北海道で15年以上にわたって技術コミュニティを支援し続けている、一般社団法人LOCAL。法人の立ち上げから現在まで、運営の中心メンバーとして活動しているのが三谷公美さん。1996年に設立されたJavaカンファレンスの立ち上げメンバーであり、技術コミュニティを運営するエンジニアの先駆け的な存在だ。
結婚を期に、北海道に移り住んだ三谷さん。LOCALに関わるようになったきっかけは、友人に誘われて参加した「オープンソースカンファレンス北海道」だった。
「子育てが落ち着いて、久しぶりに技術カンファレンスに参加したら楽しくて。やっぱりこういうのが好きだなと思ったんです」
まずは一歩踏み出してみる、が信条。「きっかけを見つけたらまずは飛び込んでみるんです」と話すとおり、LOCALが募集していた法人立ち上げメンバーに名乗りを上げた。
LOCALは若手の育成に力を入れている団体でもある。
「LOCALには学生部があります。エンジニアを目指す北海道の学生が、のびのびと楽しく学べるようにお手伝いするのが私たちの役割です」
「大人は金は出すけど口は出さないというのがポリシー。学生の主体性を尊重し、活動を見守っています」
LOCALを法人として継続させるのは簡単なことではない。それでも続けられているのは、そこにやりがいや喜びがあるからだ。
「LOCALは法人として毎年やらなければならないことがあり、1人だったらやめていたかもしれません。一緒にやる仲間がいたから、助け合って乗り越えられました」
学生部を巣立っていった若者たちは、それぞれの場所でいきいきと頑張っている。取材の前にも、LOCAL学生部出身のことみん(向平琴未さん)が公開した新卒エンジニア向け研修資料を見て、「よかった…!」とあふれる喜びを隠せなかった。
「とても感動しましたね。若いエンジニアが成長していく姿を間近で見られることに、やりがいを感じます」
三谷さんにとってLOCALとはどんな場所なのだろうか。
「1人ではできないことを、志を同じくする仲間と一緒に実現できる場です。北海道のエンジニアの幸せと、若い世代の応援のために活動できるのがしあわせです」
「これからは、もっと多くの若者が参加できるイベントを開催したい。参加者が多すぎて嬉しい悲鳴を上げてみたいですね」
今後について語る三谷さんの笑顔は、優しさにあふれていた。
取材・執筆・文責:河原崎 亜矢
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部