2019年11月28日、エンジニアを対象としたイベント「エンジニア転職の本音 〜はむかずさん(SoftBank)そのっつさん(ZOZO)が語る〜」が開催されました。
エンジニアの求人倍率は7倍とも言われ、転職活動においては売り手市場になってきています。エンジニアの転職をサポートするFindyは、1,000名以上のユーザーにお会いし、多くの方のキャリア相談に向き合ってきました。
その中で、最近ではエンジニアの転職先として、従来のメガベンチャーやスタートアップだけではなく、外資や大手企業も当たり前のように選択肢になってきていることがわかってきました。
そこで今回は、シルバーエッグテクノロジー株式会社からソフトバンク株式会社へ転職をしたはむかずさん、株式会社ディー・エヌ・エーから株式会社ZOZOテクノロジーズへ転職をしたそのっつさんをお呼びして、パネルディスカッションを実施。「エンジニア転職の今〜意外な転職先の真相に迫る~」というテーマで、新たな職場で働くお二人の本音を語っていただきました!
なお、2019年4月に開催されたこにふぁーさんとばんくしさんをお呼びした前回のイベントに引き続き、会場に来た人だけが聞ける“NO SHARE”のトーク部分はカットしてお届けします。
スピーカーのご紹介
はむかず・加藤公一 (@hamukazu)/ソフトバンク株式会社
博士(情報理工学)。修士は数学(代数幾何学)。
著書「機械学習のエッセンス」、監修「機械学習図鑑」
sonots・瀬尾直利(@sonots)/株式会社ZOZOテクノロジーズ
日本の大学を卒業後にアメリカの大学院(メリーランド大学)に進学。
帰国後、メーカー系企業にて組み込みシステムの開発に携わった後、2012年DeNAに入社。
サンフランシスコ勤務の後、mobageオープンプラットフォームのインフラ担当を経て、分析基盤部、AIシステム部でリードエンジニアを担当。1年半ほどPreferred Networks (PFN) との協業の縁でPFNに出向し、ディープラーニングフレームワークChainerの開発に携わる。
2019年1月にSREスペシャリストとしてZOZOテクノロジーズに入社。4月にMLOpsチームを立ち上げリーダーを務める。ZOZO CSIRT兼任。社外活動としてCRuby, Fluentd, およびChainerのコミッター。
【モデレーター】佐藤将高(@ma3tk)/ファインディ株式会社
東京大学 情報理工学系研究科 創造情報学専攻卒業後、グリーに入社し、フルスタックエンジニアとして勤務する。2016年6月にファインディ立上げに伴い取締役CTO就任。大学院では、稲葉真理研究室に所属。過去10年分の論文に対し論文間の類似度を、自然言語処理やデータマイニングにより内容の解析を定量的・定性的に行うことで算出する論文を執筆。
パネルディスカッション
2人とも転職活動の“軸”は、特になかった!?
―― まず最初に、お二人の自己紹介からお願いします。
はむかず氏:
はむかずこと、加藤公一(かとうきみかず)です。よろしくお願いします。僕はもともと、大学では修士まで数学をやっていました。卒業した時は修士で、社会人博士課程で博士号をいただきました。
大学卒業後は、日本ユニシスという大手のSIerに就職しまして、その後にシルバーエッグというベンチャー企業に転職。シルバーエッグ時代は、ずっと機械学習をやっていました。その後、今年の7月からはソフトバンクで働いています。
そのっつ氏:
瀬尾と言います。インターネット上では sonots (そのっつ) というIDで活動しています。オープンソースソフトウェアの開発など、いろいろやっています。
最初は日本の大学に通っていて、その時にプログラミングを始めました。その後、メリーランド大学というアメリカの大学院に行き、コンピュータービジョンなどの研究をしていました。
修士を取って日本に戻ってきてからは、メーカー系企業に就職。主に組み込みのソフトウェア開発をやっていました。それから、ちょっとWebをかじったあたりで転職して、Web系のDeNAへ。DeNAでは、モバゲーというゲームプラットフォームのインフラをやった後、分析基盤部に移ってデータエンジニアをしていました。この部署でAIも管轄することになり、その後AIシステム部という名前に変わりました。
そして、2019年1月にZOZOテクノロジーズへ入社しました。DeNAの時にやっていたことの延長で、4月にMLOpsというチームを作って、今は機械学習系のアプリケーションのデプロイする環境を、プロダクションで運用する環境を作ることをメインでやっています。
社外活動としては、Ruby、Fluentd、およびChainerというディープラーニングフレームワークのコミッターもやっていたりします。
――それでは、1つ目の質問に入りたいと思います。お二人が、これまで何を軸に転職活動してきたかについて教えていただけますか?
はむかず氏:
軸は何ですかと聞かれると、正直なかったんじゃないかと思っていて。最初にユニシスからシルバーエッグに移った時に、特に何もビジョンはなかったような気がするんです。ただ、自分の中ではやっぱりモノを作りたいという思いがあって、それが1つですね。
あと、ユニシスにいた時も、新しいプロジェクトを始めるとか、スタートの部分に関わることが多かったので、それもあってベンチャーの方が面白いかなと思った経緯はありました。
そのっつ氏:
私はこれまでに2回転職しているんですけど、その時に共通して持っていた軸があるかと言うと、私も特にないかなと思います。
1回目の時は、もともとメーカー企業で組み込みをやっていたんですが、「時代はクラウドだ」みたいな時だったので、ハードウェアからクラウドに繋ぐ仕事をするようになって。それでサーバーサイドのWebアプリの方を書くことになり、それをやるのであれば、組み込みの会社よりWebの会社に行った方がいいのでは、と思ったんです。
当時は、Webの経験が1年くらいしかなかったので、Webが強い会社に行きたいなと考えていました。強い先輩たちがいる会社に行って、自分のスキルを高めたいという気持ちで転職活動をしました。それで、DeNAを選びましたね。
2回目の時は、強い人がいるかどうかとかは、全然考えていなくて。私自身もある程度キャリアを積んでスキルが高まってきたので、むしろ私が新しい会社で技術的にリードしていくくらいの気持ちで、会社を選びました。なので、転職の軸は全然共通していないと思います。
業界はどこでもいい、重視するのは“キャリア”や“技術”
――転職を考えるにあたって「業界・キャリア・技術・働き方」など、さまざまな要素がありますが、お二人はどのように優先度を決めていましたか?
そのっつ氏:
その中で言えば、私はキャリアは重視していますね。今後廃れるような技術を使い続けて、キャリアの可能性が狭まってしまう会社ではなく、これから発展していくような技術を使って働ける会社、というのは考えていました。
業界でいうと、今回の転職ではAI系の企業に行くか、Web系の企業に行くかは結構悩みました。結果的に、Web系の企業にいるんですけど。そういう意味では、別に業界を絞っていこうとは、あまり考えていなかったです。
――Web系とAI系、どちらの企業を選ぶかについて、どのような考え方で決められたのでしょうか?
そのっつ氏:
自分のキャリアでは、DeNAの時に培ってきたWeb系の技術の方が、やっぱり強いんですね。最後の1年半くらいはAIエンジニアのような感じで、Chainerの開発などをやっていましたけど、その1年半を軸にしてAI企業に移った時、自分のキャリアがゼロからのスタートになるなと思ったんです。
でも、どうやらAIベンチャーは給料が良いらしいと。なので、AIベンチャーからもオファーをもらいつつ、現職で話を聞いてみたら、それに負けないくらいの額を提示いただけて。であれば、キャリアをゼロから積み直すよりは、自分の強みを活かしてやっていく方がいいだろうと考えました。
はむかず氏:
AI系の会社というと、コンサルをやっている会社が多いイメージがあるんですが、どうですか? 働き方が全然違うんじゃないかなと思って。
そのっつ氏:
そうです、そういう会社が結構多かったですね。たしかに、そこも少し気になっていたポイントでした。
――はむかずさんは優先度について、どのように考えられていましたか?
はむかず氏:
僕は業界は全然気にしてないです。どこでもいいです。キャリアと技術って、かなり関係が強いと思っていて、良い技術・面白い技術をやっているから、キャリアや競争力に繋がったりするものだと考えています。
そういう意味で、技術は大事だという気がします。ただ、キャリアとして考えるには技術以外の面もいろいろとあります、例えばさっき話題に出たようにコンサルをやるか、自社開発するかとか。そういう仕事の内容も重要だと思っています。
僕は働き方については、結構重視します。やっぱり時間に対してフレキシブルな方が良いですし。ちなみに、ソフトバンクは月に何日か自宅勤務ができるので、そういうところも良いなと思いました。
悩んでも仕方がない、転職活動の悩みは“自分で解決”
――お二人は転職活動中の悩み事があった時、どのように解決してきましたか?
そのっつ氏:
そうですね……。友人に話してみて、どう思うか聞いてみたりもしましたが.....特に“解決”はしなかったですね。
はむかず氏:
今回の転職に関しては特に悩みはなく、自分で考えたという感じです。悩んでも仕方がないし、どこかで決断するしかない。決断して、もし失敗したなと思ったら、次の転職をすればいいやと思ってました。
前回の転職は、今から7~8年くらい前なんですが、LinkedInというサービスがありますよね。あれで僕、自分のプロフィールを英語で書いていたんです。シリコンバレーのベンチャーの方と交流する時に、名刺代わりに交換するんですが、アカウントを教えたら「お前、何も書いてないじゃないか!」って怒られたんですよ(笑)。それで慌てて書いた。
それからしばらくしたら、外資系のエージェントさんから声が掛かって。その時に、LinkedInの書き方を「こうやって書いた方がいいよ」といろいろ教えてもらって、それがすごく役に立ちました。
――そのっつさんも、英語でLinkedInにプロフィールを書かれていますか?
そのっつ氏:
そうですね。LinkedInには英語で書いてます。今回の転職でも、ZOZOには英語の履歴書を送りました。
はむかず氏:
僕もソフトバンクに英語の履歴書を書いて送ったんですけど、「すいません、日本語でもらえますか?」と言われました(笑)。
2人が転職に対する考え方を発信する理由とは?
――今回、お二人にお声掛けさせて頂いたのも、転職に関してSNSやブログで発信されている方だという背景があります。どうしてそういった発信をされているのか、教えていただけますか??
はむかず氏:
簡単に言うと、世の中のためにやっているような感じはあります。Twitterに書いた内容としては、さっき話したような転職で何を重視するかとか、そういった話を書いたような気がしますが、よく覚えてないです。
そのっつ氏:
僕も転職ブログに関しては、みんな書いてるから書こうかなと思ったぐらいで、何かすごい意欲があるとか、バズってやろうとか、そういうのはなかったですね。
――今年の頭くらいにブログを出されて、エンジニア界隈でかなり話題になりました。その後の反響はいかがでしたか?
そのっつ氏:
Twitterのフォロワー数は増えました。1000くらいは増えたと思います。
はむかず氏:
僕も転職ブログはそのうち書こうかなと思っているんですけど、そのうちと思っている間にずいぶん日が経ってしまいました。ソフトバンクに移った経緯とかを書こうと思っていたんですけど、なかなか時間がなくて。
転職後、入社前のイメージとのギャップはあった?
――転職後、入社する前のイメージとのギャップを感じる部分などはありましたか?
そのっつ氏:
入社前にZOZOテクノロジーズの状況を聞いた時は、第二創業期という位置付けだとのことでした。もともとスタートトゥデイ工務店、VASILY、カラクルという3社があって、それらを合併して新たな会社を発足し、いろいろ社内の制度を整え直したり、社内ツールを入れ直したり、そういうことをやっている時期です、と聞いていたんです。
いろいろ課題を解決しないといけない状況の中で、自分の力を発揮するつもりで入ったんですが、いざ入ってみたら思ったよりすでに整っていて。ツールもOffice365だったのが、G Suiteに切り変わったり、制度はフルフレックスタイムやフルリモートワークの導入が検討されていたり。
もう既にいろいろ整っていて、そこは少しだけがっかりしました。良いことなんですけどね。良いことなんだけど、ちょっとだけがっかり(笑)。
はむかず氏:
40人くらいの会社から数万人規模の会社に移ったので、まずオフィスがデカいんですよね。入社初日はTwitterで実況していたんですが、いろいろ手違いもあったりして、まず自分のデスクにたどり着くまでが大変だったりとか(笑)。
入社してしばらく経って、今はすごく会議が多くて。やっぱりAIの専門家という風に見られているので、いろんな会議に出てくれと言われるんですね。そうすると、違う部署に行ったりするのに遠いんですよ。フロアも広いし、エレベーターも待たなきゃいけなくて。結構そのあたりは不便だなと。
ただ、仕事の面に関しては、そんなにギャップはないかなと思ってます。大企業だから意思決定や事務手続きのところで大変な面もあるかなと思っていたんですけど、そうでもなかった。部署ごとによって違いはあるかもしれませんが、やっぱりソフトバンクは大企業の中では早い方だなと思いますね。
自身の価値を高めるには、“スキルの掛け算”が重要
――それでは、最後の質問です。今後転職を考える方は、どんなことから考え始めたらいいでしょうか? ご自身の経験を踏まえて、お話いただければと思います。
はむかず氏:
先ほどLinkedInのエピソードをお話ししましたけれども、あればすごく良い経験だったと思っています。つまり、今すぐ転職しようとは思ってはいなくとも、履歴書をちゃんと書いておく、というのは良いことだなと。
――履歴書を書かれる上で、重視したポイントはありますか?
はむかず氏:
LinkedInは英語の文化で、特に米国のエンジニアの文化が強いんですね。だから、日本式のフォーマットが決まっている紙の履歴書とは、何をアピールするかが全然違う。部署がどうとか、何という部門にいるかとか、そういうのはどうでもいいんですよ。こういうことを経験しましたとか、これをやりました、というのが重要なんです。
あと、海外でエンジニアの集まりやMeetupイベントに行くと、「あなたはこれができるから」という感じで盛り上がって、転職するわけではないんだけれども、それをきっかけにプロジェクトを始める、みたいなこともあって。そういう使い方もできるので、自己紹介するツールとして良いんじゃないかなと思います。
――そのっつさんは、どんなことから転職を考え始めましたか?
そのっつ氏:
自分は、これからのキャリアをどうするかということを考えて、どういう会社に行くかを考えた感じですね。先ほどお話したAIベンチャーに行くか、Web系の会社に行くか、という選択についても、今後のキャリアを考えて、どちらの方が希少性が上がるか、自分の価値が高まるかということを考えたりしました。
――希少性というところで、今はこのあたりが狙い目なんじゃないか、と思われる仕事はありますか?
そのっつ氏:
今の時代だと、やっぱり増えているのはML系の人たちですね。特に足りていないのは、うちのチームがやっているような、MLOpsやML系のプロダクトをどうやってプロダクションに乗せていくかという部分。
プロダクションに乗せるまでの壁がすごく高いんです。そこを解決していくことを専門にやってるチームがいる会社というのは、まだ日本に少ない。けど、みんな必要としているんじゃないかなと思います。
はむかず氏:
スキルの掛け算が重要だと思いますね。つまり、機械学習を知っているというだけでなく、その先読みができるとか、ちゃんとAPI化できるとか。
僕は、MLOpsというほどのことはやってないのですが、研究開発部隊でモノを作ってきました。でも、プロトタイプを作って、コマンドラインアプリとかを見せても、なかなかプレゼンテーションとして有効ではない。社内でも、これがすごいんだってことを上手くアピールできないんです。
だから、JavaScriptとかも勉強しましたし、そういうのが掛け算で効いてくることはあると思います。僕でいうと数学ができて、機械学習もできるというのも掛け算で効いていますね。
来場者からの質問に答える質疑応答タイムへ
――ここからは、来場者からの質問に答えていきたいと思います。1つ目は、「転職の時に譲らなかった条件と妥協した条件は何でしょうか?」です。
はむかず氏:
妥協してないです。
そのっつ氏:
自分もほとんど妥協していないですね。
はむかず氏:
あ、1つだけ妥協しました。勤務地です。家から近い方が良かったんですけど、汐留はちょっと遠くて。1時間弱くらいかかってます。
――続いて、「エージェントは使われましたか?使ったとしたらどこですか?」
そのっつ氏:
結局、最後まで選択肢に残ったのは、知り合い経由の会社だけでしたね。ZOZOに関しては、前澤さんがツイートで募集していて、その経由で出てきたのがRuby界隈で知っていたVPoEだったという。エージェントも使ったんですけど、選択肢に残らなかったです。
はむかず氏:
僕もそうですね。ソフトバンクからは、直接お声掛けいただいていました。エージェントも使って、エージェント経由で内定も頂いていたんですけど。
自分のポリシーとして、LinkedInで直接連絡が来た会社は、明確に違うなと思わない限り、だいたい会うようにしているんですよ。それに対して、エージェント経由だと玉石混交というか、山ほど来るので全部は会っていられないかなという印象です。
――「社風はどうやって把握しましたか?」
はむかず氏:
今でもわからない(笑)。
そのっつ氏:
僕も把握はできなかったですね。やっとわかってきたかなという感じです。
――「転職されたきっかけは何ですか?個人的に、はむかずさんがソフトバンクに釣られたと知った時は驚きました」
はむかず氏:
「はむかずさん、ソフトバンクなんですか!」というのは、すごい言われて。まさか大企業に行くとは思ってなかったみたいで、みんな驚いていました。
でも、ソフトバンクって社内ベンチャーとか、すごくいろいろやっていて、いろんな会社を買ったりもしていますし、新しいことはいろいろできる環境があります。マインド的にはそういうところなので、全然合っていると思います。
そのっつ氏:
転職のきっかけは、1つありました。Twitterで知り合いに声を掛けられたことがあって、それで1度、転職活動を始めたんです。その話は最終的に、申し訳ないことにお断りしてしまったんですけど。その時に、どうせだからいろんな会社を見てみようと思ったのが、きっかけでした。
――「エンジニアとして市場価値を高めるには、今どんなスキルをつけるのがおすすめですか?」
はむかず氏:
それは先ほどお話したように、大事なのは掛け算で考えること。Aという技術だけなら、Aで日本のトップを目指さないと難しい。Aもできて、Bもできて、Cもできる、みたいな形を目指せた方が価値は上がると思います。
――「転職時に給与を上げるコツは?」
そのっつ氏:
お金は、持っている会社は持ってますよね。自分のスキルが同じでも、その会社にとっていくら払えるか、その会社から見た自分の価値というのは、会社によって本当に変わるなという印象を持ちました。なので、そういう会社を探すのがコツじゃないでしょうか。
――Findyでもいろいろな業界を見ていますが、給料を上げたければ儲かっている企業・儲かっている業界に行く、というのは鉄板ではありますね。
はむかず氏:
僕の場合、割と早い段階から年収の話を聞かれることが多く、そのとき「いくら以上欲しいです」とはっきり伝えていました。それで内定が出たら、だいたいそれくらいもらえるんですよ。選考する側の人も、スキルと年収を照らし合わせて、条件が合わなければ途中で切ってくれる。実際に採用のプロセスの中で、「その年収は出せません」と正直に言っていただけた会社もありました。
そのっつ氏:
自分も今回の転職では、最初に希望額を提示していました。そもそもエンジニアのランク制度などで、給与レンジが決まっているという会社も結構あるので、最初に聞いていましたね。
はむかず氏:
今が嫌だからといって衝動的に転職活動してしまうのはやめた方がいいと思います。僕は、転職は2回しかしていないんですけど、若い頃に衝動的に辞めたくなって転職活動して、あまり上手くいかなくて断念した経験もあります。
エージェントさんと相談する際も「今すぐやめたい」という雰囲気を強く出してしまうと、どうしても足元を見られがちになって、あまりいい話が回ってこないと思うんです。だから、そこはちゃんと考えた方がいいです。
――「転職先でやりたい仕事が確実にできるという確信はいつ得ましたか?」
そのっつ氏:
面接時にはわからなかったです。その後、VPoEとTwitterのDMでやりとりして、その段階でわかったので、「行きます」と。
はむかず氏:
僕もそんな感じで、内定を頂いてからいろんなチームの方と話をしたり、面談の時間をもらったりしました。ただ、やりたいことができるという確信に関しては、今でも持てないです。
でも、それは会社にやらせてもらうのではなく、今シニアのポジションなので、自分でやるということなんですよ。そういうことが求められていると思います。
――お時間となりましたので、質問は以上となります。最後に、これから転職活動を考えているエンジニアの方々に向けて、お二人からメッセージをお願いします。
そのっつ氏:
自分の好きなこと、自分の得意なことを探して、自分の価値が高まるように勉強や活動をしていけば、良いキャリアになるんじゃないでしょうか。
はむかず氏:
社内や上司の顔ばかりを見て仕事をするのは、良くないですね。ちゃんと市場を見なくてはいけない。こういうところに来ている人は、いろんなことを知りたいという気持ちがある人たちだと思いますけれど、やっぱり外を見ることは大事だと思います。
それから、転職活動をして、最終的に転職しなくてもいいんですよ。それがきっかけで、自分の価値がわかるという面もありますから。まったく転職する気がないのに転職活動をするのは相手の会社に失礼ですが、転職を考える気持ちがちょっとでもあれば、いろいろやってみるのは良いと思います。
――――以上でパネルディスカッションは終了となります。はむかずさん、そのっつさん、ありがとうございました!
パネルディスカッション後は、懇親会へ。来場したエンジニアの皆さん、そして登壇者のお二人も交えた交流で賑わいを見せる中、本イベントは終了となりました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました! よろしければ、エンジニアの皆さまはFindyでご自身のスキル偏差値を測定してみてください。
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