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hikaliumさん──自作OSに出会えたから、今がある

全国から「尖った」若者が集まることで知られる「セキュリティ・キャンプ」(※1)。それを2016年に生徒として受講した翌年に、講師へと抜擢され「OS自作」などのゼミを担当してきたhikaliumさん。小説仕立てでOSについて学べる「OS Girls」シリーズを発表するなど、多才な活躍を見せている。
(※1)セキュリティ・キャンプは、学生に対して情報セキュリティに関する高度な技術教育を実施し、次代を担う情報セキュリティ人材を発掘・育成する事業です。

プログラミングとの出会いは、小学5年生。伝説の名著「30日でできる! OS自作入門」に出会ったことで、世界が大きく動いていく。

「すっかりハマってしまいまして。しばらくはずっと、この本をやってました」

「最初は、一通り文章を読んで、最終日のやつを起動して、背景の色を変えて……みたいなことをやってから、本に沿って写経するみたいな感じでなぞっていって、それを何サイクルも繰り返して」

「(そうやって写経していると)だんだん書き方が分かってくるんですよね。あまり詳しく説明されてないことでも、書いて、動かして、あれ動かない……となって、付属のソースコードと比較してみると、ああ、こう書くんだとか、ここはtypoしがち、みたいなことが分かってくる。iとjとか」

何でも軽々と理解して、さくさく進んできたのかと思いきや、意外にも、そうでもないという。

「(同じころに)C#もかじってました。GUIのアプリを作りたかったんですが、分厚い本を買ってやってみても、いまいちよく分からなくて。ボタンを配置してゴニョゴニョするみたいなのはできたけど、そこから結局どうすれば良いのか、よく分からなくて」

結局、C#は(そのときは)投げ出してしまったという。

「本当に詰まったら、投げますね。しばらく。でも、投げてると、またやりたくなってくるんで、それで戻ってくると意外と分かったりする、みたいなことはある気がしてます。寝かせるのも大事」

今後、やってみたいことは?

「Linuxを置き換えたいっていう野望はありますね」

「OSって、割と歴史の積み重ねじゃないですか。(今となっては)辛い部分もたくさん見えてきちゃって、そろそろLinuxは賞味期限切れなんじゃないかな、と思う気持ちもある。それを置き換えられたら、滅茶苦茶面白いなと思いながら、でも、それは簡単なことではないんだなって」

「自分は、自分の作りたいものを作っていればそれで満足なタイプではあるんですけど。でも、何だろう、一方でそれを人に広く使ってもらうっていうのは、また別の難しさがあるじゃないですか。それを何か、もう少し上手くなりたいなっていうのは、ちょっとだけ思ったりしますね」

(了)

hikalium
https://twitter.com/hikalium
いま興味があること:「どうやったら人間がハードウェア(肉体)から自由になれるか」


取材・執筆・文責:Ko Kazaana
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部

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