海老澤健太郎さん──仲間を増やしていくことが次につながる

ネットワークのパケット制御に特化したプログラミング言語「P4」。それにいち早く着目し、日本語による情報発信を続けてきた。

大学卒業後、プロのミュージシャンを目指して活動するも1年で挫折。当時、流行り始めていたインターネットが面白そうと、プログラミングもネットワークも未経験ながら、海外製のネットワーク機器を扱うインテグレータに就職する。その後、NetApp社のサポートエンジニアになったことが転機となった。

「日本のお客さんの緊急度が結構高かったので、少しでも早く対応するために、自分でもちゃんとコードを見て、GDBとか使ってデバッグしたりするようになりました」

「(そうやって)仕方なくプログラミングを覚えていきました」

その後、何社かの外資系のベンチャー企業を経験し、それぞれで飛んできたボールを打ち返しているうちに、Microsoft Exchangeのマイグレーションから、FPGAベースのOpenFlowスイッチ開発まで、幅広い経験と多様なスキルを獲得していくことになる。

「元々インターネットも、プロじゃないのに、この業界に入って何とかやってきたのは、すごく大きな成功体験でした。インターネットは黎明期で日々進化していたため、分からないことでも一生懸命、3カ月も勉強すれば、普通のプロと話せるようになる」

「プログラミングに関しても、当然、トッププログラマには、今さらなれなくても、この分野で半年、1年、2年と勉強すれば、少なくとも、何かしらの貢献ができるレベルにはなれる」

やればできる……と分かっていても、未知の分野に積極的に飛び込んでいくのは勇気が要る。さぞかしメンタルは強いのだろうと思ったら、意外な答えが返ってきた。

「メンタルは弱い方だと思ってます」

「(だからこそ)一番大事なのはメンタルだなと確信しています」

「メンタルに負荷がかかるような状況に、このままだとなりそうだなと思ったら、すぐにそこから逃げる、離れる」

メンタルのほかに、続けるために大事なことは?

「あとは、仲間」

「もちろん、自分一人でも成長を実感できたりするんですけど、やっぱり、何かできたものを自慢できる相手がいたり、一緒に技術課題取り組む人とか、同じ興味を持った人がいると、やってて楽しいんです」

「そういうモチベーションが、日々勉強したり調べたり、アウトプットしたりという自分を支えてもくれてるので。そういったコミュニティに対して、仲間を維持して増やしていくというのは大事ですね」

(了)

取材・執筆・文責:Ko Kazaana
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部

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