
5 GitHub・技術ブログとの連携
プロフィールと経歴
ポートフォリオのプロフィール欄には、履歴書や職務経歴書だけでは伝えきれない経験やスキルがあれば、あわせて記入するとよいでしょう。例えば、得意な分野やこれまで力を入れてきたこと、興味のある技術領域などを簡潔にまとめておくと、人物像が伝わりやすくなります。
また、基本的な情報も忘れずに記入します。氏名、連絡先、エンジニアとしての経験年数など、選考に必要な最低限の情報を整理しておくことで、採用担当者が確認しやすくなります。
スキルセットと技術スタック
職務経歴書にすでに記載している場合には必要ありませんが、使用できる技術も一覧で整理して掲載するのがおすすめです。プログラミング言語やフレームワーク、ライブラリなどをまとめておくことで、採用担当者がスキルの全体像を把握しやすくなります。
あわせて、経験の深さがわかるような工夫もしておきたいポイントです。例えば「実務で使用」「個人開発・学習で使用」などに分けたり、経験年数を添えたりすると、技術との関わり方がより具体的に伝わります。単に名前を並べるのではなく、「どの技術を、どの程度使ってきたのか」が伝わる形で整理しておきたいところです。
制作物(プロダクト)の詳細
ポートフォリオの中でも、制作物の紹介は特に見られやすい項目です。完成した画面だけでなく、どんな目的でつくったのか、どのような課題を想定したのかを伝えることで、理解を深めてもらえます。
また、制作物ごとに、概要や開発の背景、使用した言語・ツール、そしてそれらを選んだ理由を整理して記入するとよいでしょう。「なぜその技術を選んだのか」がわかると、考え方や判断力も伝わるからです。単なる制作内容の紹介で終わらせず、思考のプロセスまで含めて説明することが、好印象につながるポートフォリオの条件です。
開発プロセスと試行錯誤の過程(ストーリー性)
制作物の完成形だけでなく、開発の流れや試行錯誤の過程を記入しておくのもおすすめです。どこで悩み、どのように解決したのかを書き添えると、課題への向き合い方が伝わります。また、こだわったポイントや検討の内容は、現在のスキルレベルや成長意欲を示す材料にもなります。反対にうまくいかなかった経験も含めて整理することで、ストーリー性のあるポートフォリオになり、読み手の理解を深めることができます。
GitHub・技術ブログとの連携
ポートフォリオには、GitHubや技術ブログなど、実績を紹介しているWebサイトへのリンクを記入しておくと効果的です。ソースコードや動作デモを実際に見てもらえる状態にしておくことで、スキルをより具体的に伝えられます。あわせて「Findyプロフィール」を連携しておくと、スキル偏差値や過去のアウトプット履歴も共有できるのでおすすめです。
コードの書き方や更新頻度、解説記事の内容からは、技術力だけでなく学習姿勢や情報整理の力も伝わります。このようにポートフォリオと外部サイトを連携させることで、エンジニアとしての取り組みを立体的に伝えられるでしょう。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
より魅力的なポートフォリオにするためには、応募企業や自分の経歴に合わせて、アピールポイントを調整する視点が役立ちます。例えば、企業によってはUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザー体験)へのこだわりが見られることもあれば、技術選定の考え方や意思決定のプロセスが大切にされる場合もあります。また、自分の職務経歴の中で特定の分野(例:フロントエンド経験)が不足していると感じる場合は、その分野の取り組みや学習内容を厚めに紹介するのも1つの方法です。ポートフォリオは1度つくって終わりではなく、「どこを見てほしいか」を意識して調整することで、より伝わる資料になります。
ポートフォリオ作成におすすめのツール
ポートフォリオは、目的やスキルレベルに応じて、適した作成ツールを選ぶと進めやすくなります。ここでは、エンジニアのポートフォリオ作成に使われることの多いツールを、特徴とあわせて紹介します。
なお、昨今ではAIエージェントを使って、Webサイトの作成からデプロイまでを手軽に進められるようになってきました。ここでは汎用的なツールを紹介しますが、可能であれば独自に構築してみるのもおすすめです。
独自サイト構築(GitHub Pages, Vercel, Netlify)
独自サイトでポートフォリオを構築したい場合は、つくったWebサイトを公開できるサービスを利用する方法があります。代表的な3つのサービスの特徴を整理しました。
GitHub Pages
GitHub上に保存しているソースコード(リポジトリ)と連携してWebサイトを公開できるサービスです。ポートフォリオサイトとあわせてソースコードもそのまま見てもらえるため、「どんなコードを書いているか」を見てもらいたいエンジニアに向いています。
Vercel
Next.jsとの相性が良く、作成したサイトを手軽にWeb上に公開(デプロイ)できるのが特徴です。動きのあるWebサイトや画面まわりの工夫を含めて、制作物を見せたい場合に使いやすいでしょう。
Netlify
Webサイトを自動で生成するツールと連携しやすく、ファイルを用意するだけで公開できる点が特徴です。「まずはポートフォリオサイトを公開したい」という人でも取り組みやすい選択肢です。
それぞれ無料プランから利用できるため、使用している技術や、見せたいスキルに合わせて選ぶとよいでしょう。
ノーコードツール(STUDIO, Wix)
一方、プログラミングを使わずにつくりたい人には、ノーコードツールを使う方法もあります。画面操作だけでWebサイトを作成できるため、手軽に始めたい人に向いています。
STUDIO
デザインやフォントの自由度が高く、見た目にこだわったポートフォリオをつくりやすいのが特徴です。シンプルで洗練されたデザインに仕上げたい場合に向いています。
Wix
テンプレートや機能が豊富で、比較的短時間でWebサイトを完成させやすい点が魅力です。「まずは形にしたい」「更新や管理を簡単にしたい」という人でも使いやすいでしょう。
このように、ノーコードツールは技術力そのものを見せるというより、実績や経歴をわかりやすく整理して伝えたい場合に適した選択肢といえます。
プラットフォーム活用(Foriio)
さらに、できるだけ手間をかけずに用意したいなら、「Foriio」のようなポートフォリオ専用プラットフォームを活用する方法もあります。あらかじめ用意されたフォーマットに沿って情報を入力するだけで、短時間でポートフォリオを作成できるのが特徴です。
一方で、レイアウトや構成の自由度はそれほど高くありません。そのため、細かな技術的工夫や構成にこだわりたい場合よりも、「まずは形にしたい」「さっと用意したい」といったケースに向いている選択肢といえるでしょう。
エンジニアの場合は、「GitHub」や「Notion」などを使ってポートフォリオを公開しているケースも多いです。「Foriio」は、それらと比べて手軽さを重視したい場合の補助的な選択肢として活用するとよいでしょう。
💡 キャリアのプロからのワンポイントアドバイス
特に未経験や若手エンジニアの転職では、ソースコードを実際に確認できるかどうかが見られる場面があります。そのため、ポートフォリオ作成時には、「GitHub」のような、無料で使えるソースコード管理ツールを活用するのがおすすめです。実際のソースコードを見せながら技術レベルをアピールできたり、実装の考え方や設計意図について具体的に伝えやすくなったりするのは応募者にとってもメリットといえるでしょう。
ポートフォリオの作成で不安があれば、キャリアのプロに相談するという選択肢も!
ポートフォリオに何を載せれば伝わるかは、応募先企業や職種によって変わります。「この内容で十分か」「どこを厚めに書くとよいか」と迷ったときにおすすめなのが、エンジニアに特化したキャリア・転職支援サービス「Findy」です。
Findyには、専門的な技術・知識を持ち、企業の情報にも精通したユーザーサクセスメンバーがいるので、求人紹介や選考対策はもちろん、「まずはキャリアを整理したい」「壁打ち相手が欲しい」といった場面でも、希望に応じて活用できるのが特徴です。
気になった方は、無料で利用できる「ユーザーサクセス面談」でお気軽にご相談ください。
まとめ
好印象につながるポートフォリオは、成果物の見た目だけでなく、技術選定の理由や開発プロセス、試行錯誤の過程まで含めて伝えることで、思考力や課題解決力のアピールになります。GitHubや技術ブログとの連携も加えることで、エンジニアとしての取り組みをより立体的に伝えられます。ポートフォリオは1度つくって終わりではなく、応募先に合わせて「どこを見てほしいか」を見直していくと、より伝わる内容になります。
監修者
中村 弘平
Kohei Nakamura|ユーザーサクセス マネージャー
これまでにキャリアアドバイザー、組み込みエンジニア、ITコンサル企業の共同創業者・人事統括と、複数のフィールドを経験。共同創業した金融特化のITコンサル企業では、経営に携わりながらエンジニアの中途採用に従事した後、2023年10月にファインディ株式会社へJoin。エンジニア・人事・キャリアアドバイザー、そして経営・採用と多角的な視点を生かして、これまでに累計2,000名以上のエンジニアと面談をしてきた。現在はユーザーサクセスチームのマネージャーとして、エンジニア一人ひとりのキャリア支援に取り組んでいる。

