本名よりも「ことみん」という愛称で広く知られている。今週、技術カンファレンスに登壇したかと思えば、翌週はイベント運営スタッフとして奮闘し、活動ブログも書きつつ、日常的なツイートも欠かさない。来春で3年目の新卒エンジニアとは思えないような活動の広さ、深さを、軽やかに楽しみながら自然体で続けている姿は、techコミュニティが育んだ最高の成功例のひとつかもしれない。
話を聞いてみると、昔から、こんなに外交的だったわけではないという。
「中学校のときは、全然そんなことなくて。あまり人前では喋れない、みたいな」
「それが、自分の中では、すごく嫌だなと思っていて」
環境を変えることで自分も変わりたい──そんな思いもあって進学先に高専を選び、新しい環境に飛び込んだ。
「高専2年生の高専祭で、自分から手を挙げてクラスの出し物のリーダーをやりました」
そのサーターアンダーギーのお店は、首尾良くできて、重要な成功体験となった。そして高専3年生のとき、誘われて気軽な気持ちで「オープンソースカンファレンス2018 Hokkaido」に参加したことで転機が訪れる。
「(前提知識はまったくなくて)札幌に、みんなで行こう、みたいな感じで」
「面白い展示があったり、LTの発表でみんなバーって盛り上がったりしていて、なんかすごい楽しい、となって」
「LOCAL学生部(※)の人と話して、面白そうだから入ろう、やろう」
※北海道のtechコミュニティを支える活動をしている「LOCAL」という団体の学生部門。
LOCAL学生部をきっかけにtechコミュニティに参加するようになり、世界が一気に広がった。
卒業後はWeb系企業に就職し、エンジニアとして歩み出すが、世はコロナ禍。仕事もイベントもフルリモートとなっていて、外との繋がりが作れない時期が続いた。
「たまたまなんですけど、(就職して)1年目の11月頃に直属の先輩が退職することになって」
「私が任される範囲が増える状況になったんです。それまでは、担当してるプロダクトの中で、先輩に頼ってた部分が大きくて。やばい、私、このままじゃいけない、と」
「そこから仕事でも、もっと積極性を出して、何でもやれるようになろう、みたいに頑張るようになりました。結構、そこがターニングポイントになって」
「同じぐらいの時期に、物理出社も週1、2回するようになってきて、社内でもイベントをやるようになってきて」
「いろんな人と話す機会が増えて、やっぱり私は、人と繋がって、いろんな人と喋ることがモチベーションになってるんだと気づきました」
今後、なりたいものがあるという。
「学生の頃から、カンファレンスに登壇する人たちを見てきて、すごいな、こうなりたいな、って思っていて」
「そういうすごい人たちも、エンジニアとして日々、いろんなことをやって、そこまで行ってると思うので、自分も、10年、20年と、そういうことをやっていって、いつか、そういう誰かの憧れになるような人になれたらいいかなと」
(了)
取材・執筆・文責:Ko Kazaana
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部