Findy Engineer Lab

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安達 涼さん──「ありがとう」の言葉が何よりのモチベーション

インフラ・SRE領域の人材不足が叫ばれるなか、技術情報の発信、登壇、教育活動、OSS活動に奮闘しているadachinさん。大規模なオンプレミスからクラウドまでを網羅するインフラ担当からキャリアをスタートし、現在はSREとして本業に限らず、個人事業主としても活動している。

「10年前と比べると、インフラに関連した技術ブログや技術書も分かりやすいものが増えてきました」

「僕自身、インフラエンジニアになった当時は情報が少なくて困りました。技術的な問題でつまづいたとき、すぐさま解決してくれるようなブログもなかった」

だからこそ、現場レベルでの経験をもとに技術の検証をしながら、一目で問題解決の糸口を見つけられるブログを発信し続けてきた。これまでに個人ブログで500記事以上、備忘録サイトも含めると1,000記事を超えており、月間数万PVにもなるという。イベントで「インフラ周りで困ったときに参考にしています!」と声をかけられることも多く、継続のモチベーションにもなっている。

自らを「元気の源」と話すadachinさん。人を惹きつける不思議な魅力の持ち主だ。

「人と話すのが好きで、とりわけ何かを教えることが得意なほうだと思う」

教えたい人、学びたい人のオンラインマッチングサービス「MENTA」で、2018年から続けているメンターとしての活動。累計300人を超える駆け出しエンジニアの成長をフォローし、転職を大成功させてきた。これらの実績が評価され、MENTAから全体の上位1%に与えられるゴールドバッジを獲得している。

「技術力を上げるにはどうすればいいのか、転職活動がうまくいかない、といったキャリアの悩みが多いんです。真摯に話を聞いてあげて、僕に出会うことで、いい刺激を与えたい」

「メンタリングによって自信を持てた弟子たちから、"ありがとう”の言葉をもらえるのが嬉しくて、今も活動を継続しています」

「弟子たちがインフラエンジニア・SREとして仕事を任され、技術的に困ったら、いつでも僕がフォローをしていく。そして人材不足も解消されていく。そんな未来がやってきたらいいなと思っています」

これからの時代、インフラエンジニアに求められるスキルセットが大きく変化している。従来のハードウェアやネットワークに関する深い知識だけでなく、ソフトウェア知識やプログラミングスキルも幅広く必要とされるようになってきた。また、新しい技術を学ぶだけでなく、問題解決のアプローチやビジネスへの影響を考慮するソフトスキルも重要視されている。

今後は技術の進化と業界のニーズの変動に伴い、多様な技術領域と生成AIを組み合わせて対応できるようになることが必要、と断言するadachinさん。

「そんなとき、困った弟子たちに基礎的なフォローをしてあげたい。皆が自分自身をブランディングしてファンを作り、それぞれが幅広い技術力を持って活躍できるように手助けしたい」

「やりたいことは膨大にありますが、技術情報の発信やメンタリングは今後も継続しつつ、さらに初級者向けの情報発信やコミュニティにも力を入れて盛り上げたいですね」

自身の活動を通じて、未経験からインフラエンジニア・SREになるハードルを下げたい。その思いを胸に、日々周りにパワーを与え続けている。

取材・執筆・文責:河原崎 亜矢
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部