エンジニアとして入社したものの紆余曲折を経て広報担当となり、「技術広報」という役割の草分けとなった。今では、技術力を強みとするIIJで、その要となる技術情報発信に欠かせない存在だ。
MSXでコンピュータに触れ、雑誌に掲載されたプログラムを入力してプログラミングに親しんだ。大学に入学したタイミングで大学生協がインターネット事業を始めることになり、そこへアルバイトとして潜り込んだのが今に繋がっている。学業よりも、そのアルバイトでインターネットにどっぷりとハマり、「インターネットと言えば」という一択でIIJへ入社。
しかし、会社の業績が芳しくなかった時代に、エンジニアを離れて営業支援職を経験する。その後、エンジニアに戻ったかと思ったら、今度は広報へ。エンジニアとしてキャリアをスタートさせた人が、エンジニア以外の職種に就くのは、葛藤や迷いがあったのではないだろうか?
「それ、実は、あんまりネガティブな気持ちはなかったんですよね」
「(営業に移ったのは)会社が苦しかったときで、当時の副社長から「やってくれないか」と声をかけられて、ピンチのときのヒーローじゃないですけど、よし頑張ろう、と」
「(広報に移ったときは)ブログを書いていたら講演を頼まれたりするようになり、それが(当時の)社長に見つかって『だったら広報をやってくれ』と言われて」
「自分ではあまり意識してませんが、(どんなことでも)それなりに面白さを見つけて、(何でもポジティブに捉えるような)そんな性分は昔からあったのかなと」
「部署が変わっても、基本的にやることは変わらないと思っていて」
インターネットという軸がぶれなかったから、今がある。
「いろんな意味で流されてきましたが、流されても、それなりに面白いよ、面白いことはいっぱいあるよ、と言いたいですね」
「『やりたいことがあるから、それ以外はやりたくない」という人もいますが、でも、流された先にも何かあるし、チャンスはいつか巡ってくるものです」
ひとつ、心に秘めている野望があるという。
「いまは技術広報として、会社のことを紹介する立場なんですけど、やっぱりいつかは、自分が新しいもの、面白いものを作って世に出したい、という気持ちはあります」
(了)
取材・執筆・文責:Ko Kazaana
編集・制作:Findy Engineer Lab編集部