ITエンジニアと一口に言ってもフロントエンド、サーバーサイド、インフラ、QA、マネジメント……など、ポジションやキャリアにはさまざまなルートが。使う技術やツールはもちろんのこと、面白さや考え方も異なります。「なぜ、どういうきっかけでその道に進むことになったのか」「何がやり甲斐なのか」には、人それぞれの答えがあるものです。
いろいろな人から自分なりのキャリアの選び方を伺うことで、テックの世界の知見を共有する企画「みんなの"◯◯エンジニアになった理由"が聞いてみたい!」。
今回はウェルスナビ株式会社 安部さんにSREになった理由を、LT形式で発表していただきました。
自己紹介
SREを担当している安部と申します。職種としてはPlatform Engineerやインフラエンジニアとも言えるかもしれませんが、職種名にはあまりこだわりはありません。
ウェルスナビ株式会社のシステム基盤チームで、新規プロダクト向けの基盤設計・構築や、既存プロダクトの運用改善、開発・運用プラットフォームの設計・構築などを行っています。
エンジニアとしてのキャリア
大学時代は機械理工学を専攻していました。研究の過程で画像処理を扱う際にプログラミングに触れる機会があり、面白いと感じました。
周囲の多くは自動車メーカーに進む中で、私はIT分野に興味を抱きました。また、当時はコンサルティング業界にも興味を持っており、「大手SIerであれば要件定義から実装・運用まで一貫して経験でき、ITコンサルタントに近い役割を担える」と思い、就職しました。
SIerには約5年間所属し、主に金融系システムのプロジェクトに携わりました。
1年目はJavaを用いたアプリケーション開発に従事し、2年目以降は開発チームとインフラチームの中間的なポジションで、障害運用設計やパフォーマンス向上施策、開発と運用の橋渡し役としての活動などに取り組みました。
経験した技術としては、SIer時代に使用していたJavaや、現職で主に使用しているGo、インフラ関連ではAWS、GCP、Azure OpenAI、それをコード化するTerraform、Kubernetes、ArgoCD、GitHub Actionsなどがあります。
SREになった理由
私がSREになった理由のひとつは、先にお話しした前職での経験・スキルが活かせたことです。
もうひとつは、より柔軟なアプローチでシステム設計や運用に取り組みたいという思いです。AWSやGCPなどを学び、「これらを活用すれば高品質で効率的なシステム構築ができる」と感じていたものの、実際に活用する機会は限られていました。
また、スケジュール管理やコスト管理、顧客折衝といったマネジメント業務が増え、技術に触れる時間が減ってしまったことも一因です。「マネジメントだけでなく、技術的な取り組みも続けたい」という思いがありました。
まとめると「経験が活かせる」「新しい技術やサービスを活用できる」というところで、現職のSREになっています。
SREの楽しさ / 大変さ
現在は社内のさまざまなプロジェクトに関わり、多様な技術やサービスに触れる機会が多く、常に新しい発見があります。
個人的に好奇心は大事だと思っており、この点で現職は私に合った環境だと感じています。自動化や新しい仕組みの導入によって、サービスの信頼性向上や開発効率の改善などに貢献できるのはやり甲斐を感じるところです。
とはいえ、新規開発と運用改善のバランスを取ることはやはり難しく、課題だと感じています。開発メンバーのニーズをしっかりと理解して、使い勝手の良いプラットフォームを提供していきたいです。
SREという立場上、システム障害が発生した際には迅速な対応が求められるため、責任を持って取り組む必要があります。インシデント後の振り返りや改善、さらには障害を未然に防ぐためのプロアクティブなリスク管理も重要です。
質疑応答
――SREやPlatform Engineer、インフラエンジニアは扱う技術の幅が広い。いろいろな技術に触れられる楽しさの反面、難しさは感じない?
確かに、すべてに精通するというのはなかなかできない領域で、常に学ぶ必要があると思います。私の場合は難しさによるつらさよりも、好奇心による楽しさが上回っている感じです。
自分の得意分野を追求したいエンジニアの方もいると思うのですが、私の場合はいろいろなことができる環境が合っていると思います。